ポルノ作品と精子減少問題の関連について。

アダルトビデオは性犯罪を抑止する、という意見があります。以下の画像は怪しい児童ポルノ規制法案というサイトからの転載です。

fig1
fig2

ポルノが性犯罪の代替手段になりうるわけです。ポルノは何らのリスクを負わず、何らの労力もかけず、性的な満足を得る事が出来ます。スッキリしてしまえば性犯罪をしようとする動機が薄れるのも道理というものです。
「AVを真似して犯罪をしよう」とする向きもあるでしょうが、それはごくごく一部である事が容易に推測出来ます。もしそれが一般的であるならば、ポルノの普及と共に性犯罪は増加するはずだからです。しかし規制によって増加する事がグラフからは読み取れます。

さて当Noteは「ポルノは性犯罪を抑止する!素晴らしい!」というものではなく、それより一歩踏み込んだ、「ポルノは精子を減少させているのではないか」という検証の場にしたいと思います。

まずは精子が減少しているという記事。

5年前の研究は、2017年7月25日付けで学術誌「Human Reproduction Update」に発表された。それによると、北米、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドの男性の精子を分析したところ、1回の射精に含まれる精子の数が1973年から2011年までに50%以上減少していたという。その後、同じ研究者が率いるチームが2014年から2019年までに公開された精子サンプルの研究結果を分析し、これを以前のデータに付け加えた。新たなメタ分析は、世界的な傾向を知るため、中南米、アフリカ、アジアを含め1万4233人分のサンプルを使用した。
すると、精子の総数は70年代に比べて62%減少していたことが判明。そればかりか、1年ごとの減少率は2000年以降2倍になっていた。この結果は、11月15日付けで同じく「Human Reproduction Update」に掲載されている。

ヒトの精子の減少加速 70年代から6割減、打つ手見えず

原典はこれっぽいです。
Temporal trends in sperm count: a systematic review and meta-regression analysis

どうやら1973年からの調査のようです。そして同時期にポルノ規制が解禁されています。以下はwiki。

1969年デンマークがハードコアポルノを合法化し、これを皮切りに1970年代から西側各国で「表現の自由」の名のもと、多くの国でポルノ映画に対する規制が解禁された[1]。1970年代に入ると、法規制の緩和により、アメリカ合衆国や他の多くの国々で「XXXレート(本格的ポルノと評価された)」映画の上映が許可され始めた[2]

アダルトビデオの歴史

fig1,fig2の「アメリカでポルノ解禁の動き」にも合致します。以下は平均精子濃度と平均総精子数の単純な線形回帰。

ポルノ規制の解禁から下降している事が分かります。

精子をつくるのは男性ホルモンです。生殖に関わるものであるから、性的な欲求と強く結びついています。単純に言えば、「女とやりたい!孕ませたい!」という欲求が精子を作るのです。

自慰行為はポルノがなければ想像の中でします。気持ちとして高ぶらないと射精しないので、一生懸命想像するわけです。しかしこの作業は内面的な抑圧と同じものであり、しかも想像しながらであるから自慰行為に集中しているとは言えず、満足があるとは言えません。女性への性的欲求を強くする事になります。

ところがポルノがあると、目の前に具体的な映像があるので想像する手間が省けます。想像より動きも声もリアルです。女性の身体の柔らかさ、官能的な声などを、映像を通して(疑似的にではあっても)体感出来ます。頭空っぽで済むわけです。ポルノ無しに比べて高い満足が得られる事は、女性であっても容易に分かるものでしょう。

高い満足が得られるということは、その分、女性への興味も低下すると言う事です。自宅で満足のいく筋トレが出来るのならわざわざジムに通わないというようなものです。ネットでニュースが見れるならわざわざ新聞を買う必要がないというようなものです。

女性への興味が低下すれば、男性ホルモンを出す理由も低下するので、精子の減少にも繋がるのは道理です。よって満足度の高いポルノがあるほど、精子の減少は加速するでしょう。
「女性が見つめると筋トレの効果が高まる」とも言われており、やはり女性の存在と男性ホルモンの分泌には密接な関係があると思われます。ただし、映像の中のAV女優が鑑賞者を見つめても同じ効果は得られません。性的な欲求は容易に満たせるからです。

近年ではAIを使ったエロ画像や動画も出現し、実写だと困難な描写も出来るようになり、より多様な満足を得る事が出来るようになりました。つまり自分の欲求に忠実に沿った作品を見る事が出来るのです。相手はAIだから、という罪悪感の低さからも、相対的に満足度を高めるでしょう。フィクションであっても、AV作品などでは多少の後ろめたさがあるものです。AIの出現により、精子の減少はさらに加速する事になります。

すると、精子の総数は70年代に比べて62%減少していたことが判明。そればかりか、1年ごとの減少率は2000年以降2倍になっていた。この結果は、11月15日付けで同じく「Human Reproduction Update」に掲載されている。
「数の減少速度は緩やかになるどころか、激しい落ち込み方です。減り方の程度としては全体的にほぼ同じと言えますが、近年に注目すれば加速していることがわかります」と、米ニューヨーク市にあるマウントサイナイ医科大学の生殖・環境疫学者で、論文の共著者でもあるシャナ・スワン氏はコメントする。

ヒトの精子の減少加速 70年代から6割減、打つ手見えず

2000年といえばインターネットでは普及が拡大していった頃です。

日本でこれなのだから、世界(特に先進国)ではより早く普及しているはずであり、それに合わせて、精子の数が調査にも表れるように、世界レベルで減少していった事が伺えます。

また、近年ではトランスジェンダーやクエスチョニングなど、男性らしくない性自認が増えてきました。これも男性ホルモンの減少が原因だとすると、デジタルデバイスの影響は男性の精神面を深く蝕んでいる事が分かります。

性自認の多様化は、それ自体は無害です。健康を損なうわけでもないし、一見して何らの問題もありません。しかし種の存続という観点からすれば、異性と交配する機会が損なわれるので大きな問題となります。しかし現代では個人の主張が強くなっているので(これもインターネットの弊害と言える)、性自認の多様化を抑制する働きが欠けているのも確かな事です。

性的な満足がいつでも出来ると言う事は、それ自体をしなくなることにも繋がります。「いつでも掃除が出来るから今はしなくてもいい」という理屈です(筆者はこのせいで掃除が出来ない)。性行為については「たくさんの女性と楽しみたい」という欲求もありますが、様々な女性が出演するポルノ作品ではその欲求を満たす事が出来ます。昨今では草食系男子の増加が指摘されていますが、ポルノ作品の影響も無視出来ないでしょう。

男性ホルモンとは闘争、積極、決断のホルモンです。男性ホルモンの減少はこれらの低下に繋がります。社会全体で男性ホルモンが減少しているとすると、社会全体で活気がなくなる事になり、ひいては社会の存続も危ぶまれるのです。それは少子化という問題だけでなく、経済的な縮小も意味します。日本はバブルの頃(1990年前後)が一番元気がありましたが、現状はいわずもがなです。

以上の理屈に沿えば、少子化対策(経済対策)としては一定のポルノ規制、特に違法な海賊サイトへの規制が必要です。「いつでも見れる」というのが最も問題なのです。AV新法では熟慮期間の長さから相当な規制となっていますが(筆者は違憲相当の悪法だと思っている)、海賊サイトを取り締まらない限りは何らの解決にもならないでしょう。

ただし、上記規制は性犯罪の増加にも繋がりかねず、注意する必要があります。

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