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グローバルでの各戦略コンサルファームの評価

コロンビアMBAにはJ-termと呼ばれる1月からMBAをスタートするプログラムが存在し、8月からMBAを開始する人たちがインターンシップを行うサマーの期間の一部も授業を受けることから社費生、ファミリービジネスのバックグランドを持つ人が多くなっています。このプログラム全体で約200人が存在し、その中で外資戦略ファームからの社費生は60人程度と全体の30%を占める最も多い母体となっています。各ファームからコロンビアMBAのJ-termに送り込んでいる人たちと話したり、協働してみた経験から、私なりに捉えた各ファームのグローバルでの印象を纏めていきたいと思います。(カッコ内の数値は各ファームからコロンビアMBAに派遣されている人員数)


各戦略ファームの評価・印象 

マッキンゼー(約30人)

規模を拡大してもいまだにどの地域、国でもNo.1の戦略ファームの立ち位置は揺るがない模様。MBAの授業でもコンサルティングファームによるリサーチ内容のレファレンスとして使用される回数は最も多く、社費生の数も最も多い。人材の質に関しても、他のファームほどのばらつきが少なく(最低ラインのレベルが高い)、グローバルで人材の質を最低限担保する体制は、この規模になっても機能している印象。オフィス間のトランスファーの自由度も高く、MBA後に他国のオフィスに移動するケースは多数。 

BCG(約15人)

マッキンゼーに次いで多くのコンサルタントをコロンビアMBAに送り込んでいる。日本市場では急激な人員拡大による質の低下、PJの内容のオペレーション化が揶揄されることもあるが、米国ではマッキンゼーと並ぶ双璧のファームとしての立ち位置を保持。但し、マッキンゼーと比較するとグローバル感は弱く、オフィス間を移動する人も限定的(トランスファーの難度も他のファームよりも高い)、各国のローカルオフィスが独立している印象。また、人材の質の観点でも、当たり外れのばらつきが大きい印象で「この人本当にBCGで仕事出来ていたのか」、というレベルの人も存在する(特にファイナンスなどの定量要素が弱いBCG社費生は散見される)。 

ベイン(6~8人)

グローバル、日本市場でもM&Aに強いファームで認知されている。ファームの規模の観点からもマッキンゼー、BCGほどのコンサルタントがコロンビアMBAにも存在しないが、ヨーロッパ(特にイタリア)では数百人規模を誇り、各国でプレゼンス・規模感が異なる。クロスボーダー案件も多く、オフィス間トランスファーが行いやすく、グローバルファームとしての機能はマッキンゼーに近しい印象(上海オフィスに中国政府の捜索が入ったのも、そういったことが背景にあると思料)。ベイン出身の各国コンサルタントに話を聞くと、マッキンゼー、BCGと比較すると規模が小さい分、実施しているPJの中で戦略PJの占める割合が高い印象。 

カーニー(4~5人)

各地域で認識が大きく異なるファーム。日本ではプレゼンスが高く、MBBに次ぐ地位を確立しており、特にBCGの肥大化、マッキンゼーのオペレーション部隊の強化に伴い、相対的に戦略ファームとしての地位が向上している印象。欧州も日本での立ち位置に近く、MBBに次ぐ第四の戦略ファームとして認知されている一方で、米国ではオペレーションのPJが多く、総合ファームと大して変わらない立ち位置の模様。一方で給与水準は高いことで知られており、そういった観点を鑑みてもファームのブランドの弱さから、MBBと比較して優秀な人材を引き寄せることに苦労している模様。

Strategy &(2~3人)

かつてブーズ&カンパニーだった頃は、MBBに次ぐナンバー4のポジションだったが、PwCに吸収されたことから、一部の地域、都市を除いて、プレゼンスは低下している。PwCに吸収されたタイミングで優秀なコンサルタントは基本的に他のファームに引き抜かれる草刈り場と化していた印象だが、それでも各国のビジネスの中心都市(ニューヨーク、ロンドン、バンコクなど)では一定のプレゼンスを残している印象。但し、欧州や東京ではかつてのようなプレゼンスはなくなっていることは明白。 

ローランドベルガー(2~3人)

欧州で一定のプレゼンスを誇る印象で、ファームへの愛社精神が他のファーム出身のコンサルタントと比べると強い印象。ヨーロッパのオフィス間でのトランスファーはあるものの、地域をまたいだオフィストランスファーは限定的な印象。 

LEK(1~2人)

英国のファームであることから、大英帝国圏(英国、オーストラリア、カナダ)で一定のプレゼンスがある模様。ファームの出自の観点からもオフィス間のトランスファーは容易な模様。 

オリバーワイマン(1~2人)

米国、欧州では戦略ファームとして認知されている模様だが、コロンビアMBAで当該ファームから来ている人は1人しか会ったことがなく、いまだに私の中では実体がブラックボックス化している稀有なファーム。 

MBAで感じる戦略コンサルタントの強み

以前、下記の通りツイートしましたが、様々なバックグランドを持つ人がMBAに来ている中でも戦略コンサルタントは仕事におけるケイパビリティ(定量、定性分析、プレゼン、ファシリテーション等)が最もバランスが取れている印象です。

確立だったアプローチでビジネス戦闘力を高められ、その後のキャリアの選択肢も豊富な戦略ファームでのキャリアを検討している人に向けたnoteを作成しているので、そちらも参考になれば幸いです。

今後もグローバルな視点を含めた内容を発信していきますので、是非「いいね」、「サポート」をしてもらえると嬉しいです!

P.S. 事業会社やPEがブティックファームがフリーランスのコンサルタントを活用するようになっており、年収2000~3000万円を稼いでいるコンサルタントも周りでよく見かけるようになっています。様々なサービスの話を聞いた中で、Strategy Consultant Bank(SCB)は非常におすすめで、扱っている案件は高単価での戦略・業務案件が多く、面談でどういう案件があるのか聞くだけでも面白いので、一度試してみては。


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