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受動喫煙対策は道半ば|気ままに労働雑感

「望まない受動喫煙」をなくすことを目的に、施設の類型・場所ごとに事業者が講じるべき対策を定めた改正健康増進法が全面施行されてから、今年4月で2年が経過します。

同法では、事務所や工場、ホテル、旅館、飲食店などの「第二種施設」については原則屋内禁煙とし、喫煙を認める場合は喫煙専用室などの設置を義務付けています。

このほど、厚生労働省が全面施行後の事業者の取組みに関する調査の結果を初めてまとめましたので、少し取り上げてみたいと思います。

調査は、昨年1~2月に実施した「令和2年度喫煙環境に関する実態調査」というもので令和2年12月の状況を事業所に尋ねています。

第二種施設のうち事務所、工場、作業所、倉庫、配送センターなどの取組みをみると、火をつけて喫煙するたばこについて屋内全面禁煙としている事業所は70.9%で、喫煙専用室を設置しているのは8.9%。どちらも行っていない事業所は19.7%でした。

一方、全面施行前の元年12月末の状況を調べた前年度調査では、屋内全面禁煙が62.7%、喫煙専用室の設置が12.3%で、どちらも実施していない事業所は22.3%でした。

全面施行前後を比較すると、屋内全面禁煙が増えたものの、喫煙専用室の設置が減ったため、どちらも実施していない割合には大きな変化がありません。

令和2年度調査結果は全面施行後1年を経たない時点での実態ですが、同法に基づく受動喫煙対策が徹底されているとはいえない状況です。

従業員一人ひとりの健康を確保し、働きやすい職場を構築するためにも、事業者のみなさんには受動喫煙対策に取り組んでもらいたいと思います。

労働新聞編集長 金井 朗仁

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