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視察報告 東京都世田谷区 シングルキッズ株式会社「ひとり親シェアハウス」 尼崎市議会議員 池田りな

こんにちは。尼崎市議会議員 池田りなです。視察の報告をさせていただきます。

ひとり親を含む課題を抱えた人の空き家を利用した住居支援について
日程:2023年10月16日(月)
場所:東京都世田谷区 シングルキッズ株式会社「ひとり親シェアハウス」
目的:尼崎市のひとり親支援の参考、空き家を活用したシェアハウス事業の研究をするため。
 
【概要】
2021年4月、国土交通省が住宅セーフティネット法において「ひとり親向けシェアハウス」の基準を追加しました。この背景には、家事・育児・仕事のすべてをひとりで行われなければならないひとり親世帯の孤立を防ぐ目的があります。

私の元にも、ひとり親の方からの住居の相談がありますが、非正規雇用であるといった理由などで、一般の賃貸住宅の入居審査に通らない、公営住宅に当選しないといった問題があります。そういった問題を解消するひとり親同士が支え合って暮らすシェアハウスは、国も後押ししている住宅支援の1つといます。
 
尼崎市は、20歳未満の子どもを育てる母子家庭が2,904世帯、父子家庭が408世帯あります。(令和2年度 国勢調査)また、本市の空き家率は約15%で、全国10位(2018年度 住宅・土地統計調査)と非常に高いです。

このひとり親の住居支援と空き家の活用、双方の問題を同時解決するため、誕生したのがシングルキッズのシェアハウス事業です。空き家を活用した「ひとり親シェアハウス」には、さまざまな事情を抱えた母子が1つの家に集まり、共同生活を送っています。プライベートの空間は守られつつも共同スペースがあり、母子家庭同士が協力しながら子育てを行えます。

お話をお聞きしたシングルキッズ株式会社代表の山中さんは、福祉と不動産の両方に精通している強みがあるとおっしゃっていました。ひとり親の支援は拡充されつつあるが、まだ十分とはいえません。今回の視察から学び、今後取り組んでいきたいことは以下の2点であります。
 
①  新たな層のひとり親支援
調停中の方や配偶者からのDVやモラハラに悩んでいる方、働きたいけど仕事と育児の両立が難しい世帯への支援がまだまだ行き届いていません。今回視察をした民間のシングルキッズさんでカバーしている部分がありますが、本市も新たな層のひとり親、フルタイムの仕事と子育てをしている担税力のある世帯への支援も強化することが必要です。また、この取り組みは本市にファミリー世帯を呼び込むことにも繋がると考えます。
 
②  ひとり親向けシェアハウスへの助成
東京都豊島区のような官民協働の「ひとり親シェアハウス」(※1)を本市でも実施できる可能性が高いと考えます。既に本市が実施する「空家改修費補助事業」や「尼崎市空家バンク」との相性も良く、ひとり親向けシェアハウスの助成を導入しやすいです。また、自治体が関わることで空き家のオーナーも物件を貸し出しやすいことも理由の1つです。
 
 
 
(※1)東京都豊島区HP「「ひとり親向けシェアハウス」を官民協働で実現します~「空き家利活用」と「ひとり親の居住支援」の同時解決を実現!~」


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