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理解できないナマズの収集癖

私は多趣味です。

恐らく、趣味を多く楽しむ人間としてこの世に生を授かったのではないか、というくらい趣味をたくさん持っています。

そして、どの趣味もナマズ(=旦那)から応援され、理解され、面白そうだねと肯定される人生を送ってきました。

なんて幸せ者なのだ…とナマズのありがたみを感じている一方で、私自身はナマズの趣味を心から理解しているのか?そんな自問自答を始める月曜日であります。

自問自答の末、見つけてしまいました。”理解できない”まではいかなくとも、私のスタイルと反する趣味。

それは、ナマズが毎週月曜日にジャンプを買うことです。

結婚前、一人暮らしをしているナマズの家に遊びに行った時のこと。部屋のある光景に開いた口が塞がりませんでした。

部屋の片隅に高く積み上がる少年ジャンプ。毎週毎週買っていることが明らかで、ジャンプタワーは地震で崩壊するのでは、という高さまで建設されています。

せめて本棚へ収納してくれればいいのですが、整理整頓が苦手分野のナマズ君は、大好きなジャンプを平積みにしていました。自分の家ではないのに、私は少し怒ってしまいます。

「ずっと捨てずにとっておいたら、いつかジャンプで部屋が埋もれるよ!」

私はその時すでに、ナマズと一緒に暮らすことを想定していたため、毎週一冊ずつジャンプが部屋に増えるのは耐えられないと思ったのです。ジャンプだけにとどまらず、いろんな少年漫画も床に積み重なっていました。

ナマズがナマズ顔になってもお構いなしに、本当に紙で買う必要があるのか?読んだら処分すればいいのでは?などを問い出した記憶があります。

ナマズは「ジャンプは僕の友達なんだ!一人暮らしの時は許してくれ!」と自分の趣味を主張し、その日は本棚にジャンプや漫画を収納して休戦をしました。

いざ、一緒に暮らすときがやってきます。ナマズのジャンプ収集癖をどう受け止めたらいいのかと悩んでいたところ、

「ジャンプはもう買わないよ、『ジャンプ+』でジャンプがスマホで読める時代になって本当に良かった」と電子媒体へ切り替えることを報告してくれました。

そして、あの平積みになっていたジャンプを資源ゴミとして出し、一冊たりとも新居には持ってこなかったのです。そのほかの少年漫画も、新居ではなく実家へ送ったようでした。もっと戦争が続くかと思いきや、ナマズは私が漫画の収集癖を嫌うのを理解してくれて、趣味への折り合いをつけてくれてました。

「君がいった通り、一回読んだジャンプを読み直すこともないから、処分してもいいことに気がついたよ」

ナマズの愛と成長を感じざるを得ません。その後も、ナマズのジャンプ+への愛は変わらず、毎週月曜日はウハウハしています。

結婚して2年が経ち、紙媒体のジャンプが家に全くないかというと、実は2冊だけ本棚に入っています。

「今回のジャンプの表紙がカッコいいから欲しい!」と、ナマズの懇願により、我が家に2冊だけジャンプをお迎えしました。

私としては、表紙が欲しくて買ったなら、表紙だけ切り取ってファイルに保存すればいいじゃん…と本音では思っています。2冊ですらかさばるな〜という思いが隠せません。

しかし、ナマズは「ジャンプそのまま保存したいんだよ!!」と強い主張をしてきたため、分厚い冊子が2冊、本棚に並んでいます。

珈琲次郎さんの参加記事を経て、これだけ自分は趣味を許容してもらえているのだから、ジャンプくらい快く許してあげたいと思う気持ちが沸きました。

ただ、一瞬にして、部屋が漫画やジャンプで溢れかえるのは、精神的に耐えられないので無理だわ、という結論に至ります。

いつかナマズ専用の大きい書斎ができたら、好きなだけジャンプや漫画を買って欲しいと思いました。その頃にはわたしも、大好きな小説を並べられる大きい書斎をゲットしたいです。




前回の夫婦エッセイはこちら。

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