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「編集の仕事」が思ってた150倍むずかしくて、インターン先で打ちのめされている話

文章を書くことには少しだけ自信がありました。

いや、ほんとうは少しだけじゃなくて、まぁまぁ自信があったんです。

150いいねのnoteを書いたこともあったし、今回のインターンだって10倍以上の倍率をくぐり抜けて、採用してもらいました。

「文章を書くこと」「わかりやすく何かを伝えること」は得意だと思っていました。

バズるnoteの秘訣を知りたくて

ぼくは今年の8月から、株式会社WORDSでインターンをしています。

WORDSは「編集者の視点」から経営者の言葉をnoteにまとめ、会社のブランディングをする会社です。

ただ正直なところ、よく知らない会社の創業秘話とか会社のビジョンとか、たいていの人は興味ないはずです。

それなのに、WORDSが編集したnoteには、1,000や2,000もの「いいね」が付くんです。

なぜそんなことができるんだろう。どんな秘訣があるんだろう。

その技を盗んでやろうと思って、インターンに応募しました。

自信は見事に砕け散った

なんとか選考をくぐり抜け、働きはじめたのが今年の8月。それから約4ヶ月が経過しました。

このnoteを書いている今、ぼくの自信は見事に打ち砕かれています。

何か強烈な出来事があったわけでも、先輩から辛辣なフィードバックをもらったわけでもありません。

インターンする中で「伝わる文章を書くこと」のむずかしさを、思い知らされているのです。

こんなに一字一句にこだわらないとダメだったのか

最初におどろいたのは「一字一句に、信じられないほどこだわっていたこと」でした。

・漢字で書くべきか、ひらがなで書くべきか
・文末の口調が「〜です。〜です。」と連続しすぎていないか
・1センテンス、1メッセージになっているか
・接続詞の使い方は合っているか
・上から下まで、1回でスッと理解できるか

多くの人に読まれる文書を書くためには、興味をひくタイトルをつけたり、新しい切り口を見つけないといけない。

でもそれは「読みやすい文章」という基礎があってこそ。まずこの事実を突きつけられました。

1文が長かったり、言葉づかいに違和感があったりすると、読者は無意識にストレスを感じてしまう。それが続くと、どんなにおもしろそうな文章でも、読むのをやめてしまう。

わかりやすい文章を書くことには自信があったけど、全くダメダメでした。先輩から何度もフィードバックをもらって、基礎からたたき直しています。

スルスルと最後まで読んでしまう文章の裏側には、ここまでの熱意とこだわりが隠されていたんだと驚きました。

「読み手目線」で書こうと思っても、ぜんぜん書けない

竹村俊介『書くのがしんどい』より引用

書き手が「書きたいこと」と読み手が「読みたいこと」には、大きなズレがあるんだよ。

編集者の仕事は「読み手目線」に立って、その重なる部分を大きくしていくこと

読み手の目線に立って「編集」することで、多くの人に届くコンテンツにしていくんだよ。

インターンをはじめてすぐの頃、先輩に教えてもらった「編集者の心得」です。

これはぼくにとって、大発見でした。

それまでのぼくは、「自分の書きたいこと」をわかりやすく表現することばかり気にしていたんです。

「自分の書きたいこと」と「まわりが読みたいこと」に重なる部分がなければ、いくら表現にこだわっても、そもそも読んでもらえない。

自分に欠けていたのは「読み手目線」だったんだと気付いた瞬間でした。

これに気付いたとき、正直「勝った」と思いました。
「読み手目線を意識すれば、もっとすごい文章を書けるようになるぞ」とテンションが上がったんです。

でも、「わかる」と「できる」はちがいました。

読み手目線に立つことの重要性は理解できたけど、読み手目線に実際に立つことはできなかったんです。

「読み手目線」を必死に意識しようとするけど、思いっきり空回りする日々が続きました。

そんなとき、ふと先輩がこんなアドバイスをくれたんです。

きら君は、ドラマとか映画とか見たりする?
原稿ばかり見てても、なかなか上達しないよ
もっとエンタメに触れてみるといいかも

たしかにオフィスでは、こんな会話が飛び交っていました。

「今週の silent みた?」
「チェンソーマンの第1話、激アツだったよね」
「すずめの戸締まり、みた?どこが印象に残った?」

もちろんプロとして仕事に向き合っているから、ピリッとした空気はあります。でも毎日30分くらいは、こんな話をしているんです。

人気のドラマや映画がよく話題に上がるし、好きな漫画や音楽の話もします。バズっているツイートについて、盛り上がったりもします。

そういったエンタメやカルチャーへのアンテナが、伝わる文章を書くためには大事だと教えてもらいました。

そんな視点はまったくなかったから、目からウロコでした。

読み手目線に立ちたいなら、「世の中で何が流行っているのか」「なぜ世間に受けているのか」に敏感になったほうがいい。

ほんとにその通りだなと思ったので、最近は映画やドラマをたくさん見ています。

映画館にも久しぶりに行ったし、サブスクでもいろんな作品を見ています(みなさんのおすすめ、ぜひ教えてください!!!)。

「魔法」がなかったからこそ、絶望的だった

なぜ1,000や2,000もの「いいね」がつくnoteを生み出せるのか。
ぼくは、その秘訣を盗んでやろうと思っていました。

でも、秘訣なんてありませんでした。

ぼくがnoteを書くときと同じように、先輩方も悩んでいたんです。むしろ、ぼくの何倍も何十倍も試行錯誤を繰り返していました。

魔法なんてなかったからこそ、絶望的でした。

門外不出の「秘伝のタレ」があって、そのおかげで成果が出ていたほうが心は軽かった。でもそんなものはなく、ぼくと地続きの世界にいた。土俵は同じなのに、ここまで成果が違ってしまうのかと絶望しました。

全く歯が立たなくて悔しい。でもだからこそ…

自信は砕け散り、すべてにおいて力不足を感じる毎日です。

クライアントの経営者さんに取材をする。そこで得られた情報から、多くの人に届くコンテンツをつくる。

文字にしちゃうと簡単だけど、とてつもなく奥深い世界が広がっていました。

「伝わる文章を書くことのむずかしさ」「編集のむずかしさ」を体感している真っ最中です。

だけど、この挫折を経験できてよかった。

「インターン生」という立場をもらえたから、プロの世界に足を踏み入れることができました。

「伝わるように書く」ためには、どれほどの努力と経験を積まないといけないのか。その遠い道のりがわかりはじめたこと自体、大きな価値があると感じています。

それに、このインターンはぼくの人生において必要なステップなんです。

ぼくは「地方の魅力やチャレンジを、ことばで伝える人」になりたい

社会にとって意味のあるチャレンジだけど、うまく世の中に届いていない。そんな事業が、とくに地方にはたくさんあります。

ぼくは現場に入って一緒に汗をかきながら、外に向かってわかりやすく発信できる人間になりたいんです。

より多くの人に思いが伝わり、もっとサポーターが増えれば、世の中はさらによくなると信じています。

ぼくは自分の人生をかけて、この夢を実現していきたい。

ちょっと自信が打ち砕かれたくらいで、立ち止まってちゃもったいない。

むしろもっとあがいて、早く「文章のプロ」になりたいと思っています。

インターンをはじめて、まだ4ヶ月。しつこく食らいついていきます。

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