見出し画像

【自問自答ファッション】手を飾るワーク

私の右手の親指は奇形だ。
短く太く、爪は横に広がっている。
右利きなのに鉛筆が持ちにくくて、文字が歪んでしまう。
子どもの頃はすごくコンプレックスだった。

親からは「指吸いしてるからだ」といさめられた。
実は私は小学校高学年まで就寝時の指吸いがやめられなかった。
温かい家庭ではなかったので、メンタルが不安定だったんだろう。
親には「からし塗ったろか」と脅され、1人部屋になってからは秘密にしていた。

加えて指先はとても小さく子供みたいな手をしている。
ネイルアートが出来るほど大きな爪が憧れだった。
大人の女性って感じがして。

小学生のころ不器用なりにマニキュアを塗ったことがあった。
ピンク色の派手なマニキュアだったと思う。
うまく塗れてなくてピアノの先生に「変になってるよ」と指摘を受けたことを今でも覚えている。

ザ・音大出のきちんとした家柄の人で、声楽もやってるような先生だった。挨拶やら何やらの作法に厳しく「お稽古ごと」といった感じだった。
私は先生にとっては劣等生で、呆れられることも多かった。
それとは正反対に同級生はYAMAHAの音楽教室で、ジブリの曲をエレクトーンで自由に弾かせてもらっていていた。現代風でとても羨ましかった。

「変」って言われて傷ついたときにさっさと辞めればよかったのに、ずるずる7年も続けてしまった。
全然楽しくなかったけど練習はソナチネ→ソナタ(楽譜)まで進み、最後の発表会ではショパンの「別れの曲」を弾いた。
指が短いのによく頑張ったと思う。
今では楽譜の読み方も忘れている。

なんで辞められなかったんだろうな。
子供の頃の私はいつも「ここじゃないどこか」へ逃げ出したがっていた。
なのにその場に踏ん張っていた。
辛抱強いと言えば聞こえはいいけれど、ただ単にどうすればいいのか分からなかっただけだ。

私は自分が何を望んでいるのか分からない子供だった。
とにかく自分がない。自分がないから経験をうまく咀嚼できず、得体の知れない不愉快さだけが蓄積していき、結果的に不満足で機嫌の悪い子供が出来上がる。

不機嫌な子供は愛されない。
一緒にいると鬱陶しいからだ。


さて普段職場では派手なネイルは禁止なので質素な爪をしている。
だけど年末年始は自由だ!
好きな色のマニキュアを塗れるじゃないか!!

そこで手を飾るワークをやってみたくなった。

色は何にしようか?
この間、自己評価靴を買ったばかりだ。
同じ色にしてみようかな?いやグリーンも試してみたいなあ。
あれこれと手や手の周りを盛るととても楽しくなっているのに気付いた。

それでできた私のお手て。

マニキュア:キャンメイク(N12)

子どもっぽい手だと思ってたけど、
血管が浮き上がってて年相応な手になっていた。
グリーンのマニキュアは気にいった。
なんか今っぽい!←???

周りには好きなものを飾ってみた。

Cocco:初めて聞いたのがラジオで「焼け野が原」。
しかもその日解散したことを知った。
音楽に衝撃を受け、解散に衝撃を受けた。ダブルパンチ☆
以来大好きな歌手で、映画『KOTOKO』も京都シネマで一人で観て泣いた。
写真はその時購入したサイン付きの本だ。

タロットカード「力」:自分のことで占うとよく出るカード。「忍耐」を表すんだけど、どうも大人になってから逆にそれが欠けていて(バテたのか、我が強くなったのか)、カードが「踏ん張るんだ!」と活を入れてくるのだ。

ギーガーのポストカード集:思春期の頃にアメ村のヴィレバンで購入。あの頃はイオンとかに入ってなくて、もっとアングラな店だった。エドワードゴーリーの絵本とか食い入るように読んだ。ギーガーはやはりエイリアンシリーズのイメージが強い。怖いんだけどエロティックで神秘的な絵。

田中達也さんの写真集:写真とミニチュア作品を並べた展覧会で知った。すごく可愛い。私はビールジョッキの作品が好き。

最近の美術館は撮影OKが多くて楽しい

公式サイトもあるよ↓↓↓

金色の象:捨てたと思ってたけど残ってた。子供の頃に買った大切な象のキーホルダー。片方の目はなくなっちゃったけど、きらきらしてて好き。

親指の指輪:おじいさんの形見

造花:彩りを添えようと思って飾った。この時はまだコンセプト「フローリスト」は頭になかったけど、花はやっぱり可愛い❤️

実は写真を見返したあとも、相変わらず「美しくない手」だなあと嫌気がさした。
でもワークを通して、ほんの少しだけ自分の手を認めてあげてもいいんじゃないかと思えました。

ありがとう、あきや先生。

最後まで読んでくれてありがとうございます。よかったら「スキ」も押してくれると嬉しいです🐾


この記事が参加している募集

スキしてみて

今こんな気分

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?