見出し画像

軍儀の考察 第二弾 公式ルールと棋譜 必勝法はあるのか?




どうも、ロジーさんです。今はアメリカで研究を行っていますが、日々文化の違いに驚かされる一方です。あとは、ただただ日本食が恋しいです。外食高すぎィ。

いちおう、個人的には熱心な将棋ファンです。

そんなことはさておき、この前に一時帰国した際にユニバーサルミュージックから発売された公式の「軍儀」セットを購入したので、今回は公式配布のルールとそれを踏まえた考察を行います。

なお、軍儀公式セット(既に生産終了)には「通常版」と「ハイエンド版」の2種類があり、前者後者共に駒とルールブックが付いてくるのは変わらないのですが、「通常版」では基盤シートと駒置きシートな一方、「ハイエンド版」では本格的な軍儀盤(四脚のついた将棋盤とほぼ同等、ただしマス目が将棋と異なり正方形!)と駒入れが付いてくるので、本格的な雰囲気が味わいたい方は後者がオススメ…なのですがメルカリ・ヤフオク等で中古品を落札する以外の入手方法は現在ありません。なお、将棋盤のマス目は33x36mmで若干縦長の長方形なのですが、それを気にしないのであれば盤をそのまま軍儀にも流用できます。将棋盤であれば年季の入った四脚モノも数千円で買えたりしますね。

※ネタバレを含んでいると言えばそうなのですが、そもそも本ゲームの元の出典はハンターハンターの漫画であること、またこういったゲームの社会的な特性を考えた時に、「購入者にだけルールを教える」ことのメリットが全く理解できないため
、こうして公に書いています。
何か問題があれば、9bandh@gmail.comまで直接ご連絡を。

前回の記事はこちら(公式ルール公開前のため、特に駒の動きに関しては色々公式設定と違っていて申し訳ないです)

公式ルール


レベルとルールの違いの概要

レベル 初期配置 特殊駒 ツケ 帥ツケ
入門  固定   なし  2段 なし
初級  固定   弓のみ 2段 なし
中級  自由   あり  2段 あり
上級  自由   あり  3段 あり

※1:特殊駒とは「」「」「」「」のこと
※2:ツケはゲーム中に使用可能な段数の上限
※3:帥ツケは「帥」を他の駒にツケられるかとうか


駒の動き

さて、駒の動きをまとめた画像を以下に貼りますが、上述の4つのレベル(入門、初級、中級、上級)の設定に分かれ、それにより一部の駒を使用するかどうかや、使用可能な高さ(段)が変わるようです。

各プレイヤーの駒数(全14種、計25枚)は簡潔には、
」「」「」1枚ずつ
」4枚
」3枚
」「」「」「」「」「」2枚ずつ(弓は入門では使用しない)
」「」「」1枚ずつ(中級・上級のみで使用)

駒の正式名称と読み方は、これは以前の考察や漫画の描写ととほぼ変わりませんが、(スイ)、(大将; タイショウ)、(中将; チュウジョウ)、(小将; ショウショウ)、(サムライ)、(ヤリ)、(騎馬; キバ)、(シノビ)、(トリデ)、(ヒョウ)、(大筒; オオヅツ)、(ユミ)、(ツツ)、(謀将; ボウショウ)。

さくっと英語版にしてみると、駒種が多いのでなかなか大文字が被らないようにするのが難しいのですが、将棋・チェスベースで考えるなら(K; king)、(R; rook)、(B; bishop)、(G; general)、(P; pawn)、(L; lance)、(W; warrior)、(J; ninja)、(N; knight)、(A; archer)、(F; fort)、(S; spy)、(M; musket)、(C; cannon)とこんなとこでしょうか。大と中はそれぞれチェスでの強力駒のrookとbishop、忍は独特な日本的な(J)イメージ、侍はシンプルに戦士、筒はマスケット銃兵のような感じです。

チェスや将棋、シャンチー(象棋、中国将棋)などのいわゆる他の「アブストラクトゲーム」と比較してみると、基本的なシステムはそれらを踏襲しているのが分かります。以下に簡潔な比較表(軍儀独自の高さによる動きの変化を考えない場合)を出しますと、

