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ラーニング・ジャーナル(リベラル・アーツ編)

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リベラル・アーツに関する学習記録
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2022年12月の記事一覧

【読書メモ】波頭亮『論理的思考のコアスキル』52

読んだ本読書マインドマップ読書メモあとがき 著者が論理的思考の本を書いてから15年経っている →その15年の間に脳科学や認知科学が大幅に進歩した その脳科学や認知科学の研究の進歩で明らかになった脳のメカニズムが意味するもの →理性の仕事だとされてきた論理的思考という脳の情報処理作業が、本能や直感といった非理性的な作業と明確に区分するのが難しいものかもしれないということ 近年の脳科学、認知科学の進歩が明らかにしたのは、(デカルトが思考の根底に据えた)"理性"すら、客観的妥

【読書メモ】波頭亮『論理的思考のコアスキル』51

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第IV章 クリティカル・シンキング 2 クリティカル・シンキング:それは本当に正しいのか クリティカルなスタンス クリティカル・シンキングにおいても、「何をするか:what to do」と同等以上に「どう行うか:how to do」が重要 人間の脳は、通常、省エネで迅速に、"だいたい正しい"答えを得るような情報処理を行っている また、非常に自己肯定的であるネイチャーも持っている クリティカルなスタンスを取る際の具体的な姿勢・態度

【読書メモ】波頭亮『論理的思考のコアスキル』50

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第IV章 クリティカル・シンキング 2 クリティカル・シンキング:それは本当に正しいのか 論理チェックの3つのポイント 論理構造は「根拠」+「論理」+「結論」 →正しい結論が導かれていないということは、「根拠」か「論理」、または両方が誤っている →結論と現実との整合性もチェックしなければならない チェックポイント 根拠が妥当であるかどうか 論理が妥当であるかどうか 結論と現実との整合性があるかどうか 根拠のチェック 根拠に据え

【読書メモ】波頭亮『論理的思考のコアスキル』49

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第IV章 クリティカル・シンキング 2 クリティカル・シンキング:それは本当に正しいのか 人間の脳はネイチャーとして間違える →論理的思考のコアスキルを身につける what to do、how to do の知識やノウハウを得ても、論理的思考力は十分可能というわけではない 論理的思考をよくするための十分条件ともいうべき思考の方法論 →クリティカル・シンキング クリティカル・シンキング:「よく吟味する思考」、「それは本当に正しいのか?」を

【読書メモ】波頭亮『論理的思考のコアスキル』48

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第IV章 クリティカル・シンキング 1 ネイチャーとして間違える脳 認知バイアスとは何か⑤ 後づけの論理(ロジック)による誤り 人間の思考プロセス自体が非論理的に働くメカニズムを持っている 人間の脳が判断を行う時の通常のプロセス 瞬間的/無意識的に「結論」が浮かぶ その「結論」が成立し得るような「根拠と論理」を探し出してきて後づけ 瞬間的に浮かんだ「結論」と後づけで探し出した「根拠と論理」を結びつけて「論理的思考」を行ったように

【読書メモ】波頭亮『論理的思考のコアスキル』47

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第IV章 クリティカル・シンキング 1 ネイチャーとして間違える脳 認知バイアスとは何か④ ステレオタイプ:ある集団に対する固定観念的な知識やイメージを、その集団に所属する個にそのまま適用してしまい、その個に対する認識が実態と乖離してしまうこと 特に、集団およびグループに対するイメージが強ければ強いほど、個別の情報が見落とされたり軽視されたりしがち ステレオタイプの見方にならないためには、何でも属性に基づいた先入観のみで判断していない

【読書メモ】波頭亮『論理的思考のコアスキル』46

読んだ本 読書マインドマップ読書メモ第IV章 クリティカル・シンキング 1 ネイチャーとして間違える脳 認知バイアスとは何か③ 感情ヒューリスティック:個人や事象に対する感情、特に好き嫌いで物事を判断してしまうこと →「どのような内容か」ではなく「誰が述べたものか」によって情報を選別・判断してしまうのが感情ヒューリスティック 感情ヒューリスティックは、事象の正誤を客観的に判断することではなく、敵味方の区別をつけ、結束力を高めたり信頼関係を築いたりするために働くもの

