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アイスランドの女性ストライキ『女性の休日』 2023年はノンバイナリーの参加も呼び掛ける

明日24日にレイキャビクで大規模なストライキが行われます。私も参加するつもりです。


『女性の休日』とは?



10月24日はアイスランド語で『Kvennafrí』- Woman's Day Off 『女性の休日』と呼ばれ、アイスランドにおけるジェンダー平等が一気に進んだ契機となった1975年10月24日の記念日として知られています。その日、アイランドの90パーセントの女性たちが仕事を休み、子供を父親に預け、家事をする代わりにレイキャビクに出かけていき、実質的なストライキを行ったのです。

女性たちがいなければ、国は一日として機能しなくなることを見せつけた『女性の休日』を反映し、1980年にはヴィグディス・フィンボガドゥティル氏がアイスランドだけでなく、世界で初めて民主的な選挙で女性大統領となりました。彼女は結果として3期(16年)も大統領を務めたという事実も日本で育ってきた私にとっては、悲しいかな「驚くべきことに」という形容をしてしまうのです。

世界経済フォーラムによる各国における男女格差を測る「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」でアイスランドは初版2006年から2023年まで14年連続世界1位の座をキープしています。

You call this equality? 「これを平等と呼ぶのか?」女性もノンバイナリーも連帯しよう

性差による差別が制度上はほぼ解消されているのでは?これ以上何を求めるの? という声も挙がるかも知れませんが…アイスランドではいまだ21%のジェンダーペイギャップが残っており、さらに女性の40%が生涯に性差による暴力を受けたことがある。女性への性暴力がまだ存在する…

「これを平等と呼ぶのか?」 

- “Kallarðu þetta jafnrétti?"

"You call this equality?"

これが今回2023年のスローガンです。

そのため今回のストライキでは女性だけではなく、ノンバイナリーの人たちも無給・有給の労働をやめることを促しています。ストライキの主催者の声明文では 約40ある主催団体のうちの2つはQueer関連の団体であることがこちらから英語で確認できました。


周縁化された移民女性たち


今回のストライキ主催サイトによると、ノンバイナリーの人々と女性はどちらも家父長制によって疎外されており、彼らの社会への貢献は過小評価されていること、そして男性よりも暴力を受ける可能性がはるかに高い。だから女性とともに立ち上げり、『女性の休日』ストライキに一緒に参加しよう!と呼びかけています。

さらに、アイスランドに住む移民の女性たちにも積極的に参加を呼びかけています。 

アイスランドの労働市場では、移民女性が女性の約22%を占めていおり、 アイスランド社会に対する彼らの貢献は計り知れないほど貴重です。しかし悲しいことに、彼らの重要性が認められたり、彼らが受け取る賃金に反映されたりすることはほとんどありません。 私たちは女性とノンバイナリーの人々に、その日は有給無給労働の両方をやめ、デモ集会に参加することを奨励します。 会議に出席できない場合は、ハッシュタグ #kvennaverkfall で連帯を示すことができます。

https://kvennafri.is/en/womens-strike-2023/

こういった一文があることで私のような移民(特に非白人)としては安心して参加しようという気持ちになれます。(引越してきてから10日ほどですが、既にアイスランド人たちの移民への扱いに疑問を感じるというか悲しくなってしまった出来事も目撃しました…別の機会にレポートしたいと思います)

明日のストライキではメインの会合は14:00にレイキャビクのシティホール?で行われます。
その様子は後日載せていきたいと思います。


英紙ガーディアンからは英時間23日の朝に記事が出ていました。


主催者によると、漁業労働者、教師、看護師、カトリン・ヤコブスドッティル首相の参加が確認されている。主催者は「女性のストライキが、社会を停止させ、国の進行中の男女賃金格差と広範なジェンダーに基づく性的暴力に注意を向けることを望んでいます」と話す。2023年の今年は23日から24時間行われる。

英紙ガーディアン2023年10月23日


参考記事

英紙ガーディアン:Iceland’s first full-day women’s strike in 48 years aims to close pay gap | Iceland | The Guardian

2018年のストライキの様子はこちらから


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