りきノート19ページ目【ネタバレ有】:戦場のフーガ2
※この記事は『戦場のフーガ2』をトゥルーエンドまでプレイした同進捗の方向けの感想記事です。未プレイかつ少しでも興味のある方、買う予定がある方は絶対に見ないでください。この作品から享受できる情緒を損ねます。
絶望なんて待望してないよ!でも気になるからやるよ!シナリオを人質にゲームを売るのはやめ…普通の事だったわ。今回もトゥルーエンドをプレイした人前提に書いていきます。前作のりきノートと比べて悪評多めです。バレなしで前作と比較すると今作のブリッツくん枠がかなり影が薄いです。
前作評価が「ビジュアルやテーマは最高だが金をかけない和ゲー要素が足を引っ張り佳作止まり」に対し、今作は「金も時間もかけず出した駄作」です。
やっぱ非人道的兵器タラニス。タラスクスおじさんは人道的だった。
はい『戦場のフーガ2』です。元々3部作予定だった事を知らないまま2が発表された時はマジで膝から崩れ落ちました。
絶望に期待する人。
序盤は衝撃のOPに絶叫して既にグロッキーなまま久々のフーガプレイ。編成画面で敵弱点見れるのいいすね。新たな仲間であるバニラちゃんを迎え唯一明確な目的である「タラニスに近づいて仲間を連れ戻す」ため小慣れた戦闘をこなしていく。
残りの仲間はハンナだけとなった所で今回の仇敵登場。中盤の雰囲気はともかく陰鬱でハンナの死から立ち直れないマルトがとにかく痛々しくて胸が詰まりっぱなし。つれぇ…つれぇ…言いながら進めてたから兵器強化が疎かになっていたのかもしれない。復讐の旅が始まり、かつての仲間とも再会を果たすも…。
疎かにしていた兵器強化のせいかジリ貧になっていきマーナガルム使いまくりの上1回使うタイミングミスってそのままソウルキャノン発動してしまった。ジンんんんんnその直後このエンドカードだよ…。
テンプル強打したかの如くお布団に倒れ込んで枕を濡らす。
前作から1年経ち、愛くるしい子供たちにも様々な変化が。…と思いたかったが主人公がマルト固定になったのでかなり影が薄くなってしまった。
前作はあれだけ健気で純朴な少年だったマルトお兄ちゃんがご覧の有様だよ…。そりゃそうなるような仕打ちを受けたのは間近で見ましたけども…。
メイちゃんにすら怖がられるようになるお兄ちゃんは見たかったけど見とうなかった。攻撃関係のBuffに加え単体範囲とバランスのいいキャノンのうえサポートも相変わらずなのでリザーブに引っ込む事がない。
ハンナを奪ったジルやラスボスに憎しみを顕にするも、復讐に囚われるマルトくんとは対照的に一歩冷静なカイルくん。ハンナちゃん奪われて復讐鬼になるのはこっちじゃ…。マシンガンクラスとしては装甲破壊範囲以外はTOPだしサポートが空中の敵特攻になったので延々とメイン武器に居座る。
マルトの帽子をもらったメイちゃん。最初のボス戦では悲痛なうめき声を聞きながら戦うことになるし救出後は最愛のお兄ちゃんが怖くなってるしでかわいそうでかわいい。前作通り唯一の装甲破壊範囲持ちですがマシンガンはカイルくんが抜きん出たのでメインサブリザーブと走り回る事に。
親の仇を甲斐甲斐しく看病するジンくん。3で復活するといいね。
このイラスト額縁に入れて美術館に飾られてても不思議じゃないよ。
前作からクラスチェンジがありグレネードからキャノンに。キャノンに求める物は攻撃力と攻撃範囲なのでボロンマルトの予備兵員扱いなのが悲しい。サポートも気休めなのでどうしたもんだか。
復讐に燃える二人に「死んだ奴がそれを望んでいるのか」と説く元当事者。
