子どもは嘘をつく

どんな子どもでも嘘をつく。
賢い子でも、真面目な子でも、優しい子でも嘘をつくものと思った方がいい。
でも大概の場合それは大人や友達を陥れようとするのではなく、本能で嘘をついてしまうものではないかと考える。

大人になるにつれ、思考の中に取り入れられる時間の幅は広がっていく。過去を振り返り、未来を見通して思考できるようになる。これは大脳新皮質の働きなので、子どもは当然その能力が発達途上である。
そのため、ここで嘘をついた場合この後どうなるかということは考えるのが難しい。いわゆるその場しのぎの嘘がよく飛び出す。大人から見ればバレバレだけれども、子どもが認知している時間の幅の中では筋の通った嘘なのである。
もちろん嘘をつかれた相手は不快を覚え、子どもを叱責したり、失望して見せたりするだろう。その経験も不足しているのが子どもというものである。それを積み重ねた結果「嘘をつくと損である」という思考が組み上がっていくのだ。

また、そもそも子どもの嘘というのは自己防衛本能に近いものがあると考える。身近な人間に認められ、注目され、庇護されることで子どもは生きていく。
「自分は悪くない。相手が悪いんだ」と主張することによって自分の正当性を認めてほしい。突拍子もないことやあってはならないことを口にすることで注目を得たい。それらによって自分を庇護してほしい。これは生物の幼体として当たり前の行動ではないか。

だから、子どもは嘘をつく。
嘘をつくものだと思っておいた方がいい。

ただし、嘘をつき続ける子にしないために、大人はその嘘を受け止めつつも否定していかなくてはいけないだろう。
・嘘によって話し相手が傷つく可能性がある
・いつでもあなたを信じていたいから嘘はつかないでほしい
・本当のことを言いにくくなって、あなたが辛い思いをする それが心配である
これらを真摯に伝えるのがよいだろう。

また、過剰な叱責を避けることや、普段から「言い間違い」を許容する土台があると尚良い。嘘をついてしまったら「言い直すね」と告げればなかったことになる。というルールを作り、咄嗟に出てしまった嘘から彼ら本人を守るのだ。

子どもは嘘をつくものだ。
でも、つき続ける子にはしたくないものだ。

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