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Tiny Deck Concerts: Jeezy & Berhana

最近のタイニーデスク・コンサートから良かった回を2つ紹介していこうと思います。

まずはジージィ(Jeezy)。Young Jeezyとして00年代半ばのアトランタからゴリゴリのトラップでヒットを連発していた彼も今やキャリア20年のベテラン。

 喉の奥から絞り出してるようなしわがれた声はそのままに、楽曲のトレードマークだった派手なシンセリフは繊細な弦楽四重奏に置き換えられているあたりに時の流れを感じます。

そしてその編曲を担当したのが、このバンドでベースを弾いているデリック・ホッジ。おそらくはロバート・グラスパー・エクスペリメントのメンバーとして最も有名で、2022年のスーパーボールにも関わったり編曲家としても引っ張りだこ。

ストリート叩き上げのジージィとジャズエリートのホッジとの組み合わせは意外というかどこで知り合ったんだよって感じですが、あまりに美しい"Go Crazy"のイントロ/アウトロでわかるように相性は抜群でした。

バンドメンバーで言えば、キーボードのジョー・ハーレイはレディシのツアーにも帯同しているソウルフルな演奏家です。しっかりと実力のあるミュージシャンを集めることができるという今のジージィの立ち位置がわかったのもよかったです。


もう1つのタイニーデスク・コンサートはベルハナ(Berhana)。エチオピア系アメリカ人のR&Bシンガーです。カタカナ表記はちょっと違ってるかも。

個人的に注目しているシンガーで、ビラルからプリンス要素を薄めてエチオピア要素を入れた感じだと思っているんですが、タイニーデスクで再生回数10万なので知名度はまだまだみたいです。

ダニエル・グローヴァーに認められて『Atlanta』に参加したりと、いちど見てもらえれば音楽性の豊かさは一発で伝わるだけに、ここから人気が出てほしいですね。今のところEPを1枚とフルアルバムを2枚リリースしているのでそちらもぜひ。

ベルハナはアトランタ生まれでエリカ・バドゥやマイケル・ジャクソンを聴いて育ったそうですが、一緒に演奏してる鍵盤奏者のカブロン・ベリャナ(Kibrom Birhane)はエチオピア生まれのエチオピア人。近年のLAジャズとエチオピア音楽が交わるシーンで既に名前を上げつつあるようです。22年にリリースした『Here And There』は CDで日本盤も出ているようです。



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