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2年間留学していた米国のビジネススクールで「Entrepreneurship」のクラスを2つ履修した。授業内容は起業した卒業生や有名起業家が授業を訪問し、体験談を語るというもので特に体系化されたものではなかった。
 
あとはプランを書きあげるための参考図書を1冊渡され、学期最終日に完成したビジネスプランを提出するというものであった。その本を読みながら、自分のプラン「日本食ファーストフードin USA」を行きつ戻りつして書き進めた。
 
当時ビジネスプランという言葉は日本では聞かなかったし、米国でも一部の人々にしか知られていない秘伝の奥義のような響きがあった。
 
何とか書き上げた時は、自分で初めて本を書き上げたかのような錯覚で、とても大きな自信となった。
この時の経験がベーグルのビジネスプランを書く際に大きな助けとなったことは言うまでもない。
 
そう、1度書きあげるということが大事なのだ。その途中は苦悶の連続だったが、そのプロセスが大事なのだ。思考が深まり、輪郭が明瞭なものとなる。
 
プランの書き方は一度経験すれば、あとはコンセプトに合わせて何本でも書ける。
 
世の中にはビジネスプランが無くても、事業を始める人はたくさんいるだろう。
 
中にはそれで成功を収める人もたくさんいると思う。
 
自分の直感と感性を信じ、あとはパッションと実行力で猛進。そして試行錯誤しながら鉱脈探していつの日かヒット。
 
だが誰しもがそうなれるわけではない。だからこそビジネスプランを書く必要があるのだ。
 
それは成功へのシナリオとなると同時に、起業後の羅針盤にもなるものだ。羅針盤があるから出航後に航路の軌道修正が可能となるし、もし何も無かったら、戦略なくガッツと根性で敵と戦う軍隊のようなものだ。
 
少し社起大のビジネスプラン作成について触れると、通常のビジネスプランとは多少性質を異にしている。
 
まずは対象となるビジネス以前に、自分自身のコアコンピタンスや本当にやりたいことを明確にし、解決したい社会課題とマッチング。そしてそれをビジネスに取り込むというもの。
 
クラスでは概論を受講した後にクラスで発表してもらい、対話形式で練り上げてゆくという点で、米国や国内のビジネススクール、起業セミナーとも異なる。
 
ビジネスプランは単なる資金調達や協力者探しの手段では無く、自分の人生シナリオや社会の未来設計図にも繋がる。
 
そして何より優れたビジネスプランは、成功の確率を上げるのだ。

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