探し物

探していたものってなんだろう。
いつも遠くばかり見て。
周りを見渡して。
どんどんどんどん、自分のことが分からなくなってく。
そんなことをくりかえしてここまで来たけれど。
目を閉じて冷静に考えてみれば、私はそう遠くまで来ていないことに気が付く。
何度も何度も夢に見た言葉や景色は泡のようにしゅわしゅわと溶けてはじける。
だけどそれは決して消えてしまったのではない。
私がどんなに消そうと思って閉じ込めて見せても、”それ”は変わらずにそこにあって。
「早く気が付いて。」
と言わんばかりにいろんなことを起こして見せる。
私も気が付きたいのだけれど。
相思相愛なのになあ。

ここにいるよ。
ここにいるわ。

ねえ、早く気が付いて。

間違いでもいい。もううんざりだわって、誰かに切り捨てられてもいい。
ただどうか、あなただけはわたしを、どうか。

そう願うのは私はあなたのことを信じているから。
ただ、あなたのことだけを。

私が見ている世界はただひとり、私だから。

あなたがイラつきを覚える出来事。人たち。
なにもかもが、私があなたに見せている景色。
なにもかもが、私があなたに見せるあなた自身。
あなた自身が鏡のように映る世界。

誰がなんて言おうと関係ないわ。
私は私の好きなものを好きだという。
私は私の好きなことをして生きる。

「わがままに生きたらいい」

わがままってなんだろう。

私自身が世界ならば、私が幸せなら、私が楽しいのなら、私の世界は輝くし、私の大切な人たちは笑ってくれる。

寂しかったのは。
ずっとずっと、ずっとずっと、寂しくて胸が張り裂けそうだったのは、私がずっと居留守を決め込んでいたせい。

私がしたいことを、私だけが選んだ私の道を。愛すべき無駄や失敗を、もう決して誰かのせいにはしないと。
いまここで大きな声で。
誰にも聞こえるように言ってみせるよ。

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