・「」= チェスの「キング」、将棋の「王将」。
・「」=将棋の「歩兵」の真後ろ移動追加版。中将棋の「仲人」、大局将棋の「土将」。
・「」=中将棋の「銅将」、将棋の「金将」から横移動をマイナスした下位互換のような存在。
・「」=大将棋の「猛牛」、縦横2マス。飛車・rookの劣化版。
・「」=大将棋の「飛龍」、ナナメ2マス。角行・bishopの劣化版。シャンチーの「象・相」がナナメ1マスにも動けるようになった版。
・「」=大局将棋の「刀兵」、真正面に行けなくなった将棋の「銀将」。
・「」=将棋の「金将」。
・「」=将棋の「龍馬」。
・「」=将棋の「龍王」。
・「」「」「」「」「」は同一の動きの駒が既知の他のボードゲームでは存在しない。「」は「」の前方移動+1マス版で、上位互換。

個人的には軍儀の「」や「」はその名前からシャンチーの「砲・炮」と同じような動きを想定していた(一定方向に何マスでも動け、駒を1つ飛び越えることでのみ敵駒を取ることが可能)のですが、もう少しシンプルに、目の前の駒を飛び越えるという仕様のようでした。「」「」にも少し趣きは異なりますが同じような飛び越え能力があります。飛び越え能力のある「」「」「」と、寝返り能力を持つ「」をまとめて「特殊駒」と呼んでいるようです。

なお、大局将棋の駒の動きは以下を参考にしました。昔トリビアの泉で紹介されていたのが懐かしいですね。

将棋で言うとところの「大駒」に相当するのは軍儀だと「」と「」の1枚ずつだけとなっており、それらと「」を除いた22枚が「小駒」扱いとなるでしょう。再利用ができないため少しこじんまりとした印象を受けますが、「ツケ」のルール、特殊駒4種のおかげでダイナミックな展開が作れるようになるので、その辺りでバランスが取れるのでしょうか。

基本ルール

前回の記事の内容と大体同じですが、漫画から考察した内容と今回の公式ルールで違う点を太字にしています。

・盤上は9×9の81マス。そこに高さ(段)の要素が加わって1〜2段(入門・初級・中級)、1〜3段(上級)が使用可能で三次元となる。1段とは地駒(何にも重ねていない駒)のこと。

・対戦者は白か黒の駒を使用する。色の決定に関するルールは無し。

・高さを段と呼ぶそうなので、将棋の段(縦)と筋(横)のような呼び方は座標を表す時に使えなそう。ということで、チェスの行(縦, row)と列(横, file)の呼び方を使うしかないか。9×9を行列とみなす考え方。将棋ファンからすると少し違和感。
(高さをtiterと呼ぶのは海外のファンサイトで提案されていた、日本語だと「強さ」とか「」のような意味)

棋譜は将棋やチェス(横→縦)とは逆に縦→横と読み、そこに段を加えて縦→横→段となる。また、先手から見て一番左下のマスを1-1とする(チェスの数え方と同じ、将棋は先手から見て右上が1-1)。棋譜に関するルールはどうも漫画版から修正が入ったようで、ほぼ将棋準拠となったようです。白側から見て一番右奥のマスを1-1とし、読み方は横→縦。
軍儀には更に高さ(段)の要素が入るので、棋譜としては横-縦-段 駒 (特殊宣言)。例えば白側から見て一番左下のマスに白が「帥」を打つと『〇9-9-1帥』となる。特殊宣言には、初期配置の完了を告げる「済」や持ち駒を盤上に打つ「新」が入る。(例:〇5-5-2中新)
後述するが、謀将の「寝返り」に関わる「返」なども特殊宣言として棋譜に記されるものだと思われる。
将棋と同様に、そのマスに動かせる同種の駒が複数ある場合は慣例的に「上」「寄」「引」「左」「右」「直」なども入るのかな?また、同じマスでの攻防の記載を簡略化するために「同兵」「同槍」などの表現もあると良いですね。


先手後手は色ではなく、互いの帥の駒を一人が握って盤上中央に落とし、帥がより中央に近い方が先手。
将棋やチェス、囲碁などの多くのボードゲームでは棋譜を作る関係もあり先手後手の色(もっとも将棋の場合は実際の駒に色は付いていませんが)を予め決めておきますが、どうも軍儀の場合は色はあくまでプレイヤーの任意選択ということなのでしょうか?白を基準に盤面の座標を決めるのであれば、白が先手と予め決めておいた方が良さそうな気がします

