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東京都現代美術館 「ひげから地球へ パノラみる」吉阪隆正展 2022美術館めぐり


西洋美術館の再会館もあと少しに迫った2022/4/3、タイムリーにコルビジェの三人弟子の1人、吉阪隆正氏の痕跡を辿る展示を見た。



前川國男とも坂倉準三ともまた違う方向性である。
建物そのものとその周辺環境をよく考え自然と向き合う人。

吉阪氏の恩師に今和次郎さんの名前があり、あぁ「生活」というものを知っている人なのだろなぁと思った。

展示の一文に「いつか廃墟となり朽ちてしかしコンクリートという素材が故、数百年先の人類に発見され、こんな文明あったのかと、言われたい」と言うような記載があった。

世田美を作った内井 昭蔵氏も似たようなことを言っていた。
「いつか朽ちて廃墟になって初めて美しい。」
作る側の人間が朽ちることを考える。

住む為、社会の為に作った建築物の朽ちる未来を想う。華やかに栄える未来を希望するのではなく。

やはり諸行無常、栄枯盛衰という言葉が染み付いている国民性なのか。

建築家に於いても逃れられる精神性ではなく常に付き纏うのかもしれない。

だからこそ、今住む場所、過ごす場所を思い、作る。

今回の展示にあった建築が実は散歩がてら通りかかる場所にある。

やはり本物の迫力は違う。
普段はサッと通り過ぎてしまう道も、これからちょっと特別な建物がある道、と思えるとすこし違う風景に思えるかもしれない。

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