見出し画像

日本語は鼻の奥で発音する

どこかの言語学者が既にどこかで言っているかもしれないがほとんど語られていないとことのひとつに、身体のどの部分で音を発しているかによる、言語の発音の「らしさ」があることに最近きづいた。

日本語は、私の感覚では【鼻の奥】で発音されている。もちろん、発音そのものは声帯なのだが、その発した音を「どこで響かせるか」においては、鼻の奥のほうにポイントがあると思っている。そのへんで「ふわっと」響かせると日本語らしくなり、さらに「鼻から抜く」感じで話すと、上品になる。

対して、中華圏や東南アジアは【喉(首)】で発音されるように思う。

英語圏では【胸】かもしれない。

こんなことを思いたったのは、毎朝通る六本木交差点だった。

そこでは、いろんなバックグラウンドを持った人が、日本語を共通語にコミュニケートする。流暢な日本語を操る人も多い。うれしいし微笑ましい。

ところが、イントネーションも文法もほぼ完璧なのに、どこか「らしくない」音の日本語がたびたび聞こえてくる。そのちがいは何なのか、ずっと疑問に思っていた。

先日、六本木交差点を自転車で通過しながら、聞こえてくる彼らの日本語の発音を真似てみて、その後自分の日本語を発音してみた。

「響く場所がちがう。」

上記のように音を響かせる身体の部位がちがっていたのだ。寒さと自転車の運転で、身体が緊張感を持っていたことも幸いしたのだろう、それがはっきりとわかった。

ためしに

「今朝は空が青いですね。」

という文を、鼻の奥に響かす、喉(首)に響かす、胸に響かす、それぞれやってみてほしい。

わりと「ぽく」なるのではないだろうか。

さらに、鼻の奥に響かながら、「が」の音を鼻から抜くように、「あお」の音をより口を大きくして響かせると、いっそう上品な日本語の発音になるだろう。

最近、多言語を操る人に興味があって、その人たちの動画を観ていた。

ある若い日本人は、私が観た時点で12言語を本当に流暢に操っていた。まだまだ増えるらしい。驚いた。

彼はアプリで世界中の人とつながり、最初は英語で話すのだが、あるポイントで相手の母語を話し始める。すると、相手は驚き、よろこび、心を開く。

かつてネルソン・マンデラが言った。

「相手が理解する言葉で話せば頭に届く。相手の母語で話せば心に届く」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?