・駒は先手後手共に14種25枚。初期配置で使用しなかった駒(持ち駒)は、盤上の自駒を動かす代わりに、「新(アラタ)」で盤上に新しく打つことができる。

・初期配置は固定(入門・初級)もしくは自由(中級・上級)。自由の場合は先手→後手で1手ずつ駒を自陣内(縦3行ずつ)に駒を配置していき(一番最初は必ず「帥」を配置)、先手は初期配置を終えたら「済」を宣言し、後手は直後の1手で初期配置を終えるか、そのまま初期配置を続ける。なお、後手が「済」を宣言するとそこで初期配置は強制終了となる。

・初期配置後は先手→後手で1手ずつ自駒を動かし、自分の「帥」を取られる前に相手の「帥」を取れば勝利。詰みの発生でも勝利が決まる。「同じ盤面が4回発生する」のを千日手と見做し、再勝負(=引分?)とする。

自分が動かす駒より高い段にいる相手の駒は取れない。また、相手の駒に自駒を重ねることを「ツケ」と呼ぶが、ツケの場合も自駒より高い段の相手駒にはできない。また、自駒を動かして他の自駒にツケる場合も、1段上がる動きのみ可能(1段の駒を2段の駒の上にツケる動きは不可)。

・自駒を動かして取った相手の駒は盤面からゲーム終了まで取り除かれる。再利用は不可。

2段以上の相手駒を取った場合、一気にそのマスの全ての相手駒を取ることができる。なお、その中に自駒が含まれていた場合はその場に残る。

・「謀」で移動で相手駒にツケた場合、同ターンにツケた相手駒(自駒の謀の下にいる駒)を自分の同種の持ち駒と交換する、「寝返り」を行うことができる(中級・上級)。

なお、この寝返りは「謀」をツケたそのターンにのみ選択可能。

「謀」のツケによる下の駒の寝返りはツケた相手駒と同種の持ち駒が残っていなければ実行不可。
公式ルールには詳しい説明がないが、相手の2段に重なったコマにツケた場合、おそらくその片方にのみ寝返り発動、ということも可能と考えられる。

なお、「謀」のみ敵駒の上に「新」でツケることが可能で、その場合はツケられた敵駒に寝返りを発動させることが可能。2段の敵駒に「謀新」を行い2枚とも寝返らせることも可能。そのうち1枚だけというのはできない。 公式ルールには誤植(?)があって微妙だが、おそらく謀将は敵駒の上には直接は「新」不可なものの、自駒(2段)の上に「新」する際、その1段目に敵駒があった場合はそのまま寝返り発動が可能と考えられ、かなり強力である。

「新」を行う場合、盤上の自駒がいる最奥行までしか打てない。また、「」以外を敵駒の上に新することは不可能(自駒の上にツケることは可能)。

・「帥」の上にはどんな駒もツケることはできない。

・ツケられた駒(最上段にいない駒)は動かすことができない。

「弓」「筒」「砲」は敵を飛び越える特殊な動きを持つ(中級・上級)が、自分より高い段の駒は飛び越えることができない。実践例に関しては上図および下記の公式ルールのQ&Aを参照。

公式ルールQ&A

その他の細かい公式のルールQ&Aはこちら。


必勝法が見つかってしまった模様

また、必勝法(先手、9手済み)を速攻で発見された方がいるということで、こちらに記事があります。

これは、以下の4つの公式ルールのうち、『中級と上級では駒の初期配置をほぼ先手が握ることができるため、「帥」だけの1手で初期配置を完了する「済」を宣言してしまった場合に起きる問題である。』と記事内では紹介されているが、そもそも公式ルールでの初期配置は先手の「済」 ≠ 後手も次の一手で「済」なので、このような展開は起きないと考えられる。公式ルールが未だに広まってないのが理由で起きた誤認かも。

公式おススメ初期配置

公式ルールブックにあるおススメの初期配置です。
以下の初期配置に、レベルに合わせて特殊駒(筒、砲、謀)を持ち駒に加えておくかを決定します(入門以外)。なおこの初期配置は初級用です。

以外は公式ルールブックより(入門の初期配置の記載もあります)

