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ラーニング・ジャーナル(リベラル・アーツ編)

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リベラル・アーツに関する学習記録
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2022年10月の記事一覧

【読書メモ】山野弘樹『独学の思考法』12

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第2部 応用編 ― 独学を深める三つの「対話的思考」 第6章 「問い」によって他者に寄り添う ― 対話的思考法のステップ1 コニュニケーションをすると、必ず、「自分とは異なる意見と出会う」経験をする →違和感を覚え、ストレスを感じる 対話の場面では、この種のストレスに頻繁に遭遇する →初めから相手を否定しない 初めから相手を否定しない理由 相手の話を聞いているうちに、こちらの意見が修正される可能性があるから 相手の面子を潰し、怒りや

【読書メモ】山野弘樹『独学の思考法』11

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第2部 応用編 ― 独学を深める三つの「対話的思考」 他者と対話を行うことは繊細な作業 他者と対話を行う必要性 多様性が尊重される社会において、他者と倫理的な関係を取り結ぶため 「不確実な時代」と言われている昨今の情勢の中で、柔軟に自らの思考の枠組みを更新していくため 「倫理」と「論理」という理由で、「対話」の営みがますます重要性を帯びる 他者との対話こそが、独学者が独断的・独善的な思考に陥ってしまうのを防ぐ →対話の場と、対話に

【読書メモ】山野弘樹『独学の思考法』10

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第1部 原理編 ― 5つの考える技術 第5章 物語化する力 ― 相手に伝わる思考をする② 「映像化」とは「時間」的な図解の方法↔「相関図」は「空間」的な図解の方法 映像化:物語の構成や声の調子によって相手に情景を伝える技法 話し言葉の方法論がメインになる 論理的に構成された文章をどのように「映像化」できるか? =どのような話し方をすれば、こちらが話したい内容を生き生きとした仕方で相手に思い浮かべてもらえるか? 映像化の技法 物語の

【読書メモ】山野弘樹『独学の思考法』9

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第1部 原理編 ― 5つの考える技術 第5章 物語化する力 ― 相手に伝わる思考をする① 物語化する力:走ったコースの景色を魅力的な再現VTRにまとめるためのスキル →非常に重要な役割を果たす →高度な思考をしたとしても、しっかり人に伝えられなければほとんど意味がない 人に説明できないのは、自分自身も正確には理解できていないから →言葉の抽象性に搦めとられてしまうことによって生じる →具体的な事例を複数念頭に置きながら思考しなければならな

【読書メモ】山野弘樹『独学の思考法』8

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第1部 原理編 ― 5つの考える技術 第4章 論証する力 ― 論理を繋げて思考を構築する② 問題をどうやって解決するのか? →解決のアーギュメントが必要 アーギュメントの組み立て方(論文=何らかのテーゼを論証する文章をモデルに) →レポートや報告書にも応用できる 論文の構成 序論(導入および問題提起) →「何が問われるべき問題なのか?」を提示 →説得的な問題提起をしないと、読者に関心を持ってもらえない 本論(主張を導くための根拠の提

【読書メモ】山野弘樹『独学の思考法』7

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第1部 原理編 ― 5つの考える技術 第4章 論証する力 ― 論理を繋げて思考を構築する① 論証力:構成されたロジックを繋げてアーギュメント(議論)を作る力 論証は、他者側から抽出された要約と、自己側から抽出された推論をバランスよく組み合わせることが重要 まず最初にするのは、社会的に見て意義のある深刻な問いを見つけること →いったん、何が問題なのかを正確に理解する必要がある →問題の争点を取り違えたり、問題を矮小化しない →「この問題の

【読書メモ】山野弘樹『独学の思考法』6

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第1部 原理編 ― 5つの考える技術 第3章 要約する力 ― 理解を深める 要約力:集められたチャンクを用いて、ロジックを構成する力 要約:著者の主張を構成するパーツ(単語や表現)を整理しつつ、これらを組み合わせていく(ロジックをコンパクトな形で構成する)作業 →著者の主張を構成する骨子だけを抜き出して、そこで展開されているロジックを最もコンパクトな形で再構成する知的作業 要約力の基礎にあるのは分節力 要約の作業 要約の起点となる単

