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【その後、コレクション展のゆくへは】所蔵作品展 MOMATコレクション (2023.5.23–9.10)東京国立近代美術館


2023年6月16日 快晴。
始まりました、東京国立近代美術館の新規コレクション展。
「重要文化財の秘密展」以降のコレクション展だ。
一階ではガウディが始まったが、これは夏休みの子供との避暑先にしようと目論んでいるので、まずはコレクション展。

コレクション展を先に見ておけば、企画展後うっかり見に行ってしまって大疲労、なんて失敗をしないはず。(同じ失敗を何度もしてきたのだ!)
別日にじっくりコレクション展を見ておけば企画展後に見ないことへの勿体無い感が薄れるはず。(それでも「3階だけはもう一度見ようかな」と突っ込んでいく自分の姿がうっすら見える…)

さて今回のコレクション展で楽しみにしていたのは小企画


生誕100年大辻清司
「実験」と「共同」、「具体」と「物質」、
「上原2丁目」
である。

この春に千葉市美で名前を知ったばかりの大辻清司(おおつじきよじ)。

千葉の浦安での写真だそうだ。きっと今は海岸線はもっと遠いだろう。



瀧口修造と共に生誕◯◯◯周年ということで、関東近郊各美術館で今年多く取り上げられている。
展示は写真家としての側面、というより記録家としての写真がメインの展示。
アヴァンギャルド作品系は少し。しかし記録写真に写っている面々が豪華過ぎて。
田中敦子、石元泰博、瀧口修造。
北代省三の映る一枚も、先日、世田谷美術館で北代作品、飛行機を見てきたばかりだったのでタイムリーだった。

あ!この飛ばそうとしている飛行機!
とっても良い写真。

「この写真に写ってるこれの現物が、世田美で見たあれか?」と密かにニヤついてしまった。


迫力が違う初期電気服



田中敦子の電気服の写真。昨年「具体」展で高松市美術館から来てたもの(再制作)を見たのだ。これは高松市美術館でもう一度見てみたいなぁと思っている。

高松市美術館といえば7月から上田薫展も始まる。うー…直島も含めて四国の美術館めぐりがしたい。
なーんてことを考えながら、

私が推す2階展示室へ


その上田薫氏の作品は今回のコレクション展でスプーンと水飴の作品がでていた。

このクリアさ。

東京国立近代では初めて見る気がする。
氏の作品は東京都現代美術館でよく見ていた生卵の作品が印象深い。

このテプラのご先祖様みたいなラベル、父がよく使ってたなぁ。バチンバチンいうやつ。


今回のコレクション展の作品もやはり細部をずーっと見ていられる。写真の様なリアルさだけども色の再現方法などをつい考えてしまう、どこまでも絵画だ。
清々しさまである。
一瞬を切り取るわけだが、そもそもモチーフが良いのだろう。リアリズムを突き詰めても面白さが勝る、という。こういう絵画を見ると写実の世界と近いのかと思うのだが、スーパーリアリズムと写実は別物か。
何より画面が綺麗だ。

このずーっと見ていられる絵画。
私は抽象画などでこういう事が起きることが多いのだが、上田さんのスーパーリアリズム絵画もその種の絵画だなぁと感じた。

画面の中に入り込める瞬間がある、というかなんか画面に吸い込まれる様な感覚に陥る。

東京国立近代美術館の意図もそうなのか、上田さんの絵画の前にポツンと椅子が置いてあった。
ずーっと眺めていられる人用の椅子なのかもしれない。

座ったが最後、立ち上がれなさそうだけども。

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