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デビュー作が発売されて一年が経ちました

2022/11/24にシャレード文庫様より「君の運命になれたなら〜初恋オメガバース〜」が発売され、1年となりました。
実際にこの作品を書いた頃から2年以上経ってるのですが、記憶が完全に消えないうちに、これを書くに至るまでの創作歴や、裏話を書き留めておこうかなと思います。
今更かいという感じもあるのですが、お付き合いいただけると幸いです!

創作歴

子供の頃から物語を読んだり観たりするのが大好きで、自分で妄想するのも大好きでした。
一番好きなのはごっこ遊び。人気アニメとかパパママごっこより、自分が考えたオリジナルのストーリーやキャラで遊ぶのが好きでした。
付き合わされた友達は大変だった思います。誰も見てないと思いますがお詫び申し上げます。

隙あらば妄想してる子供だったので、物心つく頃には漫画やお絵描きで頭の中の物語を表現しようとしていました。
一部はいまだに実家に残っていて、以前ちょっと読み返したのですが、その時読んだのはカービィの亜種みたいなキャラが殺人事件を解決する話でした。
もちろん意味がわかりませんが楽しかったことは覚えています。

最初は漫画だったのがいつから小説になったのかははっきり覚えてませんが、文章が書けるようになってからは、多分お話を描くのにへたくそな絵より字の方が手っ取り早いと思ったのでしょう。
最初はノートに書き綴り、小学生の頃には親からWordの使い方を教わってパソコンで小説を書いてました。
内容は当時読んでいた児童文庫のほぼパクリみたいなもんでした。(その時好きな小説漫画ゲーム映画等々に影響されまくるのは今も変わってません……)

中学生くらいにかけては特にファンタジーが好きで、書くのもそういう系統が多かったのですが……ほとんどが設定だけ、あるいは冒頭だけで挫折。
でも楽しいからまた新しいのを思いついては書き、挫折し、また新しい話を妄想し……というのを延々繰り返してました。
それまで書いたものはほとんど誰にも見せたことはなかったのですが、ネットに投稿の場があることを知り、高校生くらいから小説家になろうに投稿を始めました。
全然ランキングに載ることもない弱小物書きでしたが、評価をもらったりたまーに感想をもらったりするととっても嬉しかったものです。
まあほとんどエタってたけどね!

ちなみにこの頃は全くBLに興味がなかったので、普通の男女の恋愛ものとか、バトルものとか書いてました。

ところが大学生になる頃、とあるきっかけでBLにハマり、主に漫画ですが二次創作も商業も、のべつまくなしに読みあさりました。
一方で自分が創作することはなくなっていきました。ちょこちょこお話を考えたり短編を書いたりはするものの、以前のようにパソコンの前に何時間も座って小説を書くということはなく……
バイトを始めてある程度お金が自由になったのもあり、創作以外の楽しいことで忙しくなったのが大きいかもしれません。

就職してからはますます創作から離れました。
慣れない仕事でいっぱいいっぱい、オタクらしいこともたまにアニメを見たり漫画を読むくらい、小説は時間も気力もいるので読むことすらなくなり。

それでも「小説を書きたい」という気持ちはどこかに燻っていました。
今でも覚えているのですが、会社のトイレで「男同士のラブやすけべを書いてお金をもらえたら最高では?」というナメた気持ちがふと起こり、BL小説の新人賞を調べたことがありました。BL小説書いたことないのに。

その時発見したのがディアプラス小説新人賞のホームページでした。
それをきっかけにBL小説の執筆を始め、公募生活……とはならず。
今までなろうでダラダラ書いてただけなので、上限である原稿用紙120枚がどれくらいかもわからないし、そもそも商業BL小説をあまり読んだことがなく、「いい感じの書けたら送るか〜」でその時は終わりました。
その程度の気持ちのうちは絶対書けないし送れない。

BL小説を書くに至るまで

その後転職を経て残業が少なくなったりして、生活に余裕が出始めました。

商業BL小説に沼ったのはそんな頃でした。
某中華ブロマンスドラマにハマった私は、「じっくり時間をかけて男同士の激重感情を味わいたい」という欲求がいつになく高まり、これまであまり触れてこなかった商業BL小説に手を出したのです。
「BL小説 おすすめ」で検索して出てくる作品を読み漁り、そこから作家買いしてさらに手を広げ……一時期小説を全く読んでなかったのが嘘のように、BL小説を読み続ける日々。

気づいたら自分でも書いてました。

久々に書いた復帰作(?)は上記のドラマの影響を受けまくってるしプロットも何もないしで見せられたもんじゃないですが、勢いだけで10万字。だが未完(いい加減にしろ)。
そんな感じで創作への情熱が再燃し、またネットへ、今度はムーンライトノベルズにBL小説の投稿を始めたのでした。

書き始めて数ヶ月経った頃、かつて会社のトイレで調べた新人賞のことを思い出し、ちょうど締切まで1ヶ月と少しあったので、応募の決意を固めました。
この時は商業デビューしたいとか明確な目的意識はなく、今までなんとなく書き続けて来たけど、自分が書いたものがどう評価されるのかわかったら(何次まで通過したか応募作品全て公開される形式なので)レベルアップに繋がるのではないか、あと締切や枚数といった制限下でどれだけ書けるのかやってみたい、みたいな気持ちがありました。

