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良質なSES企業を見極めるためのチェックポイント:平均請求単価の重要性

SES企業が公表する還元率には社会保険料の会社負担分が含まれており、実際の給与分配率は表示される還元率よりも低くなります。たとえば、還元率が75%と謳われている場合、社会保険料が単価の約10%を占めることを考慮すると、実際の給与分配率は65%、マージン率は35%となります。業界平均のマージン率が38.6%であることを考慮すると、75%の還元率が高いと見なすかどうかは個人の判断によります。

私が注意喚起したいのは平均の請求単価です。SES企業を選ぶ際、還元率に注目しがちですが、同時に重要なのは平均の請求単価です。還元率が高くても、単価が低い場合は給与も低くなります。業界の平均請求単価は約64万円ですので、これより低い平均請求単価のSES企業には注意が必要です。商流が深い場合や、営業力に疑問がある場合は特に慎重に検討すべきです。

SESや派遣会社はクライアントワーカーです。請求単価はクライアントによって決まるため、良質なクライアントとの取引が重要です。そのため、私たちは日々新規顧客の開拓に力を注いでいます。人材採用を重視し、営業をBP(ビジネスパートナー)中心に行うSES企業とは、結果に差が出るのは当然です。

良いSES企業を見極める際の一つのポイントは、公式ウェブページなどで取引先情報を確認することです。取引先のリストに有名企業が多数含まれている場合は問題はありません。しかし、あまり知名度のない企業ばかりが並んでいると、商流が深い案件が多い可能性があります。商流が深い場合、単価が低く設定されており、結果として年収が抑制される傾向にあります。

もう一つのポイントは、営業マンと採用マンの構成比率です。商流が深いBP中心のSES企業は、営業マンの数を限定し、採用活動に力を入れる傾向があります。人材がいれば売上利益が上がるという考え方から、営業努力が疎かにされ、BP中心の運営が行われがちです。このような人材ありきの活動では、平均単価はなかなか上がりません。

従って、良いSES企業とは、営業も積極的に行っている企業だと言えます。

追記:派遣会社の派遣料金やマージン率の平均値は、『労働者派遣事業報告書』を通じて確認・計算することができます。この報告書は『労働者派遣事業の適正な運営の確保等に関する法律』(労働者派遣法)に基づき、毎年、厚生労働省労働局へ提出されています。令和4年の報告によると、「情報処理・通信技術者」のカテゴリーにおける1日当たりの派遣料金は32,394円、派遣賃金は19,886円であり、これに基づくマージン率は38.6%となります。平均の請求単価は、派遣料金32,390円を基に20日間勤務したことを仮定して私が計算しました。

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