スシロー問題に対するバッシング側への批判

今や言わずと知れたスシロー問題だが世間のバッシングが過剰であると鑑みその抑止のため冷や水を浴びせる事にした。
スシロー問題とは回転寿司チェーン店スシローにおいて、客である高校生が醤油ボトルや湯呑みを舐め廻したというもので、その動画がSNSにアップされて炎上に至ったようだ。
スシロー側は加害者側の謝罪を拒絶し、民事と刑事で事件にするという姿勢を示した。世間はスシロー側を賞賛しつつ、高校生の身元割り出しに躍起になっているらしい。

バッシングで最も懸念すべきは攻撃された側の自殺である。炎上から自殺に至った例などいくらでもあるし、SNSを利用する人なら当然に知っているものである。にも関わらず炎上が止まらないのはパニックに陥り自制心を見失っているとしか思えない。
誰もが「自殺まで追い詰めたい」とまでは思わないだろうに、自分の行為が自殺に繋がりうるとは考えていないのである。愚劣としか言いようがない。

なぜここまで叩くのか。コロナにより自粛を余儀なくされ、感染のリスクが高い飲食店は特にデリケートな場所として刷り込まれるようになった。そんな状況での舐め廻し動画は、人々の積もり重なった自粛意識(ある意味ではトラウマ)を踏みにじる挑発であり、自己保存のために叩いている、という心理は相当にあるだろう。要はスシローを自分自身に挿げ替えた、被害妄想からくる復讐心から相手を追い詰めようとしているわけで、スシロー擁護は二の次なのである。
「追い詰める」というバッシング行為は、「コロナによって追い詰められた」という大衆心理の反発でもあるので、いかにコロナ問題が根深いかが、このような炎上案件からも反射的に読み取れるのである。

世間からのバッシングは、世の「善悪の分別のつかない人」に対し、「これは悪い行いだ」と知らしめる機能もあるが、卒業アルバムの晒し上げに始まる身元特定行為はどう見ても行き過ぎであるし、このような過剰な晒し行為は吊るし首のようでもあるので、それは下品で野蛮な行為に他ならず、全く賛同できるものではない。

社会心理とはよくしたもので、ある思想が拡がるとそれを抑制しようとする思想も出てくるのである。何人かの著名人は炎上に対し反発の声をあげている。しかしその内容は「もっと悪い事があるのに小さい事件を叩くのはおかいい」と事件を薄めようとするものであったり、「これ以上叩くのはやめようよ」と感情論で訴えたり、「みんなもミスをしている」とミスの有無に着目し問題の質を見なかったりと、理由としては弱いようにも思える。
大きな炎上に対し立ち向かうのは間違いではないが、炎上は感情論であるので、感情でぶつかるとさらに炎上しかねない。理屈で封じ込めるにしても上の例では足りないだろう。ヤフーのコメント欄には批判ばかり集中している。

加害者である「炎上被害者」は高校生のようだ。炎上により高校生ばかりかその家族も瀬戸際に立たされているだろう。恐らくはまだ若い世代である家庭を過剰な集団バッシングで追い詰めようとは無粋にもほどがあるとしか思えない。一体彼らはどこまでを望んでいるのだろう。事件加害者の自殺?社会的抹殺?家庭崩壊?一家心中?これらが起こったとしても「ま、仕方ないよね」で笑ってしまうのだろうか。一体何をすれば赦されるのだろうか。

専門家は「事業継続が大事」「守られるべきは被害者」「企業は厳しく対応すべき」と企業側の姿勢を賞賛するが、加害者側への配慮に全く欠け、炎上に対して火をくべる行為にしかなっていない。自分の発言がどのような影響を与えるのか考慮していないのではないだろうか。そればかりか、バッシング側の応援を受け承認欲求を満たせるとでも期待しているのではないか。
歪んだ正義の暴走という意味では、今のロシアと同じ部類でもあるだろう。何々が大事~などは、どのような理由であっても、人を追い詰める理由にはなりえない。

スシロー側に過失はないのだろうか。通常、飲食店には管理者が存在する。店内で事故や事件が起きないようにするためだ。「全ての湯呑みの洗浄と醤油ボトルの入れ替えを余儀なくされた」「被害店舗とその近隣店舗で店内の専用コーナーから食器類や調味料を持って自席まで移動するセルフサービスを導入する」「テーブル席と提供レーンの間に一部アクリル板を設置する工事を早急に行う」とあるが、通常存在する管理者がチェックをしていれば全ての入れ替えなど不要であるし、セルフサービスや工事なども必要なものではない。
スシローはタブレットやセルフレジなどで無人化を進めているが、管理者まで無人化しているとしたら重大な過失があったと言わざるを得ない。「余儀なくされた」は自己責任でしかないだろう。このようなものを被害額に算定するのは無理があるだろう。

加害高校生には故意過失がある。しかしスシロー側にも重過失がある。過失相殺はされて然るべきである。しかし専門家は「企業対応は間違いない!」と太鼓判を押す。世間もヒステリックに「加害者が全て悪い」のノリである。第三者的な立場(そもそも筆者は回転寿司にいかない)からすれば異常としか見えないのである。

人は心に余裕がないほど他人を許せなくなるものだ。「今日も誰かを叩いてやろう」とネットを漁ろうとする人は自分の心の貧しさに気付いてほしい。もっと心を豊かにしてほしい。

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