原稿を印刷し、応募用紙を書き、投函した時の達成感といったらこれまでになく、また絶対送ろう!と心に決めたのでした。
いわゆる脱稿ハイですかね。これを味わうために辛くても書いてるみたいなところはあります。

デビュー作の執筆

それまでは読者ウケとか構成とかあまり考えていなかったので、次はしっかり固めてから書いてみようと思い、書き始める前に創作指南本の類を何冊か読みました。
どれくらい活かせたかわからないけど、そこに書いてあった方法を参考にしてキャラを作成するなどしました。

さて今度はどんな話を書くか……そう考えた時、
「攻に人生めちゃくちゃにされた受が書きたい」
とふと思い浮かびました。

受は攻めのことをすごく敵視してて……でも攻は受のことが結構好きで……不可抗力で攻は受にめちゃくちゃ憎まれるような行為をしてしまって、最悪な別れ方したあと数年後に再会して……
みたいなざっくりとした流れは、キャラやプロットを作る前に思いついた内容です。この骨組みは最後まで変わらなかったな〜。
「めちゃくちゃ憎まれるような行為」について具体的にどうするか悩んだ時に、オメガバースにしてはどうだろうと思いつきました。
アルファであることに誇りを持っていて、それがある日突然変わってしまったら……そしてその原因が攻だったら……書きたいことこれで全部いけるじゃん!と。(オメガバース、人気ジャンルだから公募ウケ良さそうという打算もあり)

話の流れは割とすんなり決まったのですが、途中燃え尽きて筆が止まってしまいましたね。
確か、1ヶ月弱で一気に8割ほど書き上げたけど、クライマックス手前の展開が書けなさすぎて、その後1ヶ月くらい放置してました。
このまま書けなくなっちゃうのかな〜と思ってたところ、神みたいなBL小説を読んで創作欲が刺激され「書かねば!!」とテンションぶち上がって、2、3日で残り全部書いて勢いのまま投稿しました。
やはりBL小説は神……それにしてもムラありすぎ。

そうしてなんとか書き上がったのが、「君の運命になれたなら」です。
ちなみに投稿時のタイトルは「恋する月は花火の影」でした。
(タイトル考えるの下手芸人なのでずっと未定で、投稿のための応募用紙書く時に「あ〜タイトル決めなきゃ〜」と思いながら数分で考えた)

シャレード文庫の投稿募集は必ず講評がいただけるので、それを楽しみに待つこと数ヶ月。
その間に最初に応募した公募の結果も出て、そちらも講評がいただけたので、初めての評価を何度も繰り返し読みました。めちゃくちゃ細かく指摘をいただいて、すごく勉強になりました。
受のキャラがボロクソに言われているのですが(笑)、本当にもうおっしゃる通りという感じで今もたまに読み返します。

そして、ついに届いた封筒をどきどきしながら開けたら、「採用」の文字が。
しばらく固まりました。
採用ってなんだっけ……ん?本になるのか?まじで????

その後担当さんから連絡があり、どうやら本当に本になるらしいとわかり。
送った作品は、これまで書いた中で一番おもしろく書けたという思いはあったのですが、まさか採用に繋がるとは思っていなくて、驚きすぎて一周回って冷静になりました。

そんな感じで書籍化に向けて形を整え、できたのがこちら。

お前が好きだから、運命にしたかった

アルファ同士の淡い初恋は予期せぬ破綻を迎え…。運命の番を信じる隠れロマンチストアルファ×プライド高い努力家オメガの紆余曲折ラブ。

高校の入学式で映月を初めて見た瞬間、朔のアルファとしての自尊心は打ち砕かれた。新入生代表の映月は、あまりに完璧なアルファだった。敵愾心を抱く朔に、映月はなぜかなついてくる。いつしか友人関係となり、迎えた卒業式。急に様子がおかしくなった映月に襲われ、無理やり抱かれてしまう。朔はオメガに変転していたのだった。そのまま別々の人生を送り、七年が過ぎた頃。朔が勤める会社にやってきたのは、忘れもしない映月だった──。

改めて読むと、私の性癖を詰め込んだ作品だな〜と思います。
シリアス、強気受、再会などなど……あと、攻は一回は受に振られて欲しい。
振り返ると、受に振られる攻という要素は今まで書いたBL小説ほぼ全てに入ってたんですよね。気づいてなかったけど、自分これめっちゃ好きなんだなあと。

朔も映月も、とても思い入れ深いキャラです。
話の展開上、気楽なイチャイチャをあまり書くことができなかったので、今度書いてみたいです。
また、読んでくれた人から、堀川や眞琴などのサブキャラが好きと言っていただけたのも大変嬉しかったです。いずれ彼らのストーリーも書きたいな。
特に眞琴のお話はいつか絶対書きたいと思ってて、彼の過去は頭の中にはあるんです。いざ書くとなったらめちゃくちゃカロリー使いそうなので、踏み切れていないのですが……

そんな感じで、デビュー作が発売されるまでのお話でした。
長々とお付き合いありがとうございました。読んでくれた人いるのだろうか。
雑なまとめですみません。

そして来月、ありがたいことに2冊目を出していただく予定となっております。
こちらはデビュー作とはまったく違う雰囲気の、ファンタジーです。
色々と苦労して書いた作品なので、また裏話書きたいな……
ぜひ、お手に取って頂けると嬉しいです!!


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