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褒め方で分かる三流スタンダップコメディアン

ニューヨークのコメディ業界の中で

3人のお気に入りコメディアンがいる

別に、世に出ている超有名人というわけではない

しかし毎回、出番を聞いては追っかけてしまう

彼らのショーに願うことはひとつ

ウケないショーを見たい

ショーがスベりやすい重い客であってほしい

通常のコメディアンに期待するのはウケだが、彼らのウケるショーは飽きるほど見ている

彼らのジョークを爆笑BGMと唄えてしまうほど毎回ウケて仕方ない

逆を見たい

コメディアンたるもの、ウケることを望まれているうちは三流

「あなたのスベるショーを見たい」

これこそ、ニューヨークコメディアンへの最高の褒め言葉

見たいのは上質な緊急事態の客いじり

そうそう見ることのできない

稀に起こる貴重品

もし見れたなら、最高、珠玉の客いじり芸

コメディアンは本来怠惰な人種

楽を好む

定型のネタ順でショーが終われるほど楽なことはない

荒れる条件がないと

わざわざ蔵出しはしない

酔っ払ったニューヨーカーが客席で不穏な動き

ついつい期待してしまう

奇跡のタイミングの出会えると、これ以上の興奮はない

この能力、毎回使わないとわかっているのに、この高い品質を保つとは

私のような三流コメディアンには、もはや意味が不明

こんな浮世離れしたコメディアンにまた出会えるかもしれない

もしかしたらと

どんな小さなショーでも探してしまう

100人くらい観客の大トリのショー

自分の出番はまあまあだった

同じショーの若手のコメディアンから一言

「スベってほしいって思ってました」

「客いじりをもっと見れたのに」

周りはなんと失礼なって感じだった

私だけには灌漑深いものがあった

この若いコメディアンはまさに昔の自分そのもの

4人目を探す前に

知らないうちに

自分もスベりを期待されるコメディアンになったいたのか

「つまらない英語はもうイヤだ日本人用LINE」
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