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つい紡いでしまう遺言のようなことばたち

ことばが包含する光と影

ことばは、いくら同じことばでも、誰かにとっては傷ついたり痛みに触れ、誰かにとっては救いや喜びになる。届けようとするあり方によって、陰と陽、光と影のようなものを含んでいる。


そして、それは陰が強ければ強いほどに、光が強ければ強いほどに、対になるものも同様に影響力を増す。


どんなことばを書こうと、誰かは傷ついてしまうのではないか。
そんなことを、恐れとして最近握りしめていた。


でも、それでも私はことばとして伝えたい。100%全てを伝えられないもどかしさを抱きしめながら、それでもわたしは、あなたに、ことばという愛を渡したい。でも、このnoteを出すことがとても怖い。



でも、だからこそ、さいごまで読んで想うこと感じることをぜひ伝えていただけるととてもうれしい。




自己開示の光と影

今回私には2つのテーマが贈られた。そのうちの片方、「女性と男性」をどこか頭の片隅に置きながら、ただただ出てくるものを感じていた。



結論から言うと、「女性と男性」をテーマにした記事は下書き途中のままとした。書いていた内容は、女「性」であることから受けた性的被害について。そして、先週発症したことが分かった「多嚢胞性卵巣症候群」について。



今回下書き途中で止めたのは、この痛みをことばにすることにわたしの愛が含まれていないと感じたからだ。痛みが、痛みとして誰かに届いてしまう気がしたからだ。



自己開示というものは、開示する側がそもそも、本当にその開示に耐えうる状態で在るかという観点は大事だなと思う。開示する勇気と、開示しない勇気がある。



どちらもエネルギーが要ることで、"開示"ということばが浮かぶ経験それ自体を内包して生きているという事実が、とてつもないことで。



今、もしこれをたまたまでも読んでくれている方がいるのであれば、今、どんな環境なのか、どんな気持ちでいるのか、わたしに想像できることには限りがあるのだけれど、どんなあなたであろうと、あなたでいてくれて、ありがとうと思う。



ありがとう、と書きながら、本当にこのことばで良かったのかと悩んでいるわたしもいる。そう、その先に傷つくひとがいる可能性が、やっぱりあるから。



決して、自己開示を否定しているわけではない。私もこれまで沢山書いてきたし、触れてきて、多くの気づきをいただいたし、勇気をもらったし、愛として受け取ったし、だれかの救いにもなる大きな光だと思っている。



でも、その一方で、たまたま目にした誰かの、本当は耐えられる状態でなかった自分の、大きな影となり闇へ引きずられる一手にもなり得る。



私も開示のエネルギーを感じつつ、その先のだれかの傷に繋がる可能性を感じて、下書きとして出すことが今はいいという判断に至った。



ひとのフェーズによって、ここは変わるので何がいい・悪いもなく、みんなベストなタイミングでことばを紡いでいるという敬意を置かせて欲しい。




光と影とつながる

そんなこんなで、やっぱりわたしは、ことばって凄いパワーを持っていて、だからこそ尊くて怖い。と思う。



ことばに、書くことに恐れがあるから自分の記事は筆が進むわけもなく。
参加してくださった方へ贈ることばも、毎日ぜぇぜぇしながら、これでいいのかな、を繰り返していた。



そんなある日、私のオアシス、藤井風さんの寝そべり配信を聴いてnoteと睨めっこしていたら、やけに耳に残る歌詞があることに気が付いた。



Official髭男dismさんのSubtitleだった。
何度も聴いたことはあったけれど、歌詞を意識してしっかり聴くのは初めてだった。


伝えたい伝わらない その不条理が今 キツく縛りつけるんだよ
臆病な僕の この一挙手一投足を
言葉はまるで雪の結晶 君にプレゼントしたくても
夢中になればなるほどに 形は崩れ落ちて溶けていって 消えてしまうけど
でも僕が選ぶ言葉が そこに託された想いが
君の胸を震わすのを 諦められない 愛してるよりも愛が届くまで
もう少しだけ待ってて

Official髭男dism Subtitle 歌詞より一部抜粋



「ことば」がわたしにとって、とっても大切なものだからこそ、伝えたい、伝わらない、消えてしまう、それでも諦められない、の間で閉じ込められて苦しかったんだという現実に気が付いた。