考察してみる

問題点と改善案の洗い出し

・任意の初期配置に伴うゲームの不安定性
上述の先手必勝法の発見は公式ルールの誤認に起因しているようですが、「後手の済で初期配置は強制終了」というのはバランス的には何とも言えないルールです。後出しジャンケンで配置ができる後手にかなり有利に働く要素であることは間違いありません。

改善案としては、初期配置の最低駒数、もしくは所定の駒数の配置をルール上に盛り込んでおく必要がありそうです。レベルに関わらず、初期配置をデフォルトで決めてしまうのも1つの手です。入門・初級ルールから類推するに、公式としても、帥を含めて15駒くらいを想定しているようです。

下記の記事にも初級ルールにおける固定初期配置の紹介があります。

そもそも上で紹介した初級の初期配置はかなりバランスの取れたものとなっているので、もはや中級・上級でも「初期配置自由」というルール自体を撤廃してしまって良いのかもしれません。

<個人的なおススメは、初級の初期配置+上級ルール(3段まで、駒種全解禁)です!>

・初期配置固定だと今度は先手が有利?
アブストラクトゲームの宿命ですが、フラットな条件から対局を始めた場合は先手がかなり有利です。持ち駒制があり長期戦化しやすい将棋(勝敗決定までの平均手数は約150手と言われています)の場合でも勝率は大凡で先手52%/後手48%と言われており、また持ち駒制のない短期決戦型ボードゲームの場合はより顕著となります。チェス(平均手数は約80手)の場合は研究の進んだ近年では先手の勝ち及び引き分け率は約55%と言われており、特にトーナメント戦では先手後手の不平等をなくすための複数回の対局が一般的となっている上に、後手側は引き分けに持ち込む=理想形とまで言われるような大問題となっています。

囲碁の場合は日本棋院が長らく後手側に5目半のコミ出し(ハンディ)を与えていましたが、それでも先手勝率が約52%に及ぶとの統計結果を受け、2002年から6目半と改められています。

先手の優位性をどう平等化するか?特に持ち駒制のないチェス、シャンチー、マークルックなどでは先手勝率が後手勝率を10%近く上回るのが一般的となっており、例え「新」のシステムを持つ軍儀においても、駒の再利用が出来るわけでは無いため、後手側は引き分け狙いが目標、というのが自然になってしまうとは思います。(将棋でも、後手番は千日手からの引き分けでもオッケー、といった考えをする人は多いです)

しかし漫画の作中での描写から、引き分けが発生している様子は殆ど無いので、何かしらの対策が盛り込まれているのかと思いましたが、公式ルールにはそのような内容はありませんでした。

個人的には、例えば以下を考えました。
①後手側の持ち駒の「兵」を1枚増やす
②後手側に、一度だけ先手に取られた「兵」を再利用した「新」を許す
③後手側は1回だけ、最奥行にいる自駒の更に1つ奥の行にまで「新」できる

自身で本格的に検討を進めていないので、実際に上記の後手救済案がどの程度効果を発揮するものなのかは現状分からないですが、独自ルールである「新」を活かした②か③が良い塩梅かもしれないな、とは個人的に思います。
初期持ちの「兵」は少ない(4枚)ので、①はゲームバランス自体を崩してしまう可能性を否めません。あと、余分に駒を用意するのが地味に面倒ですね。

ちなみにチェスでも未だ非公式なレベルではありますが日々こういった内容は議論されており、例えば「先手(white)は初手でポーンの2マス前進ができないようにする」などが考えられているようです。


・引き分け及び勝敗決定ルールをもう少し整備すべき
まず当たり前の話ですが、ゲームの根幹となる勝敗分の決定の部分は明文化しておかないとゲームとして成立しません。将棋やチェスと同様のゲーム展開を想定している以上は、「詰み」「投了」「千日手」以外のゲーム終了条件も、全てのパターンに対して整備する必要があります。

以下、案というか必須と思われるルールですが、
①「帥」にcheckをかけられて放置するのは反則負け、取られる位置に動かすのも反則負け、つまり「詰み」をかけた方の勝ち、かけられた方の負け。
「同じ盤面が4回発生した」場合はその時点で再勝負(=引き分け?)というルールだけが決められてありますが、それが王手だった場合は繰り返し王手をかけている側の負け(チェスの「perpetual check」)というのも付け加えるべき(一方の意図的な引分狙いが発生してしまうため)
③互いに「帥」1枚ずつなど、明らかに勝敗が決められない盤面になった時点で引き分け(チェスの「dead position」)
④Check中以外で、どちらかのプレイヤーが合法的に動かせる手がなくなった場合は引き分け(チェスの「stalemate」)
⑤ルール上で不可能な駒の動かし方、もしくは打てない場所への「新」を行った場合は反則負け
⑥時間制限制の場合は時間切れで負け
⑦両者同意による引き分け成立を認める

