コラム-12

LINEとヤフーの経営統合について考える。

日経にて第一報が報じられた今回のLINEとヤフーの経営統合。当初このニュースを知った際の感想としては、LINE関連のサービスがソフトバンク系サービスと統合されていく可能性が高いという点。LINE関連サービスは近年LINEPayを中心に様々拡大してきたが、正直LINE本体の成長鈍化と同様に苦戦している部分があった。その為、資金面含めソフトバンクのサービスとの統合はシナジー効果は高い部分はあるが、LINEがここまでサービスを拡大してきた面を考えるともったいないという印象。結局は大企業の資金力ありきでサービスの実権を握ってしまうのか…と率直に感じた部分である。
LINEPayに関して現状が誤算であったのであれば経営陣の見通しが甘いと言わざる得ないだろう。正直QRコード決済が利益を生む事業ではそもそもなく、クレカや銀行などの金融事業という稼ぎ頭となる分野への導入でしかない。ただ、クレカ紐付けは必須であったが、明らかに出遅れた状態であり、プリカでは意味がないというのが率直な感想。今後約1年間は統廃合が進む事はない反面、1年後はPayPayに統合される可能性が高い状態であるのでここから無理にクレカ発行には乗り出す必要がない。そうなると1年間赤字を垂れ流し続けるLINE Payを続ける意味がどこまであるのか?って考えるとキャンペーンなどで力を入れなくなる可能性は十分考えられるだろう。
アベプラに出演した堀江さんが指摘する通り、あくまでもユーザー側にとって何か大きく変化するという事ではなく、LINEとヤフーの企業同士にとって裏側として双方メリットがあるのが今回の実質的なLINE買収劇の背景だろう。ヤフーが保有していないLINEというメッセンジャーは間違いなく、魅力的であり、東南アジアに一定の需要を持ってる面も大きい。LINE側としても苦戦している事業面の拡大、利益率の高い金融事業への参入障壁の高さを考えるとヤフーを含めたソフトバンクとPayPayの勢いと資金力は魅力的であったのは間違いないわけだからね。実際にGAFAの一角に切り込めるか否かは厳しい部分はあるが、日本市場と東南アジア圏でしっかりと利益を上げて更なる買収で大きくなる土台作りとしてみれば今回の買収は合点がいくよね。

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