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パフォーマンスを上げるためのHip hinge Training−理論編−

C-I Baseball の増田稜輔です!
2022年6月よりC-I Baseball【トレーナーマニュアル】は
3シーズン目に突入します!
今日までたくさんの方にご購読頂きスタッフ一同感謝しております。
今後のよろしくお願い致します。

3シーズン目は「実践力」をテーマにnoteを配信していきます!
詳しい内容はこちらをご覧ください!

C-I Baseballでは
「野球トレーナーの輪」を広げるために「仲間」を募集しております!
・野球にトレーナーになりたい
・トレーナー活動しているけど自信がない
・トレーニングについて勉強したい
・野球選手の怪我を治したい
など、野球選手に関わりたい方はこちらをご覧ください!!

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今回担当する内容では「パフォーマンスアップトレーニング」として
選手個人の能力を引き出す・構築するトレーニング内容を配信します。

▶野球動作に必要となる関節機能
▶動作に獲得するための運動機能の構築
▶瞬発的なトレーニング

などを中心に配信していきます。

今回のテーマは「Hip hinge Training」について解説していきます。

近年、野球パフォーマンスや障害予防には「Hip hinge」が重要と言われています。
SNSやYouTubeを開けば「Hip hinge」に対するトレーニングも多く紹介されており、トレーニングメニューに取り入れているトレーナーの方も多いと思います。
情報が多く出回っており、「HIp hinge」に対する【方法論】を知っているけど、【なぜ重要なのか?】を考えていないケースを見受けられます。

皆さんは「HIp hinge」についてどのように考えますか?
・股関節のタメを作るため?
・股関節を上手く使う?
・下肢後面筋が伸張しSSCを利用出来る?

様々な意見があると思いますが
今回は「HIp hinge」が一体なんなのか?
野球にどのように関係するのか?どんな機能が必要なのか?を
考えていければ思います。

■HIp hingeとは

皆さんもよくご存知だと思いますが「Hip hinge」の基本について考えていきましょう。

HIp hingeとは
Hip→股関節 hinge→蝶番
言葉の意味から考えると「股関節が蝶番に動く」という意味になります。
もう少し深く考えると
股関節→骨盤と大腿骨なので
大腿骨上を骨盤が蝶番に動くことを示します。

では、なぜこの大腿骨上を骨盤が前傾する動きが
「野球のパフォーマンス」に重要になるのでしょうか?

結論
「各動作でHiphinge(股関節を屈曲する)必要があるから」です。
しかし、これだけの説明では不十分な感じがしますよね・・・
トレーナーとして選手に指導するには
「野球では股関節を曲げることが多いから曲げるトレーニングをしよう」
ではなく
「Hip hinge 」を獲得するメリットや効果を示す必要があります。

なので、なぜ重要なのかを説明出来るようにしていきましょう。
・構造的観点
・力学的観点
・野球パフォーマンスとの関係性

■なぜHip hinge が重要なのか?

●構造的観点

まずは関節の構造的観点から考えていきたいと思います。
Hip hinge の主役となる「股関節」は球関節であり3軸性の動きをする関節です。

人体の関節の中では最も可動性の大きい関節のひとつであります。
その可動性は関節が安定している条件下で十分は機能を果たします。
一方で関節が安定していない条件下では、股関節の可動性は低下します。

股関節の安定性を生み出すには「被覆率」が関係してきます。

寛骨臼の構造は前方が浅く、後方部が深い構造になっています。
骨盤前傾することにより、寛骨臼の後方と大腿骨頭の被覆率が高まり関節が安定します。
つまり、Hip hinge を獲得すると股関節の安定性の向上につながるということです。

構造的観点にはもう一つ重要な要素があります。
それは股関節の「靭帯」による影響です。

股関節周囲の靭帯は股関節伸展方向で緊張する特性を有しています。
つまり、股関節伸展位では各靭帯の張力が高まり骨頭の動きが制限されます。
この状態では野球動作に必要な「股関節回旋」が制限されます。
一方で股関節屈曲位では、靭帯の緩む肢位になります。股関節の可動性が高い状態になります。
このことから考えるとHip hinge を獲得することで股関節は
・安定性が高まる
・靭帯性の制限が少なくなる
この2つの要素を獲得することができ、効率よく関節運動を行えるようになります。

●力学的観点

2つ目に股関節の力学的観点からHip hinge について考えていきます。

・LoadingとUnloading

LoadingとUnloadingとは
Loading→力の吸収 Unloading→力の発揮
人は力を発揮する前に力の吸収が起こります。

Hip hinge はLoadingに部分になります。
大きな力を発揮する前の力の吸収に関与します。
Hip hinge が行えないまたは不十分であると
このLoadingが機能せずに力発揮が弱くなってしまいます。

・伸張反射

Hip hingeをすると股関節が屈曲することで
大殿筋・ハムストリングスに伸張性の負荷が加わります。
野球パフォーマンスのように、瞬間的に爆発的な力の発揮には、
筋肉が伸張位から短縮位になる伸張反射を利用することが必要になります。

以上のように、Hip hinge を獲得することが重要であると考えています。
・股関節が安定する
・関節の可動性の効率性が上がる
・力を吸収し発揮できる
・伸張反射を利用し瞬間的な力発揮が出来るようになる

■Hip hinge と野球パフォーマンス

ここからはHip hingeと野球のパフォーマンスについて解説していきます。
Hip hinge 
・股関節を屈曲する
・膝関節は10〜20°屈曲位
・腰椎は伸展位で固定する
基本となるHip hingeは上記のようなものになります。

デッドリフトのようなウエイトトレーニング中には基本的なHip hingeが必要となりますが、野球動作中には基本的なHip hinge動作を行う場面は少ないと考えています。
では、なぜHip hingeが野球パフォーマンスに重要と言われているのか?

・トリプルフレクション

トリプルフレクションとは下肢の3関節を協調させて屈曲運動を行うことです。このトリプルフレクションを構成する一つの要素がHip hingeです。

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