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今、ローカルコミュニティに所属する意味

今日は、ぼくが運営する「かもがわクリエイティブベース」(通称:かもベース)を引き合いに、コミュニティについて書いてみます。

かもベースとは・・・
京都市内の2階建て京町家を改修したクリエイタープラットフォーム。コワーキングスペースとしての側面が大きいが、ドロップイン制(ふらっと来た人も使える制度)を採用せず、基本は会員のみが利用可能。また、会員に限り、1階のスペースでカフェ営業やイベントを行え、そこには非会員もお客さんとして訪れることができる。短期的な売上が落ちることを覚悟のうえで会員制を採用し、会員限定イベントも開催することでコミュニティ化を図っている。

なぜぼくらは、単なるワーキングスペースを超えて、ローカルコミュニティのようなものをつくろうとしているのか。今まで、いろいろと理由を付けてきましたが、体系的にまとめることはしていなかったので、改めて言語化を試みてみます。

結論として、3つの理由を挙げることができそうです。
1、孤独なクリエイターのサードプレースをつくる。
2、自己を高めていける装置としての役目をもたせる。
3、つながりによる循環システムのようなものの構築。

いずれも自分が欲しかったものだから、自分でつくってみている、というところです。すなわち、以下に書いたことは、「ローカルコミュニティに所属する意味」の理解ということでもあります。

それでは、詳しく書いていきます。

1つめの理由は単純明快。クリエイターというのは、一人で机に向かって完結できる仕事が多く、それゆえに、ほうっておくと誰とも会わない日々が続いたりもします。

そんなときに、気軽に顔を出せる場所があって、仕事しつつ見知った人たちとちょっとお茶休憩する、みたいなことが自然とできると非常にありがたいものです。単にさみしい、という話でなく、人と話すことで気が晴れることもあるし、インプットが極端に少なくなったり偏ってしまうことも避けられるよね、という話です。

特にコロナ禍以降、リモートワークが普及して、クリエイターに関わらず上記のような状態に陥っている人はとても多く、サードプレースとしてのコミュニティの役目は重要になっていると言えます。

オンラインコミュニティもありますが、やっぱりリアルで会って話すことには代えがたいですよね。これは誰もがこの数年で痛感しているところではないでしょうか。

2つめ・3つめの理由は、もう少し社会的な面から深堀りしてみます。

今、時代はあきらかに個々人がそれぞれ自立することを促しています。大企業であっても、生涯その会社で勤め上げるんだと思って入社する人は、ほとんどいなくなっているはず。日本の経済成長が止まって30年、企業は経営体制の見直しを迫られ、大規模な人員削減を断行しています。

企業だけではありません。国の社会保険制度ですら、今の高齢者が逃げ切るための制度と化していて、下の年代にいくほど、上の年代に搾取され続ける構造になっています。だから、年金2000万円問題なんて話が出てきて、NISA枠を拡充し、国民全員に投資を呼びかけているんです。

そんな時代に、考え方や生き方をアップデートしないままなんとなく過ごしていては、気づけば手遅れということになりかねません。このきびしい時代をサバイブするためには、意識を高く持ち、学び続ける必要があります。

とは言え、「意識を高く持ち、学び続ける」なんて、そんな高尚なこと、ほとんどの人はできるはずもなく。かく言うぼくも、気を抜けばすぐに犬猫の無限動画ループにはまってしまっています。笑

でも、自分一人では意識を高く保つのが難しくとも、意識の高い人が多い環境に身を置けば、自分もおのずとそうなるもの。人間は環境の動物。朱に交われば赤くなる。愚痴ばかり言う人たちの中にいれば、ネガティブに汚染されます。周りにすごい人たちがいれば、自分の常識・視座が変わり、メンタルブロックは外れ、高みに引っ張り上げてもらえます。それなら、意識高い人が集まるコミュニティに身を置いた方が絶対にいいですよね。

かもベースは、単なる仕事場でも、仲良しコミュニティでもなく、そのようにして、それぞれが個を高めていける場所にしたいんです。そして、ぼくもその恩恵に与りたい。笑 これが、ぼくがかもベースをコミュニティ的なものとしてデザインしている理由の2つ目です。

まぁ、今のかもベース会員みんなが意識高いかと言われると怪しいところですが笑、誰に対してもフラットで、ポジティブな感覚の人がほとんどなのは確実です。ここは極めて重要なポイント。コミュニティの雰囲気がよくなる(大事!)し、ひねくれてたら他人から学びを得ることもできないですからね。

ぼくは、のらりくらりやってるように見られるんですが、実は、内にこんな高い志を秘めています。笑 だからどんなに忙しくても、需要が少なくても、クローズド会を中心とした勉強会は継続していきます。意識高いってのは、常にギラギラしてるってこととは違いますしね。「のらりくらり」と「意識高く」ってのは、両立できるんです。笑

会員である税理士さんを講師にした「税務相談会」の様子

さて、話は続きます。終身雇用が崩壊し、すべての人がある種のフリーランスになりつつある今、意識が低い人から淘汰されていきます。優秀な人材こそが大企業に見切りをつけて外で活躍し、戦えない人・守られなければ生きていけない人ばかりが大企業に残る。早期退職の実情を聞く限り、すでにそんな世界がやって来ていることがわかります。

企業が力を失い、年功序列が崩壊し、一億総フリーランス時代に突入しつつあるとも言えるかもしれません。サラリーマンであっても、自分の強み・弱みを理解し、自分を売り込めなければジリ貧になっていく世界です。こうなると、人とのつながりがより重要になってきます。率直に本音を言い合える友人、いざというときに頼れる仲間、損得なしに仕事の話ができるメンター的存在など。

それに、フリーランスの人の多くは強く実感していることと思いますが、結局、仕事の大半は、人とのつながりの中から生まれてくるもの。SNSを駆使して、常に新規顧客を獲得するのもよいですが、それはそれで大きな努力が伴いますし、投稿をやめた瞬間に立ち行かなくなる恐怖に神経をすり減らすことにもなるでしょう。

AIも普及し、素人とプロの間ですらクオリティの差は少なくなってきています。クオリティが微差であれば、好きな人から商品を買いたいし、好きな人と仕事をしたいもの。気心の知れた仲間(それも、同等の価値観をもつ仲間)がたくさんいれば、それだけで多くの可能性を持っていることになるんです。

これが、3つめの理由「つながりによる循環システムのようなものの構築」ということです。コミュニティ内で閉じる必要はないですが、安心できる場所・帰ってこれる場所があれば、外に狩りにも出やすいですよね。笑

かもベースのロゴは
「個として好き好きに翔びつつも、ある瞬間にはまるで必然のように美しい模様を映し出す」
ということを意図してデザインされています。

以上が、かもベースをコミュニティ的に運用している理由であり、ローカルコミュニティに所属する意味であると考えます。

まぁ、要するに、日々をなんとなく漫然と過ごすよりは、仲間と切磋琢磨しがら、がんばって結果を出した方が楽しいじゃん!とぼくなんかは思ってるわけです。

この話にどれだけの人が興味があるのかわかりませんが、共感・賛同いただけたみなさん、ワーキングスペースを利用しなくとも、イベント参加だけを目的としたリーズナブルな会員プランなんかもありますので、ぜひ、かもベースのメンバーに加わっていただければと思います。笑

最近は、チャットスペースで自律分散型組織のモデルケースについての情報交換や、海外向けに日本の伝統技術商品を販売する企画会議が行われていたりもします。Discordへの参加は自由ですし、公開型のイベントもいろいろやってますんで、まずは様子見でどうぞ◎ 最後は宣伝でした~!


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