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【ショートエッセイ】あんなことしなきゃよかった

ずっと成績は良くなかった。
でも勉強は人一倍やった。
医者になりたいという夢があったから。

中学2年生の頃だったかな。
定期テストで国語、社会、数学、科学、英語の5教科で平均80点、合計400点取ることをお袋と約束した。
お袋は応援してくれて、ぼくは必死に頑張った。
しかし結果は400点に1点足りない399点だった。
お袋は落胆するぼくを近所の中華料理屋に連れて行ってくれた。
ラーメンと餃子をご馳走してくれてた。
ぼくは少し気が引けたけど、それを平らげた。400点だったらお互い気持ちよく食べられたのに。

そしたら"焼肉も食べようか"って。
嬉しくて嬉しくて、お腹いっぱい食べてしまった。
お袋はお肉に一度も箸もつけなかった。
今から思えば、お金もないのに無理してくれたんだよな。

ほんとはね。399点じゃなくて400点だったんだ。
最後に戻ってきた国語のテスト結果で先生が採点ミスしてて、400点にならなくなるってわかってたけど、迷って迷って迷った挙句に先生に自己申告したんだ。
1点引かれてしまった。
あんなことしなければ・・・、もっと喜ばせてあげられたのに。



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