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ショートショート 真夜中万華鏡(581文字)


高校生の娘が部屋に籠って深夜にコソコソ何かをやっている。

うちの娘は誰に似たのか、頭も良くて、運動神経もなかなか良い。

深夜遅くまで勉強していて、立派だと思っていたのだが、勉強以外にも何かしているようだぞ。

まさか変な男にでも引っかかったのか。


私達の娘に限って….


っていうのが一番危ないって佐藤さんの奥さんも言ってたいけど。


もしかしていじめられてるのかな。



「万華鏡….」



娘は何か一人で喋っている。



おかしくなってしまったのか。



私は娘にもプライベートがあるからと勝手に部屋に入るのはやめていた。


しかしこれは緊急事態ではないのだろうか。


それとなく次の日の朝食の時に娘に探りを入れてみた。


「深夜まで勉強大変ね〜。そういえば何か喋っていた気がするけど何をしているの??」


「あぁ〜友達と話したりしてただけじゃないかな」


嘘だ。


この娘、私に何か嘘をついている。


私はやってはいけないとわかっていたが、娘が学校に行っている間に部屋に忍び込んだ。


特に部屋に異常はないし、とても綺麗だ。


ただ、どこか違和感の収納棚を開けてみると、そこには大量のコスプレグッズがあった。


娘は昨日なんて言ってたっけ…


「万華鏡…万華鏡写輪眼…」


ネットで検索するとアニメのキャラクターが引っかかって少し安心した。


それなら言ってくれれば良いのに。


けど私も美少女戦隊のコスプレ、友達に言えなかったな(笑)


やっぱり親子かも。


(581文字)



たはらかにさんの毎週ショートショートに参加しております。
裏お題  真夜中万華鏡


最後まで読んでいただきありがとうございました。


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