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【番外編:わたしたちのりんご音楽祭】vol.10

「なんせ「人に会える」ってのがうれしかったなぁ」

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りんご、何気に今年初めて行ったんだよね。フェス自体もあんまり行ったことないかも。俺、16歳からずっとバンドやってたから、ライブハウスに行った回数の方が多いくらい。

山梨の「SWEET LOVE SHOWER」と、茅野の「OTOSATA」、あとは「KNOTFEST」っていうゴリゴリの代名詞みたいな海外のバンドが集まるフェス。行ったことあるのはそれくらいかな。

りんごの存在自体はずっと知ってた。昔よく通ってた松本のセレクトショップの常連さんがみんな行っててさ。気になるなぁって。でも、雰囲気は良さそうだったけど、如何せん知ってるアーティストがいなくて。いや、俺が行っても楽しめるのか?って思ってたんだよね。
 
それから俺の中の音楽の趣味がだいぶ変遷してきて、知ってるアーティストが増えたから、今年は行ってみようかなって。日曜日は晴れるってわかったから、じゃあ行くか!って前日にチケットを取った。もともとその日は彼女と会う予定だったから、彼女も一緒に。

そもそも行き方とか全然わかんなかったから、前日に行ってた人とか、常連の玄人にいい行き方を聞いてさ。りんごって、みんなタクシー相乗りして会場までいくんだね。駅のタクシー乗り場で前に並んでたお兄さんがいい感じだったから、声かけたら快く乗せてくれたよ。みんなで音楽の話ながら会場一緒に行ってさ。ちょくちょく会場内でもすれ違って「おっす〜」って挨拶したなぁ。

俺はずっと音楽に触れてたいタイプでひたすらステージをはしごするつもりだったんだけど、彼女はあんまり知ってるアーティストがいなくて、ピクニック的にのんびりしたそうだったから、「じゃあ俺一旦あっち行くね!」って途中別行動したりもしたな。それができるのもいいところだよね。

なんせ「人に会える」っていうのがうれしかったなぁ、俺は。あれだけ大きいイベント自体久しぶりだったし、ちゃんと人に会えるのがうれしかった。会場でさ、高校生の頃にライブハウスで会ってた友だちとたまたま再会できたんだよ。4−5年ぶりだったかな。他にも友だちと結構会えて。みんな楽しんでたなぁ。

学生とか会社員だとさ、人と出会う場所が限定されてるじゃん。学校も職場も、行かなきゃいけない場所だし、なにか共通認識があって出会えたわけじゃないというか。

でも、自分で選んで行った場所に、好きな友達が集まっていて、新しい誰かとも出会えて……。俺の好きな場所を好きな人が、みんな俺の友達。それがすごく嬉しかったなぁ、うん。

▷「わたしたちのりんご音楽祭」:「りんご音楽祭」は、スタッフ、アーティスト、そしてあなた、みんなで作る「祭り」です。参加者それぞれの視点から、「りんご音楽祭」について語ってもらいます。


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