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ドラマ「95」第四話を見た話

正直こんなにも毎週毎週感想のようなものを書きださないと感情が収まらないことになるとは思ってもみなかった。

どっぷりとやられている。

自分でいうのもなんだけれど、一度惚れるとしつこいタチである。


第四話の感想も小難しいこと抜きに単刀直入に言うと「髙橋海人、最高だな」に尽きる。

恐ろしい。

感情の解像度がまじで恐ろしい。

1人称が現代にいる主人公Qという大前提があるので、全編通して完全にQの物語でQが出ずっぱりだ。

そのQをこれだけ感情の解像度が高く、私の情緒を掌握しシンクロさせて持っていってしまう海人くんが演っている。

1時間見ていればそりゃあドッと疲れる。

見終わった後の疲労感が半端ない。

初っ端のお姉さんがお父さんに怒られ、お母さんに引っ叩かれたその向こうで泳ぐ戸惑いの視線からしてもう鷲掴みであったし、衝撃の最後だった三話の背景シーンなんて、始まってまだ10分もしないのに心臓がQと同期したかってくらいの感覚でバクバクで、得体の知れない世界が怖く恐ろしかった。

「勝手に俺に期待するなよ」と張り上げた声は相当に悲しかった。

私はあの一言で結構泣きそうになってしまった。

きっと言いたいのは後輩に向かってだけじゃないんだろう。

親にも翔にも、宝来にも、クラスメイトにも、そう叫びたかったんだろうというのがヒシヒシと伝わってしまって。

親の言いなりで勉強だけしてきた自分だって、何かあるはずだと抱えていた小さなプライドが翔たちに刺激されて、かっこいい何かになれると思った。

けれど、踏み込んだ世界は思っていた理想とは違っていて。

結局中身は変われてなくて。

期待されても応えれないし、親の期待も裏切っているし、期待されて近づかれたってつまらないヤツでしかなくて、対等にはなれなくて、勝手をされて虐げられる側の人間でしかなくて、傷つけたくない人を傷つけてまで何がしたいのか自分が迷子で、怖くて切なくて。

そんなものがブワッと溢れてて泣きそうになった。

本物の夜空を見て、星が見れなくなったと語ったドヨンに、「本物なんか見ちゃったら俺も見れなくなる」と。

これを言って、嫌味にならないのもすごいと思った。

「お前と同じようになりたくない」と言っているようなものなので、普通に言われたらムカつくセリフじゃないだろうか。

ここまで語ってきたQの繊細さ、霞ヶ関に白い花を一本持っていってしまうような子であることが、すごく効いているセリフだと思った。

自分がそういう人間なんだと分かってくれている相手に向かって安心しきって言っているからこそ、嫌味に感じさせないわけで。

この一言でそれを表現しきっているのもすごいと思った。

もう逐一感心させられることと、感情持ってかれて疲れることが同時に襲いかかってくるから本当にしんどいし、感動するしで、ほんと大好きだ。

ドヨンに見せた一粒の涙も、小屋での乱闘シーン前の戸惑いと恐怖の入り混じった佇まいも、殴りながらも泣けてきてしまうほどに抱えたやるせなさも。

全部Qの感情に引っ張られてしんどいし、海人くんの演技力に感動するし、大好きで、魅せてくれてありがとうだった。

ワンシーンワンシーンがそれほどなのに、これがまた時間経過で見せる変化もまた最高なのがたまらない。

わかりやすいのが後輩に話しかけられた時、最初と2回目の差。

前半で話しかけられた時の歩き方、対応の仕方、タバコの扱い方、喋り方と、後半のそれ。

見事すぎて惚れた。
(惚れてる)

あとX民のみなさんも口を揃えていたタバコの扱い。

時系列で見事に小慣れ感を増やしてきてて最高である。

本当にかっこいい。

その一方で抜けきれない陰キャ感と、愛らしさをずっと変わらず背負っているところ。

セイラとの屋上シーンなんてそれだ。

セイラと名前を呼び直すところもそうだけれど、言っているセリフの内容と言い方が一致していない感じ。

「変なこと言うな」と女の子に上から言っているようで、めちゃくちゃ優しげで柔らかく、座り方も背を丸めて自信なさげにちょこんと座り。

このシーンだけじゃなく至るところで、変わったようで変わりきらない本質が常にベースに存在していて、それを見え隠れさせているのが本当に絶妙な塩梅で、Qが相当に可愛いし愛おしくなる。

若林さんをやっていた時もどこか少年ぽさと優しい柔らかさが残る若林さんだったけれど、あの優しげな可愛さが出てくるのは、海人くんの本質的な部分が透けて見えるからなんだろうか、なんて考えたりもするけれど。

いずれにしてもとても魅力的な主人公と主演で織りなす、とことん攻めた物語で、個人的には相当に大満足のドラマである。


そして共演者のみなさんも相変わらず圧巻で。

中川大志くんもメンディーも素晴らしかったし、桜井日奈子さんと安田顕さんの存在感すごいし、大満足に大満足だ。

物語のいく末が第一話の冒頭を見る限り相当に不穏だけれど、月曜が楽しみで仕方ない。

月曜が楽しみだなんて人生においてそうそうないことじゃなかろうか…。


そういえば、アイドルがタバコを吸う姿を見せる、ということにおいて、変に騒がれたりしないんだろうかと勝手にドキドキしていたが、私としてはそこに引っかかってる人を見かけなかったのでホッとした。

みなさん総出で「かっこいい」という方向に全力で振れていたので一安心だった。

わかる。

タバコって指先で扱い、指先を口元に当てる、口に咥える、という仕草だから、どこか色っぽくてカッコよく見えてしまう。

そりゃあそもそもがかっこいい人、表現力がある人、魅せ方を知っている人がやったらべらぼうにかっこよくなるのも当たり前である。

今の時代にあれが見れるとは思っていなかったのだから、こんなにも惚れている人+タバコとなれば、それはもうただただお礼をお伝えしたい気分である。

タバコを取り出し火をつける仕草も、ふかす姿も、咥え姿も、灰を落とす仕草も、一通り見せてくれえたので、存分に堪能させていただいた。

そもそも海人くんの小道具扱いに弱いのでタバコでそれをされてなんとも思わないわけがない。

ありがとうございました。

でもそのまま癖にはならないでね…なんて密かに思いつつ。


ヒリヒリ痛くて疲れるし、1週間のうちにこの物語に思いを馳せる時間も結構取られてしまって困るけれど、結局のところ魅力が満載すぎてとても本当に楽しみだ。

ついでに愚痴ると、既に撮影を終えた海人くんが他方向からめちゃくちゃ攻めてくるから今本当に海人くんにやられすぎてて他に手が回らない状態になっていて困る…。

私だって別に日常的にキンプリ一色なわけではないのだ。

普段は。

でも今は無理だ。

髙橋海人一色の日々で相当に困っている。







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