#170 東武鉄道「紙の切符」を全廃?!
『紙について楽しく学ぶラジオ/Rethink Paper Project』
このラジオは、「紙の歴史やニュースなどを楽しく学んで、これからの紙の価値を考えていこう」という番組です。
この番組は、清水紙工(株)の清水聡がお送りします。
よろしくお願いします。
乗りものニュース 2024年5月7日の記事
はい、という訳で、本題に入っていきたいと思います。
今回は気になったニュースをご紹介していきたいと思います。
「乗りものニュース」という、その名の通り「乗りもの」に特化したニュースサイトから、2024年5月7日に気になる記事を発見しましたので、先ずはそちらをご紹介させていただきます。
はい、「私鉄大手の東武鉄道が、2027年までに、QR乗車券を導入することによって磁気乗車券の全廃を目指す」という内容のニュースでした。
「紙のデジタル化」の類のニュースですね。
切符のデジタル化は今に始まった話じゃなくて、既にICカードやスマホで電車を利用している人が殆どじゃないでしょうか。
僕も、電車に乗るときは、スマホに入れたsuicaのアプリで乗車しています。
特殊な素材の紙の切符
さてさて、今回テーマになっている紙の切符、実は、結構特殊な紙でして、表が紙、裏は磁気がコーティングしてあります。
しかも表の紙の部分は、ただの紙ではなくて、レシートとかと同じ感熱塗料がコーティングしてあります。「感熱紙」という種類の紙です。
更に、偽造防止もされています。
一応、金券ですからね。
そう、結構技術力が結集された紙なんです。
なぜ、こんなに特殊な紙になっているのか。
それは、「データの記録」と「偽造防止」の為です。
「データの記録」と「偽造防止」。
そう、デジタルのハイパー得意分野です。
そう、紙の切符のデジタル化は必然だった、という訳です。
まとめ
必然とは言え、「3年間で全廃を目指す」はすごく思い切りのある決断ですよね。
東武グループは、経営計画書の中で
と述べています。
今回の「QR乗車券の導入による磁気乗車券の全廃」は、まさに、事業環境やニーズの変化を進取する『挑戦』ですね。
素晴らしい決断だと思います。
僕は、紙業界の人間でありながら、必要な紙は残って、必要じゃない紙は淘汰されて当然だと思っています。
客観的に見て、紙の切符がなくなるのは遅いか早いかの問題で、いずれ迎える未来だと思っています。
昨年(2023年度)は、紙の国内出荷量は1000万トンを下回り、2007年度のピークからおよそ半分にまで落ち込みました。
この落ち込みの大きな要因が「デジタル化」です。
今回は東武鉄道でしたが、他の鉄道各社の動きも注目ですね。
はい、という訳で今回は、「東武鉄道が紙の切符を全廃」というニュースについて解説させていただきました。いかがだったでしょうか。
それでは、本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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