見出し画像

【003】仕事における可愛がられ方、愛され方

1月下旬になり、今週はいくつか複数の提案書を作りつつ、担当している案件で関係当事者との様々な交渉を行っていました。国内だと3月末が年度末の会社が多いので、予算消化のために細切れでお仕事を発注いただくことも多い時期かなと思います。一方で、外資系IT企業のレイオフの話も出てきてて、今年下半期以降の景気動向なんかも色々気になる時期です。

そんな中、新年会として先週末にお客さん(Mさん)と会食をしてきたのですが、Mさんは非常に私のことを可愛がってくれてて、会社規模が大きく社内での説明も大変なのに、ほぼほぼ相見積もりなしでお仕事発注してくれることが多いです。加えて、Mさん以外にも自分のファンと呼べる人たちが社内外にいるのですが、これは自分に限った話ではなく、ファームの一定職位以上になると、一定数の自分のファンを社内外に抱えているよなぁ…と会食帰りのタクシーの中で回想していました。

可愛がられる必要性

仕事が超出来るようになるから。以上。

会計士の中でも、そもそも仕事における可愛がれることが重要な理由を分かっていない方が多いかもしれないです。というか、自分が監査法人にいた若手の頃は、その感覚がなかったです。
背景として、監査というのは、受託サービスの中でもリピートを前提とした、それもリピートしない方が委託側が損をするという珍しい受託産業。そのため、特段、受託という形態で長期的にお客さんと仕事をしている会計士は、特別に好かれる努力をせずとも、ザイオンス効果でお客さんとの距離は縮まっていきます。

ザイオンス効果(Zajonc effect)とは、同じ人やモノに接する回数が増えるほど、しだいにその対象に対して好印象を持つようになる心理現象です。 日本語では「単純接触効果」と呼ばれます。 好印象を持つ対象は人やモノだけではなく、味や匂い、音楽など、様々なものに対して起こります。

いまはコンサルティングの仕事中心なので、今日初めて会ったお客さんの心をぐっと引き寄せる難しさに日々直面しています。というわけで、個人的に可愛いがられるのって大事ですよねって思う理由を以下に記載します。

  1. プロダクトでの差別化が難しい
    ファームの大小問わず、提供可能なサービスは類似しやすいもの。何をやってもらえるかで差がないとしたら、誰が提供するかという話。物理的に同じものが得られるのなら、精神的に得をするものを選びたいのがお客さんの心情。

  2. 結局はチームじゃなくて個人
    何かの提案をお願いしたいとき、見積もりがほしいとき、依頼は必ず個人あて。もちろん過去の業務提供は色んなチームでやっていても、結局は「○○さんお願いします」「XXさんに担当してもらいたいです」という形で個人に依頼が来るのは、ファームやチームへの信頼度と個人への信頼度等を発注者側が切り離して考えているから。余談ですが、水商売で指名という制度がなりたつもの、組織と個人単位での様々な側面に相違があるからと考えています。

  3. 可愛がられやすさもコミュニケーション能力の発露
    短時間で相手の懐に飛び込んで心の距離を短くする人と、いつまで経っても距離感変わらない人、両方いたときにどちらにプロジェクトマネジメント任せるのかは火を見るよりも明らか。結局、可愛がれるためには、相手がほしいと思っているもののうち、他者が提供できなさそうで、自分が提供できそうなものを優先度が高い順からぶつけるという需給調整ゲームを制することです。つまり、相手、自分、第三者を客観的に戦力分析して、ゴールに向かって必要な戦術を組み立てることが必要であり、プロジェクトマネジメントや交渉等に通ずる部分があります。というか、プロマネはほぼコレです。

というわけで、いろんな人に可愛がられましょう。可愛がられた先に師匠という存在がいるかもしれません。

可愛がられ方の方法論のところについてはまた来週以降に書きたいなと思います。

以上です。ありがとございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?