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自分でコントロールできないものには反応してはいけないという人生の教訓

こんにちは。りおです。
いつもお読みいただきありがとうございます。

最近、「noteの更新を楽しみにしています」「有益な情報をありがとうございます」というお言葉をいただくことが増えました。
記事を書く励みになります。本当に嬉しいです。ありがとうございます。

今回は「自分でコントロールできないものには反応してはいけないという話」というテーマで記事を書きました。
私は、発達障害・不安障害を抱えており、他人より出来ないことが多くメンタルを崩しがちです。
そんな私がなんとか自分のできる範囲で人生を改善していくために心得ていることをお話したいと思います。


この記事は、これらの何れかに当てはまる人におすすめです。
✔︎ 人生をより良いものにしていきたい
✔︎ ストレスを感じやすくメンタルの強さに自信がない
✔︎ 人間関係で疲弊しがちである
✔︎ 何かと自責思考が強い
✔︎ アドラー心理学に興味がある


1.自分のコントロールできることに集中する


私が大事にしているのは、「自分のコントロールできることに集中する」ということです。

順を追って説明していきます。

私たちを取り囲む世界は様々な事象で満ちています。
しかし、実は大きく二分することができます。
それは「自分のコントロールできないもの」と「自分のコントロールできるもの」という分け方です。

「コントロール」とは「制御」、すなわち「自分の力によって変えることができるもの」を指します。


イメージしやすいようにそれぞれ例をあげてみましょう。

「自分のコントロールできないもの」は、過去・天気・他人・病気などです。
過ぎてしまった過去はどう頑張っても変えられないし、天気も自分の力では変えることができません。
他人は、変えられないことはないですが、変える(自分の思い通りの人になってもらう)には莫大なエネルギーが必要です。
病気もどうすることもできません。体調に気を配っていてもある日突然病気になることもあります。

一方で、「自分のコントロールできるもの」は、自分の言動、自分の感情、今日の行動、自分の未来などです。
今この瞬間の自分の発する言葉や行動は変えることができますし、自分の気持ちは変えることが確かに難しいものの、完全に変えることができないわけではありません。
今日のこれからのプラン、さらに中長期的な未来は、自分の選択次第でどのようにすることも可能です。

世界の大部分はコントロールできないものばかりです。
一方で、自分に関わること(自分の言動・自分の感情・自分の未来)は、自分のコントロール下にあり、変えることが可能です


ここで「自分のコントロールできるものに集中する」という私の主張に戻りましょう。
自分のコントロールできないものではなく、コントロールできるものに注意を向けるメリットは大きく2つあります。

① メンタルが安定する

一般的に、人は自分でコントロールできないことを考える際にストレスを感じる、と言われています。
コントロールできないものは、そこに注意を向けることで自分から余計なエネルギーを奪います。
また、コントロールできないものは私たちに対して不安や恐怖を抱かせます。
「自分に対して危害を加えるリスクがある。それは自分の力ではどうにもならないかもしれない。」という、本能的な恐れがあるからです。

② 時間やパワーなど有限の資源をフル活用できる

時間や自分のエネルギーは有限です
コントロールできることに資源を投入すれば、自分の周りの事象はより改善していきます。
また、私のnoteではよくお話していますことですが、実は自分の注意力も有限です。
(注意資源という考え方があります。詳しくは「ミニマリストのススメ」をご覧ください。)
自分のコントロールが及ばない余計なことに意識を向けてやきもきするくらいであれば、自分で変えることができる物事に意識を向けるべきです。

以上の2点から、「自分のコントロールできることに集中する」ことが重要です。
過ぎ去ってしまった過去は変えることができない。
それなら過去を悔やんだりせずに、気持ちをパッと切り替えて、今出来ることに集中する方が自分にとって確実に利があるはずです。



