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40~50代のおじさん&おばさんにも聴いてほしい新世代ロック①

ここ10年以上、音楽シーンではヒップホップが隆盛でしたが、昨年くらいから「ロック復権の芽が出てきた」というような話題をちらほら見かけるようになりました。

私は50代半ばに差し掛かろうという紛れもないおじさんですが、2000年代に入ってからは、新しいロックを発掘するような興味もすっかり薄れ、60~90年代あたりの作品を行ったり来たりしていました。

しかし、さすがにいつまでも
自分にとっての最新のロック=オアシスやブラー、レッチリあたり
という状況も如何なものかと思い、重い腰を上げて最近のロックを掘り始めて見たところ、実は意外と「おじさん&おばさんにも聴けるロック」が充実している事を発見しました。

そこで不定期とはなりますが、おじさん&おばさんにお勧めしたい最近のロックを紹介してみたいと思います。
なるべくおじさん&おばさん達にとって新しい出会いとなるような新世代バンドやアーティストに絞りたいとは思っておりますが、中には年齢やキャリア的に新世代とも言えないアーティストの音楽も含まれてしまうかもしれません。
しかし、あくまでも「ロック迷い人になってしまったおじさん&おばさん達の救済」を目的としていますので、その辺りはゆるく見守っていただければ幸いです。

1.Geese(ギース)

NYCのブルックリン出身のまだ20歳そこそこの若いバンドで、2021年にファーストアルバムを発表しシーンに登場しました。
今年6月にセカンドアルバム『3D Country』をリリースしました。アルバムオープニングを飾る曲がこちらです。


冒頭の15秒で「ツェッペリンじゃん!」と笑ってしまったのですが、最後まで聴いていくと細かいフレーズの表現の仕方に、単なるモノマネ懐メロバンドではない新しさと今っぽさがしっかりあり、センスの良さを感じます。

最新アルバム『3D Country』については、是非、すべて通しで聴いてみていただきたいのですが、2曲目以降はいきなりソウルやファンクが飛び出したりと、雑食かつ荒削りで掴みどころがない印象もあります。
しかし、いずれにしてもこのバンドが70年代ロックが大好きな若者たちである事は疑いようがありません。

おじさんはやたらと昔の何かに例えてしまう良くないクセがあるのですが、そのクセを全開で言わせていただくと、89年にレニー・クラビッツの1st 『Let Love Rule』を聴いた時に近い感覚を覚えました。

ちなみに彼らは1stアルバムを発表した後はバンドを解散して進学するつもりだったらしいのですが、思いのほか注目度が高まってしまったので、当面バンドを継続していく意向だそうです。そのあたりの気負わない感じも、いかにも今時の若者で、少し可愛らしく感じました。

2.Wet Leg(ウェットレッグ)

22年のデビューアルバム『Wet Leg』がいきなり全英1位を獲得した、イギリス・ワイト島出身の女性デュオです。
約1200万回の動画再生数を誇る代表曲がこちらです。

もしかすると死語なのかもしれませんが「ローファイ」な感触の音で、90’sのブラーやゴリラズあたりが好きな方には、ズバッとハマる音楽だと思います。

なんでも最初は音楽フェスに普通に観客として参加したかったがお金が無かったので「それならフェスのコンテストに出場者として参加すればタダでライブが観れるかも!?」という冗談みたいな動機で結成されたという話もありますが、真偽は不明です。

アルバムには他にもニルヴァーナの楽曲のフレーズがさりげなく使われていたり、本人たちには全くその気は無いとは思いますが、おじさん&おばさんの心をくすぐってくれます。

これもまたおじさん特有の例えとなりますが、90年代後半に日本でPUFFY(パフィー)が「近ごろーワタシたーちはーいーかんじ♪」と脱力ボーカルで登場した時の、あの何とも言えない感覚に近いものがあります。

今をときめくポップ・スターであるハリー・スタイルズが彼女たちの代表曲「Wet Dream」をカバーしたりと、ますます注目度も高まっており、
8月にはサマーソニックへの出演で来日も決まっていますので、Wet Legは日本でのブレイクも期待できそうです。

(気分次第で次回に続きます)

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