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ラーニング・ジャーナル(リベラル・アーツ編)

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リベラル・アーツに関する学習記録
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2023年2月の記事一覧

【読書メモ】丸山俊一『働く悩みは「経済学」で答えが見つかる』33

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第5章 斎藤幸平先生、やっぱり資本主義じゃダメですか? 「脱成長」に向けてのスローダウン 誰かが持っている財産を分配するのは、暴力が必要なのではないか? →コミュニズム的なものを作ろうとしたから起きるわけではない →いきなり脱成長を独裁的な方法で実行しようとしているわけではない 資本主義の「ロックダウン」 資本主義にとって移動の自由は本質的(←ブローデルやウォーラーステインを再読するとよいかもしれない) →私有財産と並んで大事 コロ

【読書メモ】丸山俊一『働く悩みは「経済学」で答えが見つかる』32

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第5章 斎藤幸平先生、やっぱり資本主義じゃダメですか? 日本型経営にはよいところもあるのか? 70年代・80年代のときのほうが、年収も上がってよかったのではないか? →いまより良かった面もあるが、戻りたいわけではない →日本的な要素、思考を活かして、ポスト資本主義時代に対応した「新日本的経営」などができるのではないか? →成長しない資本主義ができるのではないか? →会社や人々に自主的にやらせるよりは、国家が大枠を決めてしまったほうがよい(

【読書メモ】丸山俊一『働く悩みは「経済学」で答えが見つかる』31

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第5章 斎藤幸平先生、やっぱり資本主義じゃダメですか? 変化と安定の両立が分散型プラットフォームで可能? どうやったら安定した社会を維持しながら、社会を変えていくのか →一回大胆な再分配を行ってみる →今の世代の安定と未来の世代の生存がぶつかる時代 「脱成長コミュニズム」のなかで、コミュニティのガバナンスはどうするか? →分散型プラットフォームをつくる デジタル技術を利用した分散型の労働者協同組合の動きがある(『ネクスト・シェア』ネイ

【読書メモ】丸山俊一『働く悩みは「経済学」で答えが見つかる』30

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第5章 斎藤幸平先生、やっぱり資本主義じゃダメですか? いつまで労働力を売り続けるのか? 自分自身が商品として売られていると感じる →自分の価値とは何か? →自分が提供している労働価値にどれくらいの意味があるのか? →知的労働の価値とは何か? 今の市場での労働の値付けの仕方が明らかに失敗している(←希少性が値付けのベースになっていると考えられる) →エッセンシャルな仕事をする賃金が低い 再分配を行わないのは、インセンティブの問題が大き

【読書メモ】丸山俊一『働く悩みは「経済学」で答えが見つかる』29

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第5章 斎藤幸平先生、やっぱり資本主義じゃダメですか? デジタル資本主義の中での倫理は? GAFAMが力を強めているなかで、私企業をどうコントロールしていくか? →国が私企業を止めるのは難しい(技術が進む速度が圧倒的であるため、法的に規制するのは難しい)(←民主主義の意思決定のスピードが追いつかないからか?) →結局は私企業まかせとなる 経済の中で倫理的なものが注目されている風潮もあるが… →市場のなかで倫理が商品になってしまうのではな

【読書メモ】丸山俊一『働く悩みは「経済学」で答えが見つかる』28

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第5章 斎藤幸平先生、やっぱり資本主義じゃダメですか? すべての労働が感情労働になっているのではないか? SNSが疲れる理由 →ありとあらゆる負の感情や欲望がビジネスの対象になっているから 共感社会の歪み →憎悪や欲望が増幅されていく →対立が煽られる一方で、小さなコミュニティの絆は深まる 感情労働がしんどい理由 感情労働の基本は、相手の感情を読むこと この「察する」は一方的(サービスを提供する側だけが、エネルギーや神経を使うよう

【読書メモ】丸山俊一『働く悩みは「経済学」で答えが見つかる』27

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第5章 斎藤幸平先生、やっぱり資本主義じゃダメですか? デジタル時代に「自分をすり減らさない」方法は? デジタル分野にこそ時代のフロンティアがあり、それについていかなければならない、という考え →一部の人の人々の金儲けに巻き込まれているのではないか? 強制されるはしんどいが、止められないというのがポイント スマホもSNSもウェアラブルデバイスも、依存をさせるように設計されている →対策は、意識的に距離をとることではないか 最新の情報