どうせ諦められないなら、ある種諦めて書きたいことを書こう。



例えばこんなことばがあるとする。

これまでのどんな経験だって、必要だった経験。すべてそう決めて今世に命を受けてきた。

出典はなく色々なところで目にしたことば


大切なひとと二度と会えなくなること、いじめにあうこと、信じていたひとに裏切られること、性の被害にあうこと。苦しかった、忘れたい、忘れさせてはくれない過去のこと。



お願いだから、これらの経験を必要だなんて言わないで。わたしが受けたかわりに誰かが救われるなら別だけれど、今もどこかで誰かが苦しんでいることが、さだめかもしれないなんて、そんな残酷なことは言わないでと思う。



でも、わたしはこのことばのお陰で、大きな光に気が付くことにもできた。だから、2023に心に残った、感謝していることばのひとつでもある。



幾度となく、ひととの関係性を断たれる経験をしようと、それでもわたしは、関係性を信じたい。だから、ひととつながるために、つながりを思い出すために、関係性を育んでいくために、ことばを編んでいくし、場をひらいていく。



ことばを伝えることは怖い。場をひらいて、つながりが広がっていって、大切なひとが増えていくことが、怖い。
それだけ、光は強く強く、その対の影が纏わりつくから。



でも、わたしは、ことばに苦しみ、ことばに救われ、関係性に苦しみ、関係性に救われてここまで生きてきた。いつだって光と影がもつ力に生かされてきた。



わたしがやっていくこと、使命だともう思うほかなかった、場をひらいていくこと、こうやってことばを編んでいくことは、誰かを救いたくて、わたしが救われたくて。そんなイコールでつながっていた。



救いたい=救われたい このイコールが今 優しく剥がしていくんだよ
堅い理論武装 プライドの過剰包装を

Official髭男dism Subtitle 歌詞より一部抜粋



わたしは、もしも境界線があるとするならば、このイコールがそれを剥がしてゆけるんだと思うんだ。みんなのことばが、だれかに届くことで、救い、救われ、つながりを感じる世界をつくっていく。



あぁ、だからわたし、毎回苦しみと嬉しさを伴いながら、アドベントカレンダーをやっているんだ。




光と影とつながったその先に

誰もが自分として生まれてよかったと思える世界であって欲しい。
今日をこころから良かったとおもい、明日を迎えることをこころから歓迎できる世界にしたい。



ことばを贈り合うことで、一歩づつ、一歩づつ、そんな世界に向かっていけるとわたしは思っている。大袈裟かもしれないし、わたしができることはその一部かもしれない。でも、ことばが切り開いていくそんな世界をわたしは諦めたくない。



そのきっかけが、ことばをこうやって置いていくことだったり、対話を生むことだったり、場をひらくことだったり、ごはんを囲むことだったり、絵を描くことや表現することだったり。



あと何年、わたしの命があるのかは分からないけれど、ひとりひとりに、あなたがあなたでいてくれて、本当にありがとう。と伝えていきたい。



だれひとり欠けても、いまのわたしはありません。
だれひとり欠けても、いまの世界にはなりません。
そこには光も影もある。だからこそ、愛だけはことばという形で平等に届く世界に。わたしが生きている間に、届けられる範囲であっても、届けさせて欲しい。



ああ。ビジョンってなんてまぶしくて、苦しい。
やりたいことって、なんて怖くて、喜びを伴うんだ。
宿命は、なんて残酷で、美しいんだろう。




クリスマスの今日、みなさんは、だれに、どんな、"ことば"を贈りますか?
ことばには、愛が含まれています。あなたの大切な世界に、愛が行き交い、こころが温まる日になりますよう。




みなさまの、素敵ないちにちを願って。
メリークリスマス。





謝辞

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
私に贈られたテーマは「女性と男性、光と影」でした。


いつも書き生むことには苦しんでいましたが、今回は特別経験を語る自己開示というよりも、じぶんでことばを編む、に近い内容で、より苦しみました。



ことばで伝えられる限界がある。と何度も思っては、それでも伝えたいものがあると、諦められませんでした。



読む方によっては、もしかすると若干否定されているように感じてしまう色のところもあるのではないかと(自己開示への想いや、あることばについてなど)すごく葛藤がありました。



わたし自身、否定されることが本当に傷つくことだから。
でも、否定を含んでいるわけではなく、眼鏡がそれぞれあるというただそれだけで、ちゃんと敬意や愛を込めて書けているだろうかと何度も何度も読み直しました。