そういう考えも否定しないけど、完膚なきまでの復讐は気分爽快ストレス解消自己の尊厳を回復させるもの、ってラーメンハゲが言ってた。あの台詞どういう状況で出てくるかといったら、TV関係者を抱き込んでTV番組で公然と侮辱されたからイベント出店のスタッフ買収した上で土下座させた回想後の台詞でめちゃくちゃ笑った。このエピソードはらーめん再遊記4巻に収録。
ソックスくんは相変わらず状態異常範囲ばらまきで大暴れしてる。あと格好が子供が考えた博士っぽくなっててキュート。
ワッパはヒッピーみたいになった。あと終始陰鬱な雰囲気で進行する上マルトとカイル以外影が薄くなった影響をモロに受ける悲劇のリーダー。戦闘面ではサブ固定、もうちょいなんというか…強力な攻撃手段をさ…。クラスもグレネードになりいよいよメインに席がない。
この二人相変わらず付き合ってる。でも戦闘上シナジー全然ないんだよな。
シーナちゃんはクラスチェンジしてグレネードに。リジェネやSP回復の他全体範囲持ちなので黄色アイコンが6つとか出てくるとソックスくんとシーナちゃんが飛び出してくる。
ブリッツくんはサポートが命中率関係になったのでボロンくんかマルトくんのサポートが定位置になってしまった。マシンガンとしては完全にカイルの後手に回り、スタンはソックスの独壇場でそこしか居場所がない。いやサポでも席があるだけマシだよ…。
ハンナお姉ちゃんがいなくなったタラニスで見てて辛くなる程張り切るチック。泣かないで…。
チックはハンナお姉ちゃんを目指して回復役に。マジでHPやばい時はシーナちゃんでリジェネ、チックで大回復する時がある。
申し訳ないけどガヤ要員と化してしまったハック。復讐劇なんか目に入れないで安全な所でお留守番してふわふわしてよう!な!
ハックはキャノンからマシンガンにクラスチェンジ。…マシンガンは駄目だって!瞬間的な装甲破壊では一番数字がでかいんだけどまぁカイルが2ターン居座ったほうが装甲破壊できるしな…。1ターンで8削る必要があるなら事前にハック+カイルorブリッツになるけどそんなタイミングはねぇ。
ガヤ要員と化したドカベン。でも戦闘では最多Killの大魔神。ブリッツくんと仲良くしてると空中の青敵すら80%で粉砕していく。ガスコ軍は絶対徴兵したほうがいい。
お前もガヤ要員じゃねぇか?
初登場となるバニラちゃん、今までのタラニスの子どもたちにはいないタイプの感情的で気の強いお嬢様キャラでかわいいんだけどフーガ2のシナリオに無駄に殺されて無駄に生かされる悲劇のヒロイン。フーガ3でプレイアブルにならなかったら笑うし怒るぞ。まぁマルトとハンナの物語なのに女の子の新キャラ出しちゃうのが悪い。ていうかさ、それならさ、マルトにべた惚れでバニラとハンナどっちを救うか系のイベントとかさ…。恋慕する相手が絶望してる姿と自責の念に囚われ死にたいほど辛いのに自ら命を絶つ事は裏切りと八方塞がりで塞ぎ込むバニラちゃんをハンナちゃんを失いやつれたマルトくんがたどたどしく励ます…あっ今自分で書いといてこれすっげぇ見てぇ!!!!!!!!!!!(※本編では一切恋愛フラグは立ちません)
戦闘面では単体向けキャノンとしてボスやらかってぇ雑魚でお世話になる。ジンを死なせた上バニラも途中離脱して最終的にキャノン2人になったけどボロンが全部しばいていった。
この二人が再登場したのは驚いた。しかも邪悪さが抜けて捕虜として閉じ込められたり子どもたちにクイズ出したり漫画の続きが気になったりこの顔でコメディリリーフは無理があるでしょ。
シュトーレンじぃじ比較的物腰柔らかくて好き。まぁ前作では家を破壊した数を競い合ってたりしたけど…。
今回は非プレイアブルで囚われのお姫様役のハンナお姉ちゃん。
というかあの展開でどうしてベレノスのAIと化してしまったんだろうか。
タラニスの中にいた状態でタラスクスが転送してる最中にベレノスから砲撃受けて転送キャンセルしちゃって消息不明になったんだよな?
