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『企業国家』が生まれてくる

バンコクの古本屋で売っていた、深夜特急を少しだけ読みながら帰ってきた。

正に今回の旅は、この深夜特急のようなイメージで望んでいたことが分かったわけだが、著者の沢木耕太郎が対談で語っていた通り、「26歳という年齢でこの旅に出たのが良かった」というのに同感だった。

俺は元々日本が好きで、日本から出るつもりもなく、日本で一生を過ごそうと思っていたにも関わらず、今回このような流れになったのが不思議な因果だよなぁ……とか思っていたのだが、これが20代前半とかの社会を経験する前で無くて良かったと思う。

というのも、おそらく社会に出てその光と闇を知る前の俺だったら、あの東南アジアの沸き立つような熱狂的な空気に飲まれてしまい、そこから大きく人生を変えてしまっただろうから、だ。

だが、寂しくももう既に30を越えてしまった今となっては、そこで見た全てを現実(リアル)として受け止められるだけの経験をしてしまった後だ。
なのでこれまでと同じように、日常の地続きとしての冷静な視点で世界を見ることができるのだった……。

おかげで世界をフラットに見た時に生まれた、ある考えがまとまってきたのである。

物理的インフラと、ITによる情報インフラが整った世界では、全てが繋がってしまう……と前に書いた。
国家というものを一つの事業体として見た時、その国民が社員であり、顧客として存在することになる。
だが一方で、国境を越えたグローバル企業というものが生まれてくると、企業が『国家を越えた存在』として展開する可能性も出てくる。

「世界を変えるのは、政治家じゃなくて経済でしょ」

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