【読書メモ】丸山俊一『働く悩みは「経済学」で答えが見つかる』26

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第4章 ヴェブレン先生、毎日疲れるのも資本主義のせいですか? ― 心編 アダム・スミスの誤解 →"合理的経済人"なる存在を市場の参加者に想定していたこと →人間は合理的な存在ではない 矛盾だらけの人間という存在の自然的な生命活動のためにある場が、アダム・スミスの説いた市場 "冷たき頭脳に熱き心"(アルフレッド・マーシャル) "冷たき頭脳"で富の健全な循環を科学として分析し、"熱き心"で背後にある人々の思いを忘れない 現代は感情が商品

【読書メモ】丸山俊一『働く悩みは「経済学」で答えが見つかる』25

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第4章 ヴェブレン先生、毎日疲れるのも資本主義のせいですか? ― 心編 脱構築(デリダ) 不断の自己点検を行う思考 →安易な二項対立の概念に飛びつかない →「そもそも」や「本質」を問い続ける 脱構築の精神 サルトルの"実存主義"("人間の主体性"を最重要視)とレヴィ=ストロースの"構造主義"(人間社会を規定するのは"構造") →デリダは、構造主義に批判を加えた →「実存か?構造か?」の二元論の罠に陥らず、本質を吟味する

【読書メモ】丸山俊一『働く悩みは「経済学」で答えが見つかる』24

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第4章 ヴェブレン先生、毎日疲れるのも資本主義のせいですか? ― 心編 人も企業も、"経済合理性"ではなく、他者のまなざし、他者の価値観が交錯する中で、妄想の領域に入っていくもの(ヴェブレン) 市場とは何か?(ハイエク) →メタレベルで社会のあり方をコントロールできるとする"設計主義"、"集産主義"を批判 →自由のために、中心にある権力による計画が独り歩きするような傲慢さは排除しなければならない 心の秩序は、何らかの意図で生まれるような

【読書メモ】丸山俊一『働く悩みは「経済学」で答えが見つかる』23

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第4章 ヴェブレン先生、毎日疲れるのも資本主義のせいですか? ― 心編 産業のあり方が、人々の心理に大きな影響を与えていき、社会のルールとしても大きな力を持っていく(リースマン) →第三次産業が主体となる社会では、他人指向型にならざるを得なくなる →周りを気にすることが、仕事の性質上からも重要になってくるから 社会を構成している人々が、同調性を重視して生きて行かねばならない →いつも周囲の反応を気にして"疲れる" →"承認欲求"に取り憑か

【読書メモ】丸山俊一『働く悩みは「経済学」で答えが見つかる』22

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第4章 ヴェブレン先生、毎日疲れるのも資本主義のせいですか? ― 心編 経済活動と言うもの自体、常に他人の目を意識する中で行われている(ヴェブレン) 慢性的な疲れ SNSが他の人にどう見られているか、いいね!を押さなければ、などがどうしても気になる 売上をKPIとして、ブレイクダウンした滞在時間とか再訪率を指標として追求しても、全体が良くなっていくことにつながるのか? 現代はネットが介在することで、あらゆる行動が、人との比較の心理を

【読書メモ】丸山俊一『働く悩みは「経済学」で答えが見つかる』21

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第3章 ケインズ先生、データ、AIは光ですか? ― デジタルと仕事編 変化の激しい時代、子どもの教育はどうするべきか?(シュンペーター) →口出しせずに、子どもを自由に遊ばせる "第四次産業革命"は、今までの"革命"とは根本的に性質が異なると言えそう →非連続性の度合いが高い →パターン化できる仕事はAIがやってくれるようになり、パターン化できない仕事しか残らない(= 目的そのものを新たに設定する能力が仕事の中心となる) →アナログなセン

【読書メモ】丸山俊一『働く悩みは「経済学」で答えが見つかる』20

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第3章 ケインズ先生、データ、AIは光ですか? ― デジタルと仕事編 マルクスの予言 →技術が社会の形を決めてしまうことを見抜いていた →デジタル技術の発展が、社会や資本主義のありかたに大きな影響を与えた 現代は、ITが社会のあり方を革命的に変えた時代(マルクス・ガブリエル) →テクノロジーの本質、人間との関係性において、あるべき姿を考える必要がある 20世紀:科学技術の論理が支配していた時代 →この間、科学的なものの見方、物理的な世界