のらいぬ 《詩》
日常の違和感に爪をたて
まるで人のように吠えて騒ぐ
噛みつき飲みこみ気炎を上げる
命を懸けて大地を駆けた日々は遠く
繰り返す毎日と変わらない talk
得々に踊らされ比べられる悪徳
いまはもう研いだ爪と牙は折れて
夕暮れの向こう側に未来を見る
食う寝るばかりの今日には飽きている
繰り返す季節は夏へと戻り
早起きの朝日が肌を焼く
過去に置いてきた日々のように
名前のない首輪を拒んだまま
あてどなく彷徨う野良犬
ここにいない飼い主を探す in noon
賢い忠犬でもなければ心も中堅ではなく
群れるのが苦手な一匹狼ならぬ犬
なくした尻尾は振れないままで
空虚な今日がまたやってくる
やがては人の言葉を忘れていく
わんきゃんばうばう one can't bow
ただひたすら従順に仕事をこなす
たとえ相棒と呼ばれなくても
歩けば棒に当たる日も来るだろう
初出:2024/05/09 note(書き下ろし)
ひさしぶりに書きたくなりました。
4月中に業務上の不要なタスクを廃止しようと訴えましたが、まったくの徒労に終わったので考えないことにしています。
ちなみに私は猫派です。
in noon : 正午に(時制で使うなら at が正しい)
one can't bow : お辞儀ができない
なかまに なりたそうに こちらをみている! なかまにしますか?