ショートショート　オバケレインコート

自然豊かな小さな片田舎。

山の奥地にオバケレインコートが出没すると噂があった。

中学生になったは良いが田舎で何もやることもなかった。

退屈すぎた日常を変えたくて俺は友達を誘い森に行くことにした。

大人達には絶対に入ってはいけないと何度も言われたが関係ない。

ここより先立ち入り禁止。

おばけレインコート出没。

赤文字で書かれた看板は少し怖い。

友達はやっぱり帰ると、泣きそうな顔で走って帰ってしまった。

いくじなし。

俺は好奇心に勝てない。

看板の文字を無視して進むことにした。

真昼間なのに暗いな。

あれっ。

雨だ。

今日は快晴だったはずだけど。

カバンに入れておいたままの折りたたみ傘をさす。

暗い森の中を進んでいく。

するとそこには大きな池があった。

私はゆっくりと池へと近づく。

人影が見える。

水辺に誰かいるぞ。

カッパだ。

水中で優雅にカッパが泳いでいる。

おばけレインコートとはカッパのことなのか。

立ちすくむ俺にカッパはそっとレインコートを渡してくれた。

(410文字)

たらはかにさんの【毎週ショートショートnote】に参加させて頂きました。
　　　　　お題　【オバケレインコート】

最後まで読んで頂きありがとうございました。