最低限な気もしますが、こんなところでしょう。

④のstalemate関連のルールはこれを引き分け扱いとしないと劣勢側に不利すぎるので(上述の後手救済案があったとしても、です)、これは必須です。
終盤は駒切れを両者気を付けつつ相手の帥を追い詰め、stalemateが発生しないような詰め方を組むというチェスの基本的な戦略で良いと思います。ちなみに持ち駒制のある将棋にはこのルールはなく、また発生機会も殆どありませんが、合法手がなくなった側が負けです(ほぼ詰みに近い)。ちなみにここでのstaleは「出涸らし」という意味です。

・「帥」のツケ移動を許すと詰めるのが非常に困難
実際に何回か検討してみて思ったのですが、中級以上のルールで「帥」のツケ移動を許した場合、例えば穴熊囲いのような固い守りのところに「砲」や「弓」でcheckを掛けても、相手の「帥」は周りの味方駒に乗って颯爽と逃げてしまいます。そのため、将棋のような意外な場面でいきなり王手をかけて詰み、といった驚きの展開が発生しにくくなっています。

前回の記事でも提案したと思いますが、「checkをかけられている「帥」は層を上がる移動ができない」というルールが必要な気がします。なお、降りる移動の制限に関しては、「帥」をツケるメリットがあまりにも無くなってしまうので、こちらは認めても大丈夫なのでは、と感じました。どのみちcheckから逃げる場合は周囲に無事な自駒がいない場合は降りる必要があるので、あまり状況は好転しないと思われます。

・駒の移動が全体的に前方寄り、相手の「帥」が自陣に乗り込んでくると詰めるのが厳しい
将棋でもよく議論されている内容ですが、軍儀の場合は「小」「槍」「侍」「弓」「砲」「謀」といった駒(全25個中11個)が前方よりの利きを持っており、そのため相手の「帥」が自陣にまでつっこんで来るのを許してしまった場合、詰めるのが非常に困難になります。逆に「砦」「筒」は後方寄りの利きを持っていますが・・・

終わりに

以上、いかがでしょうか?
自作アプリとAIを組んで何万戦もやらせてもう少し考察を進めたいのですが、自前では現状止まっているので、余裕がある方は是非!お願いします。

個人的には、ルールをもう少しpolishしていけばチェスや将棋に並ぶ面白いものに仕上がると感じています。冨樫先生はやはり天才です。
そのためにも、初期配置および先手/後手優位性の低減、勝敗分決定ルールの整備、「帥」の移動制限、この辺りがキーになってくると思います

公式おススメ初期配置+上級ルールで何回か検討してみましたが、個人的にはスタートレックの三次元チェスよりも好きですね。ホログラムや特殊盤のようなものがなくても気軽に将棋盤を使ってできますし、駒の自作もまあ簡単です。正直なところ、自作で作れるのでわざわざ1万円超えで買う必要も無かったのですが、ネットで公式ルールのまとめが見当たらなかったので、きちんとした確認の意味も込めて購入しました。

上では特に指摘していませんが、個人的な感想としては「謀」のツケからの寝返りは自分の持ち駒との交換だけではなく、相手に取られてしまった駒でも良いのでは?と思いました。「寝返り」のニュアンスに対する感覚に公式の人と私で差があるのでしょうか?チェスやシャンチーのように終盤に両者がジリ貧になるのって、見ててもプレイしてても正直あんまり面白くないんですよね。「謀」さえいれば自駒を復活させられる可能性が残るのであれば、中盤に大胆に攻められる気もするのですが。

ただそれでも「謀新」からの一撃は強烈で、相手の持ち駒に「謀」がいる場合はヘタにツケを使って攻勢をかけることが難しいバランスです。

原作漫画が名作で海外ファンの方も多いので、そのうち記事の英語版も作るかもしれません。職場でもたまにHUNTER×HUNTERの話が出ることがあります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?