もし、嫌な気持ちにさせてしまっていたら、本当に申し訳ないです。いつか、愛として届くまで、一方通行でもいいので関係性を諦めないでいさせてください。



今回テーマが「あなたが思う、正反対」という抽象度の高さからも様々なみなさまが見ている世界に触れさせていただくことができました。



Official髭男dismさんのSubtitleは正反対と(私的に)感じることばが合わさり、編まれている歌詞で、とても自然で美しく、力を感じるものでした。プレイリストの次が藤井風さんのhanaなのですが、実はこちらも美しい正反対が織りなす世界観を見せていただけるものです。



わたしたちは、それぞれにそれぞれが思う正反対を持ち合わせているんだと思います。



誰かが思う正反対は、ほかの誰かにとっては同義にもなるし、反対でも同義でもない間かもしれない。ことばひとつとっても、こうやって座標を観測していくと、ひとつの球体になります。



ひとりひとりの認識が、自分の、世界の全体性をつくっているかのように。



そう思うと、そもそも正反対のものなんて実はないのかもしれないなとも思いました。光でも影でもどっちでもよくって、だって、どっちにだって転ずるし、ただ、確かにどちらもある。
受け入れる必要もなくって、あるという、ただそれだけ。



だったらもう、何が転がってくるのか、どう世界がまわっていって、自分のもとに何が来るのか、面白がっていくことが、自分らしく生きることなのかもなとも。



面白がれないときも、そりゃあきっとあるけれど、ときにはボロボロになりながら、「面白がり眼鏡」をかけて人生ってやつは・・・という話を、またどうかみなさま聞いてください。聴かせてください。



余談だけれど、Subtitleが主題歌だったsilentから始まり、hanaが主題歌のいちばん好きな花につながったこの運命も、それはそれは美しくて涙した。



いちばん好きなはなの最終回をみて、必要なことはすべて伝えてくれたと感じたけれど、わたしから編まれることばを、ここに残しておく必要も感じた。



書き終えて買い物に出た冬の夜は、ツンとする寒さで、さっきまで泣いていたわたしにとって、気持ちのいい抱擁だった。




2023アドベントカレンダー、これにて完です!
テーマの贈り手発表は、のちほど。


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Special thanks

・いつだって私の希望であり愛の源泉、わたしでよかったと何度も思わせてくれる大好きな夫
・わたしを生み育ててくれた、愛情を贈ってくれる、家族
・アドベントに出会わせてくれた、幾度となく支えてくれた、相棒まー
・これまでのアドベント参加してくださった、ことばを届けてくれたみなさま
・わたしが開示できる居場所をつくってくれた、マイコーチ宮本さん
・わたしの光も影も包んでくれた、うーさん、場づくり講座のみなさん
・関係性を信じる経験をさせてくれた、そでこしたくちゃん
・その決意を後押ししてくれたこの投稿にいいねしてくださったみなさん、コメントしてくださった、ゆりちゃん、そでこし、三好さん、なっちゃん、あいりん、みどりん、たくちゃん、すぐさん、もっち、一成さん
・決めてから初めての場を共にしてくださった🐼のみなさん
・関係性に勇気を持ち込むことを信じてくださったたにちゃん、Gasu、ぱとちゃん
・THECOACHでつながるみなさま(多すぎてすみません!ひとりひとり浮かんでいます)
・Xでつながっているみなさま(多すぎてすみません!ひとりひとり浮かんでいます)
・これを読んでくれたわたしとつながりのあるみなさま(多すぎてすみません!ひとりひとり浮かんでいます)


Inspired by

Official髭男dismさん Subtitle
藤井風さん hana
井庭崇さん 未来をつくることばのデザイン



あなたへ

2024年2月には、新たにコーチングのクライアントさん募集を予定しています。
わたしでいい、わたしがいい、ともし思ってくださったら、お手数ですがDMいただけますと幸いです。


正式募集は来年1月を予定していますが、人数は限定する予定です。



また、浅草橋のゲストハウスでごはんを提供する場や、それ以外のところでも、いろいろな場をひらいてゆきます。



わたしといっしょに場をつむいでゆきたいなと、もし思ってくださったら、よきタイミングでご一緒しましょう。たのしみです。



おやすみなさい。

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