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灯台下暗し「妹」

20歳前後は外に刺激を求めて当然な時期だ。
若者は世界の果てに夢を見る。
私もまたそのうちの1人であった。

「もっと面白い奴はいないかな。」
そんなことばかり考えてあちこち彷徨き回っていた気がする。

家族なんてつまらないものの代表だ。ましてや4つも離れた妹なんて今まで面白かったことなどほとんどない。

口を開けば「お姉ちゃんはズルイ」
聞き飽きた。
完無視が基本スタイルだ。

しかしチョッカイかけたくなるのも人情だ。

大学の夏休みに帰省した私は
嫌がる妹を制して
妹の生徒手帳を取り上げた。

「さーてと、どんな奴の写真が入ってるかな?」

妹の悲鳴を聞きながら
私は悪魔みたいに笑って
生徒手帳を開けた。


!!!


そこに現れたのは




芥川龍之介だった。


泣きそうになりながら妹は言った。

「私、天才が好きなの!!」


いやさ、他にも
太宰治とかいろいろあるじゃん?



次に帰省した時妹は外出中だった。

私はこれ幸いに妹の部屋に向かった。

そこはかつて私の部屋だったところだ。

部屋にはモノクロの女のポスターが貼ってあった。

はてこの女は誰だろう?
みたことあるな…




オードリーヘップバーン!

お、おう!

私は女子高生の妹のあまりの志の高さに思わずひれ伏しそうになった。

腹も抱えて。


ひとしきり笑い終えた後、次に私の目に飛び込んできたのは、ポスターの横に貼られたA4の紙だ。
極太のマジックで
デカデカ何かが箇条書きされている。

はて?なんだろう?



題名…




魔女になるには!

1…
2…
3…
4…
5…


大丈夫か?
いや、これは…ヤバいやつだ…。

それまで笑い転げていた私は顔を引き攣らせ台所の母のもとに駆けよった。


「ちょっと、あの子魔女になるつもりらしいけど大丈夫なんあれ?」

母は呑気そうに鍋をかき混ぜながらいった。

「さぁ。なんか本を読んだみたいよ。」

チッ!母さんは世の中のことをなんもわかってないな。
いや待て、母さんもとうとうおかしくなってしまったのか?

ちょっと留守にすると、実家はとんでもないことになる。

とりあえず若いものから助けよう。

私は元からぼんやりしている母の目を覚ますことを諦めて、再び妹の部屋に戻った。

これから私は妹をおかしくさせた
魔導書を捜さなくてはならない。


魔法を解くには、どんな魔法がかけられているのか知る必要がある。


部屋を見渡し、本棚を探す…。


あった...。


これしかない。

それは小さな本であった。


妹の帰りが近い。
私は急いで読みはじめた。




読み終えた本を手に
私は固く決意した。




私も魔女になる!!

これが私と
梨木さんの出会いである。
西の魔女ね!

なんのはなしだっけ?


それからしばらくして
学校より帰宅した妹から
再び私は生徒手帳を取り上げた


さて今回中にに入ってた写真は


……




ジャン✨吉岡秀隆氏!


ハイ間違いなく天才です。


なんのはなしだっけ?
そうそう、世界中探し回らなくても面白い人って案外身近にいるんだって話でした。


それではみなさんごきげんよーう♪
まったねー❤️


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