2.アドラーの教え「課題の分離」


「コントロールできることに集中する」ことの重要性を人間関係という視点から考えるために、アドラーの有名な教えについて紹介します。
アドラーはフロイトとユングと並び、「心理学の三大巨匠」の一人と言われています。
「人は幸せになるために勇気を持つべきだ」という思想のもとに「目的論」や「共同体感覚」といった有名な技法的な価値観を生み出しました。
(岸見一郎さんの『嫌われる勇気』で有名になりましたよね)
アドラー心理学の有名な教えに、「課題の分離」という考え方があります。

課題の分離とはわかりやすく言ってしまうと、人間関係のトラブルが起こったときに、それは自分の課題なのか、相手の課題なのか、を切り分けて考えるというものです。
「その課題の責任を負うのは最終的に誰か」という質問を常に考慮します

そして、お互いに相手の課題に踏み込まないことがポイントになります。

『嫌われる勇気』の中で紹介されていた例を取り上げます。
母親と子がいたとします。
母親は子に勉強をするように毎日言い聞かせていました。子は勉強嫌いで全然勉強をしてくれません。
母親は、子の将来を案じながら勉強することの重要性を丁寧に子に説明します。
しかし、どんなに説明しても子は勉強をしてくれません。
最終的に、どんなに言い聞かせても勉強をしない子に母親は神経をすり減らしてしまいます。
これは、課題の分離ができていない例です。

勉強をしないことで将来的に困るのは母親ではなく子です。
つまり、最終的に課題の責任を負うのは子であって、母親ではありません。
母親は相手の課題に踏み込んでいます。

課題の分離について簡単にご説明しましたが、これは私が心がけている「自分のコントロールできることに集中する」と通じるものであると考えています。
人間関係で神経をすり減らす人・ストレスを感じる人は、課題の分離ができていない状態、つまり自分でコントロールできないものに意識を向けている状態にあります
自分の言動に対して相手がどう反応するかは完全に相手の課題ということを忘れています。

自分の言動に対して相手に予想と全く異なるリアクションをされた経験がある人は多いと思います。
例えば、相手を慰めようと思って気遣いの言葉をかけたところ、「馬鹿にしないでよ!」「あなたは私の気持ちなんてわからない!」と、逆に怒られてしまうことが稀にあります。
この場合、自分の課題は気遣いの言葉をかけるところで終了していて、それに対してどのような感情を抱き、どのように反応するかは相手の課題です。
しかし、私たちは相手の課題に踏み込み、相手の反応に対してさらに怒りや悲しみなどのネガティブなリアクションで返してしまいます。
課題の分離ができている人は、相手の反応に、「反応しない」のです。
相手の反応はコントロールできない、だからこそ予想外の反応が返ってきたとしても不必要に意識を向けない。
これが人間関係で疲弊しないために重要です。



ちなみに、「自分のコントロールできるものに集中する」という考え方は、実はベストセラーとなったビジネス書『7つの習慣』(スティーブン・コヴィー著)でも触れられています。
コヴィーは私たちが持つ様々な関心ごとを「関心の輪」という巨大な集合体で表しました。
そして、意識の輪の中に「影響の輪」があります。影響の輪は、自分が影響・コントロールができる事柄の集合体です。
そして、影響の輪に対して主体的に人生の貴重な時間やエネルギーを注いだ方が、望む結果に近づくと説いてます。


このように、「自分のコントロールできるものに集中する」という考え方は、古今東西多くの偉人や心理学者・哲学者が主張しています。


余談ですが、私は不倫など芸能人のゴシップのニュースに腹を立てている人を見るとモヤモヤしてしまいます。
確かに週刊誌やワイドショーは、それを狙ってあえてセンセーショナルなゴシップを流しています。しかし、芸能人のゴシップは私たちの人生や生活と何の関連もありません。
影響の輪と意識の輪が実践できている人ならばむやみに反応しないでしょう。
(腹を立てることもエンタメやコンテンツとして楽しむことの一つと考えるならば話は別です)



