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【part13】ありがとう。頑張る理由をあなたに置くのは、やめにする。

「信念」と言えば聞こえはいいけど、自分の首を絞めているそれを外すのに、私は随分時間を要してしまった。

信念ビリーフとhave to

2ヶ月前に書いたnoteを見返して、私はちょっと、自分の必死さに笑ってしまった。

この時の私はずっと焦っていたのだ。ツレとの関係性において、誰からも認められる組み合わせで居られるように。

ツレとの年齢差があることで生まれた感情があるとすれば、「私はもっと稼げるようにならないといけない」という焦燥感である。

私が経済的に「自走」するだけではなく、「この人の面倒まで見れる」という事実がないと、いつまで経っても「愛人だ」とか「遺産狙いだ」とかいう腹立つ言葉は消えてくれないから。
(中略)気にしないと言っていたツレの役職や仕事内容に、一番「縛られに行っている」のもまた、私だ。

part1 「どうも、27年遅く生まれた女です。 」より抜粋


今思うと恥ずかしいのだけど、こう考えていた理由はおそらく2つある。
一つ目は、ツレをモチベーションにしないと、仕事に身が入らない状態にあったから。
二つ目はシンプルに、自分に自信がなかったから。


仕事のモチベーション

一つ目に関して言えば、私はどっかのタイミングで、仕事に対しての「火」みたいなものが消える瞬間が確実にあった。それでもやるべきことは山のようにある。目の前の仕事を滞りなく推進するためには、無理矢理にでも自分を奮い立たせる必要があった。

それを、ツレに置いたのだ。

何かに左右されるのが嫌で、仕事に対してはモチベーション不要論を掲げていた私が、「ツレを養うために働く!」みたいなことを豪語するようになった。

一体何様なんだろうか。

結局私はその6年弱勤めた会社を、体調不良により退職することを決断した。早かれ遅かれ、だっただろうと思う。


一緒にいる条件

二つ目の自信のなさに関して、私はツレだけではなく、基本的に誰に対しても同じだった。誰かと一緒に居続けるためには、何かしら自分側に「条件」、分かりやすく言えば「相手に対してのメリット」が必要だと思っていた。

例えば両親の場合。
会社を辞めて実家で両親と暮らすに当たって、私は両親に対して、お願いを三つ提示させてもらった。

①毎日ご飯を一緒に食べること
②家事分担させてもらうこと(主に食事/洗濯/掃除は私)
③生活費を入れさせてもらうこと

こういった最低限のことさえしておけば、あとは干渉せず自由にさせてもらえるだろうというのも、提示した目的の一つだった。

ツレに対しても、「私は経済的に余裕があります、この先のあなたの老後も大丈夫です」的なことを提示することで、一緒にいる大義名分を作ろうとしたのだろうと思う。


ここまで書いていておそらくツッコミどころ満載だけど、今言えることは、多分、両親もツレも、私が条件を持ちかけなくっても一緒に居てくれる。

自信のなさを隠すように、相手にメリットを提示していただけだ。

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信念とは名ばかりのただの「have to」。
勝手にそうしないといけないと思い込んで、全く柔軟ではない状態。

それに気づけたのは、自分の考えを整理する時間が取れるようになったこともある。コーチングの先生に倣ってとにかく「have toはがし」をし始めたら、何だか私のこれまでの諸々すべて、いい意味でどうでもよくなってきたのだった。


どっちにしろあなたと生きていくし

ツレには早々に、この心境の変化については話しておいた。

「前にさ、私、『あなたを養う』とかギャンギャン言ってたけどさ、あれ、忘れていいよ。」
「どうした。」
「もう、どっちでもいいなって思って。あ、ポジティブな意味でね。」

言葉足らずな私の説明で、ツレは大体を察したようである。

「ああ。俺もそれ、言おうと思ってた。」
「え?」
「海さんの頑張る理由が俺なことに、少し違和感を感じてたから。それが逆にプレッシャーだったりするんじゃないのかとか考えて、何なら少し嫌だった。」
「そっか。」
「うん。」
「あのね、私、自信がないだけだったよ。」
「そうだったか。」
「うん。」

私はこれまで「誰からも認められるように」と考えていたけど、誰からも、って、誰にだったんだろう。
私がツレと一緒に生きていくことは、紛れもないwant toなのに。

「とりあえず、そういうわけだから、これからもよろしく頼むよ。」
「ああ。よろしく。」

信念も、ちゃんと分解してあげて、もっと柔軟になったらきっと楽になる。

頭でわかっていても、できるようになるまで、時間かかっちゃったなあ、とちょっと反省。
だけど、これから多分、いい感じ。



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