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保育園看護師になるための経験値は『金』で買える?

看護師として病棟で働いてみたけれど、やはり自分にはあわなかった・・という新人看護師さんが「保育園看護師」を転職先として検討する事もあると思います。
でも、『小児科の経験無いし、看護師としての技術も経験値も無いから・』と悩んでいる方も多いですよね

では、保育園が【看護師】に求めている事って何だと思いますか?
・点滴や採血技術?
・医療機器を扱う知識?
・薬剤や病気についてのアセスメント力?
・基準を満たす為「みなし保育士」として使いたい、保護者への安全アピール(こういう考えの園もあるので要注意!)

いえいえ、「健康な子ども達がいる保育園」では看護師にそんなものは求めていないでしょう。〔※病後児や医療的ケア児を預かる保育園は除く〕

保育園にいる看護師に求められるものとは?

1,体調不良やケガした場合の手当や判断力
 
保育園は「健康な子ども」が対象です。
 厚生省ガイドラインや園ごとの基準で37.5℃以上の発熱なら保護者にお迎え連絡する、遊んでいての打撲や擦過傷程度なら傷口を洗って、止血して、絆創膏貼ってあげる、冷やす等の家庭でもするような簡単な手当で済むことがほとんどです。
 しかし、「骨折したかも?」や急な「けいれん」を起こした場合に
受診が必要なのか?何科を受診するべき?救急車要請案件?などの判断を
園で唯一の医療知識を持った職員としてとっさに現場で判断、指示を出す 責任があります。(実際は園長などと協議して判断することになりますが、医療者として適切な助言をする必要があります)

2,適切な救命救急対応ができる知識と実行力
健康な子どもの集まる保育園だけど、
お昼寝中のSIDS、遊具からの落下事故、給食での窒息、アナフィラキシーショック・・等命に関わる事態が起きたとき、医師もいない、医療関係者は自分だけの場面で「何もできない」は許されません。保育園看護師には適切な医療機関に繫ぐまでに出来る救命救急処置をすることが求められます。

『・・えっ、そんなのしたこと無い(>_<) やっぱり無理~』と思った
そこのあなた!
ちょっと待ってください。
救命救急の技術や経験が医療機関でしか積めないと思ってませんか?
今の時代にそんなことはありません!
『緊急時の対応』についてレベルや内容もさまざまですが、いろんな団体が各地で研修を開催しています。

目的もレベルも対象もいろいろある

《一般の人やボランティア活動に関わるレベルなら》

・消防署主催の救急救命講習会
 お住まいの地域の消防署のホームページなどから開催日や内容を検索してください。
(保育園でも年1回くらい消防署から来てもらい救命救急講習会を受けることがあると思います)

・日本赤十字社
【幼児安全法支援員】講座
2日間連続開催で、子どもの安全のための座学あり、マネキン使用の実技あり、三角巾やパンスト利用の応急手当法など盛りだくさんでした。
厳しい?日本赤十字社らしく、遅刻早退は厳禁!
最後に個別実技テストとペーパーテストがあります。
合格すると認定証カードが送付されてきます。(5年有効)

《保育園看護師になるなら》
ここからが本題です。
業務として救命救急処置をする立場なら、知っておくべき知識が実技と一緒に学べるところを選びましょう。

・Child-Lifes(チャイルドライフェス)
 乳児から小児、大人までの心肺蘇生法、応急手当を市民、医療者対象に
PEARS、ACLS、PALS、MFA、を開催
数少ない子ども~大人まで、幅広く地域~病院内までの研修を提供する団体

おすすめは
☆MFAチャイルドケアプラス
乳児・小児の心肺蘇生法・AEDと応急手当(ファーストエイド)を学習する。
(アメリカの労働安全衛生省の基準に沿ったファーストエイド講習。
 アメリカでは職務上、応急手当の技術が必要な場合にこの研修を受ける   ことが求められています)
丸1日かかる研修ですが、子どもと関わるなら最低限知っておくべき応急手当、救命処置が学べます。
終了カードが即日発行され有効期限は2年間
※MFA=(メディカル・ファースト・エイド)

・BLS横浜
  横浜を中心に主に業務対応としての救命処置に関する情報を発信して
いる。
☆PEARS,ACLS,PALSなどの研修を開催している(横浜系といわれる本家)
☆最近系列で『BLS札幌』ができた

・ブレイブハートNAGOYA
  主に愛知県名古屋市を中心に活動、
「お作法」ではない「現場で動ける」救急処置トレーニングをしている。
AHA公認のBLS,PEARSだけでなく、救命指導員講習や血液媒介感染症対策講座など幅広く開催しています。

<保育園看護師関連のNPO団体など>


・全国保育園保健師看護師連絡会
 ・研究大会、総会、会報の発行、調査、研究をしている
 ☆保健指導シリーズ「保育のなかの事故」「ほけんだより実例集」などの本も出版しています。

・日本保育保健協議会
 小児科医や小児歯科医によるweb講習会(有料)があるので地方にいても受講しやすい


まとめ

看護師としての経験値が病院病棟でしか積めない時代は終わりました。
心身を傷つけてガマンしてまで病院病棟勤務を続けることはありません。
「看護師資格」があればどこにだって行けるんです。
ただし、そのためには行きたい場所に応じた看護師としての知識、技術、実践力が必要になるでしょう。

私は、保育園看護師として必要な経験値=(知識、技術、実践力)は小児科病棟や臨床経験が無いと学べない、身に付かないとは考えていません。
現代は健康な子ども達の《もしもの時》に備えた
《応急手当、救急救命処置方法》は誰だって、いつからだって
探せば病棟以外でも学べるようになっています。

だから、
多少のお金と時間と、探求心向上心があれば【経験値は買える】と私は思っています。
もちろん、その後も常にアップデートしていく必要はあるけれど、
大切な【子どもの命】を守るためならそれも辛くはないはず。

まずは一歩を踏み出してみませんか?







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