3.どうすれば意識を変えられるのか


「コントロールできるものに集中する」よう意識を変えるにはどうすればよいのか、というより実践的な話に入ります。
それは、残念ながら、「努力する」としか言いようがありません。
そして、意識を変えるには並々ならない努力が必要です。
しかし、「完全に不可能」なわけではありません。努力次第で意識は変えられます。
ちなみに、習慣化には3週間が掛かると言われますが、考え方を変えるには半年間掛かると言われています。


おすすめの方法を2つご紹介します。

①ジャーナリングによる振り返り

ジャーナリングとは頭に浮かんだことや思ったことを紙に書いていくことをいいます。自分と向き合うために非常に重要な作業で、自己の客観視を助けてくれます。
毎晩たった5分でいいので、今日あったこと・今日考えたことを紙に書き出しましょう。
そして、書いたことを「自分でコントロールできること・できないこと」に分類しましょう。
例えば、「寝不足のせいで仕事で失敗した」「電車が遅れて商談に間に合わなかった」と書くとします。
これを分類すると、寝不足による仕事の失敗は「自分でコントロールできること」(前日に早く起きれば良い)、電車の遅延による遅刻は「コントロールできないこと」になります。
こうして些細なことでも分離する作業を寝る前に行なっていきます。
続けていくうちに、日常生活においても自然とコントロールできること・できないことを意識的に分類する癖がついていきます

私はよく仕事で失敗すると、その要因をなるべく多く、分解しながら紙に書き出しています。
例えば、「自分がマニュアルを十分に確認しなかった」「ダブルチェック制度がなかった」「業務を他にも振られすぎていた」などです。
そうすると自分に起因する要因(コントロールできるもの)はマニュアルの確認不足のみということがわかり、それ以外の要因は全ては自分でコントロールできないものとなります。
こうして、対策すべきポイントを導き出すことで、「全ての自分のせいだ」という風に必要以上に自責思考になることを避けています。


②瞑想

私のnoteを読んでくださっている方にはお馴染みですが、瞑想でメタ認知を向上させることで、自分を客観視することができるようになります。
(本題から外れるので、瞑想のやり方や「1日に何分以上行うべきか」という詳しい説明は割愛します)
瞑想を実践すると、脳の構造が変わり、自分を客観視するための脳機能が向上します。
そして、「自分が今、何に対して反応しているのか」「自分は今、コントロールできないものに反応している」といった感じで、その瞬間ごとに自分の思考や言動客観的に見れるようになります
こうして、コントロールできないものに反応するという無駄なエネルギーが省かれていくのです。



4.ニーヴァーの祈り


最後に、有名な「ニーヴァーの祈り」をご紹介します。
「ニーヴァーの祈り」は、アメリカの神学者ラインホルド・ニーヴァー(1892-1971)が教会で行なった説教のなかでの祈りのことです。
英題は「Serenity Prayer」であり、日本語では「平静の祈り」「静穏の祈り」と呼ばれることも多いです。

神よ
変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、
変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。

訳:大木英夫


「ニーヴァーの祈り」には、人生を豊かに送るためのエッセンスが詰まっている気がしています。
私はこの祈りを初めて知った時に感銘を受け、これを「人生の指針」にしようと決めました。
「指針」とまではいかなくても、皆さんに生きるうえでのヒントを与えてくれると思います。

私は「識別する知恵」という言葉が好きです。
これは上で述べたように物事を客観的に見る訓練によって高めることができます。
一方で、この祈りを心の中にしまっておくだけでも、少しだけ穏やかに過ごせるような気がします。



5.おわりに


いかがでしたか。
今回は「人生をより良く生きるために心がけているたった一つのこと」についてご紹介させてもらいました。

自分でコントロールできないことに反応し振り回され疲弊するのを減らしていきましょう。
少しずつ心穏やかに過ごせるようになるはず。
代わりに自分でコントロールできる・変えられることに注力していきましょう。
自分の人生が少しずつ良くなっていくはず。
そして、コントロールできるものかどうかを見極める知恵をつける努力も忘れずにやっていきましょう。

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最後までお読みいただきありがとうございました。



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