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起業時に意外と考えていないことが多いのが、初期段階の組織だ。ヒト、モノ、カネというがついつい人が最後になってしまう。
ビジネスプランを書いていても、商品やサービス、広告宣伝、資金調達といったことに意識が行きがちで、最後になって「あ、組織のことを書くのを忘れてた!」となる人が多い。
点としての起業家から、線となり面となる組織としての成長ステージに入るまでのプロセスを書いてみたい。
 

立ち上げ時のパターンの多くは友人と或いはパートナーと、というのが多い。
本当のゼロイチの時は、僕もそうだったが、生理的時間ともいえる睡眠時間や食事時間も仕事に注ぎ込まねばならないことが多い。
つまり体裁に構っている時間すら無いこの時点で必要なのは組織ではなく同志だ。それ以降のステージで組織の核を成すことになる同志だ。
その様な環境下で最も大切なのは理屈を超えた信頼関係だ。
機能や能力が補完関係にあるべきとかよく言われているが、偶然そうであれば尚更良いだろうが、まずは同じ夢を見て、同じ霞を食べて生きていける同志だ。
創業ステージに必要なのも、同じ理念や価値観に共鳴し行動を共にしてくれる人々だ。
ダイバーシティも大事だが、この初期ステージではまだ早い。業界にもよるだろうがいわゆる「優秀な社員」もまだ採れないステージだ。
トップの強いリーダーシップで同じ価値観のもとでスピーディーに動いた方が企業も社員も成長が早くなる。一人が何役もこなしながら。
そしてトップのビジョンと人間力を求心力として徐々に礎石が固まってくる。事業モデルも一定の完成をみる。
 

成長ステージには成長スピードを支える組織図を描いておかねばならない。
キーポジションには立ち上げメンバーから選抜した生え抜き人材と外部から採用した経験値のある人材で混成チームを創り、企業という神輿を担いで走り抜くのだ。
この時、守りを預かる人材も要所に配備出来るか否かで成熟期に入った時の様相が変わってくることになることも付言しておきたい。
 

かなり私見も入っているが、以上が自分の経験や見聞に基づいた考えだ。
起業したばかりの頃、アメリカのホテル王に聞いたことがある。「スタートアップ期に必要なのは、優秀な人材か、信頼できる人材か?」と。
即答で答えてくれた。「信頼できる人間だ」と。「優秀な人間は金で買えるが、価値観を同じくし信頼できる人間は金では買えない」と。

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