オスプレイと沖縄~矛盾~


オスプレイの安全性は?

 2023年11月、屋久島でオスプレイの墜落事故が発生。乗員8名の死亡が認定された。オスプレイは過去にも墜落事故を複数起こしており、果たして開発段階から安全性を担保できていたのだろうか。
 2022年にカリフォルニア州で起きた墜落事故後、米軍(V22統合計画室)および海兵隊は機器を交換することでリスクは99%減少したと発表。しかし、99%という数字に対する根拠が薄く、遺族らに厳しい批判を浴びていた。

生産停止の噂

 なお、オスプレイは2026年までに生産を終了すると噂されている。米軍側は新たな機体を購入する必要がないからと主張しているが、実際は機体の維持費に膨大な資金が必要であるからだと指摘されている。また、日本以外の同盟国がオスプレイを導入せず、米国外への販売による当初の利益が見込めなかったことも影響している。
 その一方で、軍需産業の利益と製造工場がある地元の雇用を重視するため、オスプレイの製造が今後も続くかもしれないという見込みもある。

事故が屋久島でなく沖縄だったら…?

 今回の事故は沖縄ではなく屋久島で起きたが故に、日本国内で注目を集める形になったのではないか?と筆者は指摘している。その理由は、沖縄では過去に墜落・大破する事故が発生したり、飛行中の機体から落下物が確認されたり、緊急着陸が繰り返されているという事象が複数あった。それに対して県側が抗議の声を挙げているにも関わらず、日米両政府は真摯に取り上げてこなかったからだ。

矛盾

 先述のように、オスプレイは生産停止が噂されているが、米軍は2050年代まで運用を継続する計画を立てている。日米の政治家が中国の脅威を強調し続けるなか、オスプレイは今後も沖縄と日本の空を飛び続ける。果たして脅威はどちらのほうか。

引用

平安名純代(2024).オスプレイ生産停止へ―放置され続けた欠陥
『世界 2024年2月号』より引用


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