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【ショートエッセイ】孤独とは・・・経験した人にしかわからない

ぼくは孤独という感覚がよくわかっていない。
ずっと家族と暮らして来たからだろうか。

ぼくは単身赴任をしたことはあるが、会社に行けば同僚がいたし、たまにはお酒も飲んだ。
マンションにいるときは一人だったが、パソコンをいらったり、一人でふらっと出かけたりして、お気楽にやっていた。
それに2週間に1回は帰省していたし、一人が寂しいと思わなかった。

現代の世の中であれば、人と接触することは簡単だ。
犯罪に巻き込まれるようなことは除いて、SNSという便利なアイテムもある。
全く誰とも接触しないなんてあり得ない。
では、なぜ孤独という言葉が存在するのだろうか。

無人島で物心ついた時から一人で生きて来た人は、たぶん孤独なんて感じないのだろう。
人と接触したことがないし、一人で生きてることが当たり前になっているからだ。

単身赴任をしていたぼくが、誰とも接触しない生活を強いられていたらどうなっていただろうか。
誰とも話しをせず、家から出ず、仕事だけをさせられていたら・・・。
たぶん頭がおかしくなっていただろう。

ぼくは基本的に人があまり好きではない。
しかしそれでも頭がおかしくなっていたと思う。
世の中で自分一人になってしまったと錯覚してしまえば、家族との楽しかった思い出に苛まれ、生きていく意味を見失い、絶望と葛藤しなければならない。

そう、孤独とは未来への絶望と一人で戦うことだ。
たぶん一人じゃ勝てっこない。
人は人と関わって来た蓄積がある。
人に支えてもらって来たから生きてこられた。
それが未来へ飛び込んでいく原動力だった。
それが一切なくなれば、後は不安しか残らない。

ぼくは孤独を感じられなかったんじゃない。
そうならないように、周りの人に支えてもらっていただけのことだったんだ。


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