終盤はなんと仇敵ジルとベレノスに生命を蘇らせる力があると判明しハンナ救出に希望が見えてきた…と思ったらジルを裏で操るラスボスが登場。バニラ嬢を催眠して戦車内部で爆弾起動、リボンだけ残してあっけなく退場となった。思った通りの展開だなぁと思いつつやっぱりつれぇわ。
ジルとハンナを人質にベレノスを操りヴァナルガンドを取り込んでいくラスボス。最終決戦のため再びヴァナルガンドと対面する。ここのズッコケコンビかっこいいんだよなぁ。
ヴァナルガンドを倒すには再生能力のあるベレノスを破壊しなければならない。ジルとハンナは意を決しベレノス毎自爆、ジンとハンナとバニラ、そして分かり合えるはずだったジルを失いブチギレたマルトは自らソウルキャノンチャンバーへ…。
って感じで1周目ノーマルエンドクリア。前作の経験もありバニラちゃんの親愛度MAXにしとかないとなぁでも先にトゥルー見たらアレだし先にノーマルエンドみとこって感じで前作程のショックはありませんでした。振り返ってみるとこの選択は完全に間違いだった。
んでトゥルーエンドのための2周目はいきなり途中からリスタートになってて混乱しましたけど、最初からだと敵ステータス上がるのやだなってなってそのまま途中から。…まぁ前作まんまのエンドでした。手に持った爆弾をそのまま起爆して凄惨な最後を迎えたはずのバニラ嬢が何故かピンピン生きており、何故かジンとハンナが諦めずにベレノスを引き剥がし、人道的おじさんAIとなっていたハクスがタラスクスをエネルギーにソウルキャノンを撃ってHAPPY END。
…なんだろうなぁ。前作のインパクトが強かったってのを差し引いてもちょっと擁護できない出来。ここまで前作をなぞる必要は全くないでしょ。
ストーリーの骨子というかおおよそが前作通り進むわ、ゲームシステムで変わった事はソウルキャノンの仕様だけだわ、新規要素のジャッジメントは空気だわ…。
前作の一番肝だったブリッツくん関連も催眠爆弾バニラ嬢で済ますのは駄目だろ。いやバニラちゃん好きだけどね…この扱いは酷すぎる。前作で素晴らしかった「ゲームでしか表現できない、ゲームならではの作品」という点が弱く感じたのはここですね。なんだっけなぁ似たようなタイトルあったな1で度肝を抜かれて2で凡庸となっt…あ、あれだドラッグオンドラグーン。
新ソウルキャノンは評価が難しい。新しい仕様である「ボス戦でピンチになると20ターン後強制発射」は確かに緊張感を与えてくれた。だが「子どもたちの中からプレイヤーが選ぶという残酷さ」がなくなったのでどっちがいいのか判断に困る。「20ターン後撃つけど誰も選ばなかったら爆発して全滅するよ」って仕様だったらいいのか?
そして新しいマーナガルムは簡易ソウルキャノンで、戦闘不能+経験値取得なしというお手軽条件の強力兵器。これもどうだろう…。まぁマーナガルムがなかったらジンだけでなくワッパとチックも死んでたから助かったっちゃ助かったけど。
あと前作は子どもたち全員が主人公であえて選ぶならマルトくん、という感じでしたが今回はもうマルトくん主人公です。個人的にはアリだけど、これが理由で他の子達が薄くなるなら駄目。まぁシナリオに盛り込めなかった力量不足を痛感した。ジャッジメントがそれを回避してくれるのかと思ったけど、あってもなくてもどうでもよかったよなあれ。
敵キャラクターについては本当にもう…前作より酷くなるとは思わなかったよ。各地に残るベルマン軍兵器の残骸(という説明もなく脳内補完)をベレノスが使役しているだけで殆どグラちょっと変えただけの雑魚。新規の古代メカっぽいのが2種類いたんだし、あれをメインにしたほうがよくない?
前作のテーマが戦火に巻き込まれる子供たちで、相手も同じヒトだったのは個人的な好みでもあるけど…。安直に古代人を蘇らせないで、最初から家庭教師のおっちゃんでよかったんじゃないかこれ?藍染惣右介は本当にいらん慣習を残していった。
正直「前作がよかった」「三部作の二作目」「新ソウルキャノンの緊張感」「序盤~中盤の陰鬱な雰囲気」「シュトーレン少将」という加点しか見受けられない相当な駄作。これが二部作だったら前作で切っていいレベル。まぁ前作から2年弱じゃこんなもんしか作れないか…。次回作マジでお願いしますよ。
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