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六華苑(旧諸戸氏住宅)へ行こう

●六華苑について

 愛知県と三重県の境目の三重県側、桑名市にある六華苑のお話です。もともとは諸戸清六という人物の住宅として大正二年(1913)に造られたもので、現在では桑名市の管理となっています

 大別すると洋館、和館、庭園から構成されます。

●洋館(国指定重要文化財)

 洋館【国重文】です。木造二階建てで四階建ての塔屋が付きます。設計は鹿鳴館の建築で有名なジョサイア・コンドルで大正二年(1913)に完成しました。
 コンドルは歴史の教科書ではお雇い外国人として登場するイギリス人で、19世紀半ばにイギリスで流行したクイーン・アン様式を得意とした人物であり、単純に言うとレンガ造の建物を日本にもたらした人です。余談ですが東京駅を設計した辰野金吾もコンドルの弟子でした。
 そんなコンドル設計の建物は東京に集中しており、地方ではこの諸戸氏住宅のみということで貴重なのです。

 一階内部です。主要な部屋を説明していきます。

 塔屋一階にある応接室です。塔屋一階を応接室とする例はコンドルの住宅建築の基本形と言われています。

 客間です。来客接待用の部屋で細部まで装飾が施されています。天井の薔薇模様はコンドルが気に入って使っていたとのことです。

 食堂です。客間と違って落ち着いた雰囲気に統一されてます。

 二階の書斎です。窓際の屈曲は直線の単純さを嫌ったコンドルらしいデザインです。

 サンルームです。陽光がふりそそぐ明るいスペースで当時としては斬新な設計であったらしい。

●和館(国指定重要文化財)

 和館【国重文】です。大正元年(1912)の建物で木造平屋建(一部二階建)。

 基本的にこの時代の住宅で洋館と和館を設ける場合別々に建てられることが多いが、旧諸戸氏住宅では接続しているという点で珍しい。

 一階は西側に格調の高い客座敷、東に内向きの座敷があり、二階には隠居部屋があります。

●庭園(国指定名勝)

 庭園【国名勝】です。写真は池泉回遊式の開放的な主庭園です。

 東庭です。

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