【読書メモ】山野弘樹『独学の思考法』5

読んだ本読書マインドマップ 読書メモ第1部 原理編 ― 5つの考える技術 第2章 分節する力 ― 情報の質を見極める② 本を分節する目的 情報を一つにまとめる →同じ性質の情報は一つにまとめる 情報の関係性を整理する →筆者が重視している立場や、その根拠となっている議論を探る 理解の追いつかない箇所を確定する →引っかかっている点を具体的に明らかにする 分節する3つの方法 「形」の観点から 単語を囲む:重要な単語・表現を囲む 傍点を打つ:チャンクの囲みとは異

【読書メモ】山野弘樹『独学の思考法』4

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第1部 原理編 ― 5つの考える技術 第2章 分節する力 ― 情報の質を見極める① 分節する力 →要約する力と論証する力とセットで身につけるべきもの 分節する力と要約する力と論証する力 →「出発点から実際に走り出してみる」ために必要なスキル 分節力は、「何が重要なチャンク(情報のまとまり)か?」を見極めるための能力 要約力は、「無駄のない仕方でロジックで実現できているか?」を見極めるための能力 論証力は、「抜け漏れの無い推論のプロセ

【読書メモ】山野弘樹『独学の思考法』3

読んだ本読書マインドマップ 読書メモ第1部 原理編 ― 5つの考える技術 第1章 問いを立てる力 ―思考の出発点を決める 思考の出発点は、問いを立てることにほかならない →「自ら思考する力」を鍛えるには、「問いを立てる力」を身につける必要がある 問いには「良い問い」と「不適切な問い」がある 無自覚に差別意識を含んでいる問いがたくさん存在する →暴力的な問い →「問いとして不適切なものである」として、取り下げられなければならない 必要な問いは「議論を進展させるための問

【読書メモ】山野弘樹『独学の思考法』2

読んだ本読書マインドマップ読書メモプロローグ 『考えるとはどういうことか? ― ショーペンハウアー『読書について』から考える 考えることに対する誤解 =「一問一答式知識観」 知識は累積的な性格を持つ →知識は基礎から積み上げるものであると考えた 知識は単なる思考の道具である →「誰がどのような文脈で考えたのか」を切り離して考えた 知識を収集すること自体が思考力を高める →インプットすれば、自動的に思考力も向上すると考えた ショーペンハウアー『読書とは何か』 →読書は

【読書メモ】山野弘樹『独学の思考法』1

読んだ本読書マインドマップ読書メモはじめに 答えなき時代に求められる「独学の力」 「不確実な時代」「確実な答えがない時代」 →「いかにして自ら思考する力を身につけられるのか」が喫緊の課題 どのように独学するか、上手い方法がわからず困っている人も多い →正解のない時代には、「何を、どのように勉強すればよいのか」という問いに答えるのは容易ではない 独学こそ「自ら思考する力」が本質的に試される 本書の目的は、 効果的に「独学」=答えなき時代に自らの力で探究を行う力を伝える

【読書メモ】山田悠史『最高の老後 「死ぬまで元気」を実現する5つのM』37

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第5章 Matters Most to Me(いきがい) こうすれば「最高の老後」⑤ 歳をとることは、よいことと悪いことの両面がある すべての人が、日々同じ速度で歳を重ねる →歳を重ねることが残念だというなら、生きることが残念だと言っていることに他ならない エイジズム(Ageism):年齢に基づいた、他者あるいは自分自身への固定観念、偏見や先入観、差別 実際、「年齢」の持つ意味は、歳を重ねるごとに薄まっていく エイジズムは、身体的

【読書メモ】山田悠史『最高の老後 「死ぬまで元気」を実現する5つのM』36

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第5章 Matters Most to Me(いきがい) こうすれば「最高の老後」③ 事前会議は話合いの内容を記録して残さなければ、証拠は残らない →事前指示書、POLST(Physician Orders for Life-Sustaining Treatment)と呼ばれる書類 →事前指示書:本人の健康状態にかかわらず将来受ける可能性のある治療の選択肢に対する希望を記し、本人が作成するもの(場合によっては弁護士も) →POLST:命を