【読書メモ】波頭亮『論理的思考のコアスキル』45

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第IV章 クリティカル・シンキング 1 ネイチャーとして間違える脳 認知バイアスとは何か② 確証バイアス:自分の仮説や信念を支持するような情報を集めてファクトを積み上げていく一方で、反証となる情報を無視したり軽視したりすること 確証バイアスによって、「結論ありきのロジック」を作るための偏った根拠の収集を行ったり、自分の信念に都合の良い解釈をしたりして、結果として、正しい論理的思考が行われない状態となってしまう 確証バイアスを避けるには

【読書メモ】波頭亮『論理的思考のコアスキル』44

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第IV章 クリティカル・シンキング 1 ネイチャーとして間違える脳 認知バイアスとは何か① 認知バイアス:人間の本能や感情による影響や、経験や知識による先入観によって、判断や思考にバイアス(偏向)がかかってしまう現象 人間が陥りがちな認知バイアス 自分の信念に固執することが要因となって客観性を損なうバイアス(代表例:確証バイアス) 自分の感情/好悪に影響されて客観性を損なうバイアス(代表例:感情ヒューリスティック) 社会通念や自分

【読書メモ】波頭亮『論理的思考のコアスキル』43

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第IV章 クリティカル・シンキング 1 ネイチャーとして間違える脳 脳はかくも間違える 人間の思考が陥りがちな誤謬のパターン 4枚のカード実験(p.210) 「A」「F」「4」「7」の4枚のカード →片面にはアルファベット、片面に数字 →「あるカードの片面が母音のアルファベットならば、そのカードのもう一方の面は偶数の数字でなければならない」というルールが守られているか確認するには、どのカードをめくればよいか 正解率は10%前後 ベ

【読書メモ】波頭亮『論理的思考のコアスキル』42

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第IV章 クリティカル・シンキング 1 ネイチャーとして間違える脳 人間の脳が生得的性質(ネイチャー)として間違えてしまう認知・思考パターン 認知バイアス:本能や感情による影響や、経験や知識に基づいた先入観によって、客観的な認知が歪められてしまうパターン 後づけの論理(ロジック):直感的に答えを得た後で、その答えが論理的妥当性を持っているように後づけで論理を組み立ててしまうメカニズムで出来上がる論理

【読書メモ】波頭亮『論理的思考のコアスキル』41

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第III章 コアスキル習得の具体的方法 3 練習の総時間 : どれくらいやればよいか 総時間数と練習密度の目安 総時間:(ビジネスパーソンとして1つのスキルとして周りから認めてもらうレベルであれば)トータルで1000時間程度 →途中で挫折してしまう場合は、300時間取り組むことを最初の目標とすると良い(しばらく成長が停滞したかと思っていたら、ふっと上昇するタイミング) 練習密度:1ヶ月100時間程度のペース →1日3時間程度の取り組みを

【読書メモ】波頭亮『論理的思考のコアスキル』40

読んだ本読書マインドマップ 読書メモ第III章 コアスキル習得の具体的方法 2 How to do : どう練習するのか 集中して考える 論理的に"良く"思考しようとするならば、集中力が不可欠 集中力は、ある1つの対象に対して注意を向けている時に発揮される 集中下では、その対象に関連のある情報とそれ以外の情報とを選別する「効率的選択」のメカニズムが働くことが、認知科学の研究によって証明されている どうすればより集中して考えることができるのか? 集中することを意識

【読書メモ】波頭亮『論理的思考のコアスキル』39

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第III章 コアスキル習得の具体的方法 2 How to do : どう練習するのか 経験に紐づけて考える 世の中で共有されている多くの情報は、一般化・抽象化されたもの →人間は抽象と具体を行き来して物事を理解しており、抽象だけでは本当に腹落ちして「分かった」感覚にはならない →"知る"と"分かる"は別物 では、わざわざ一般化・抽象化するのか? 情報を共有する上で「分かる」人を増やすから →一般化・抽象化された情報は"繋げる"ことがで