マガジンのカバー画像

ラーニング・ジャーナル(リベラル・アーツ編)

616
リベラル・アーツに関する学習記録
運営しているクリエイター

2022年6月の記事一覧

【読書メモ】山口周『武器になる哲学』39

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第2部 知的戦闘力を最大化する50のキーコンセプト  第3章 「社会」に関するキーコンセプト 36 差異的消費(ジャン・ボードリヤール) 消費:記号の交換(差異の記号) →「欲求」は個人的・内発的なものとしては説明できない →他社との関係性、つまり「社会的」なもの 「望ましい自己像」は、内発的な規定というよりも、「差異」によって外発的に規定される 「それを選んだ」ということと「他を選ばなかった」ということで、「記号」が生まれてしまう

【読書メモ】山口周『武器になる哲学』38

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第2部 知的戦闘力を最大化する50のキーコンセプト  第3章 「社会」に関するキーコンセプト 35 パノプティコン(ミシェル・フーコー) パノプティコン:円周上の配置された独房と監視所から成る刑務所 フーコーはパノプティコンが生み出す「監視圧力」に注目した →監視されているという心理的圧力 →道徳や倫理によって内面を支配する →内発的な動機によって行動しているように感じる 経営の世界に運用して考えてみると 実際の監視よりも「監視され

【読書メモ】山口周『武器になる哲学』37

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第2部 知的戦闘力を最大化する50のキーコンセプト  第3章 「社会」に関するキーコンセプト 34 格差(セルジュ・モスコヴィッシ) 公正とは、本当によいものなのか? →社会や組織が公正で公平ならば、下層に位置づけられた人は逃げ道がない →自分の才能や努力や容姿といった点で、人より劣っているからに他ならないから →基準が正当ではない、評価が正当ではない、という自己防衛が成立しない 差別や格差は「同質性」から生まれる →トクヴィルの指摘:

【読書メモ】山口周『武器になる哲学』36

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第2部 知的戦闘力を最大化する50のキーコンセプト  第3章 「社会」に関するキーコンセプト 33 パラノとスキゾ(ジル・ドゥルーズ) パラノ:パラノイア(偏執型)。過去に獲得したアイデンティティの整合性を重視する スキゾ:スキゾフレニア(分裂型)。過去に獲得したアイデンティティとの整合性は顧みられない 浅田彰『逃走論』 パラノ型は環境変化に弱い 「パラノ型」を「定住する人」、「スキゾ型」を「逃げる人」と定義 →「必ずしも行き先は

【読書メモ】山口周『武器になる哲学』35

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第2部 知的戦闘力を最大化する50のキーコンセプト  第3章 「社会」に関するキーコンセプト 32 第二の性(シモーヌ・ド・ボーヴォワール) 「生物学的な性」と「社会学的な性」との区別 →社会的な要請の結果として「女らしさ」を獲得する ホフステードの文化的差異の整理の基準(6つある) →4番目にあるのが、Masculinity(男らしさ(女らしさ)を求める傾向の強さ) 男性らしい社会:男女の性別役割がはっきりわかれる傾向がある。男の子

【読書メモ】山口周『武器になる哲学』34

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第2部 知的戦闘力を最大化する50のキーコンセプト  第3章 「社会」に関するキーコンセプト 31 贈与(マルセル・モース) 「贈与は義務」(ポリネシアの人々) 贈与する義務:贈らないことは礼儀に反する 受け取る義務:拒否してはいけない 返礼する義務:お返しは絶対に必要 近代以降のヨーロッパ社会では、贈与という習慣を失ってしまった →経済システムから人間性が失われてしまった 一対一の関係性:自分の能力や感性を会社に提供し、会社か

【読書メモ】山口周『武器になる哲学』33

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第2部 知的戦闘力を最大化する50のキーコンセプト  第3章 「社会」に関するキーコンセプト 30 アノミー(エミール・デュルケーム) アノミー:無連帯(アノミーがもたらす結果として無規範・無秩序) 『社会分業論』:過度に分業が進展する近代社会では、共通の規範が育たない(機能を統合する相互作用の営みが欠如するため) 『自殺論』:アノミー的自殺が増加すると予言する 利他的自殺(集団本位的自殺):集団の価値体系の服従が強いられる社会、ま

【読書メモ】山口周『武器になる哲学』32

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第2部 知的戦闘力を最大化する50のキーコンセプト  第3章 「社会」に関するキーコンセプト 29 自然淘汰(チャールズ・ダーウィン) 進化を説明する要因 突然変異:生物の個体には、同じ種に属していても、さまざまな変異が見られる 遺伝:変異のなかには、親から子へ伝えられるものがある 自然選択:変異のなかには、生存や繁殖に有利な差が与えれるものがある 突然変異によって獲得される形質は、予定調和しない →どのような形質が有利なのか、事

【読書メモ】山口周『武器になる哲学』31

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第2部 知的戦闘力を最大化する50のキーコンセプト  第3章 「社会」に関するキーコンセプト 28 神の見えざる手(アダム・スミス) 市場(いちば):価格を適正にする圧が働く →「神の見えざる手」によって価格が調整される 「神の見えざる手」は、最適解を得るための最も有効なヒューリスティック →市場の価格決定以外にも応用できる →研究施設のレイアウト(歩道)の例 全ての最適解を自分で導出できると考えるのは、知的傲慢と言える モノゴトが

【読書メモ】山口周『武器になる哲学』30

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第2部 知的戦闘力を最大化する50のキーコンセプト  第3章 「社会」に関するキーコンセプト 27 一般意志(ジャン・ジャック・ルソー) 一般意志:市民全体の意志 代議制も政党政治にもよらない「一般意志に基づいた統治」こそが理想であるという考えを提唱 デジタルテクノロジーとネットワークを活用すれば、「一般意志に基づいた統治」は可能なのではないか →「誰が一般意志を汲み取るシステムを作り、運営するのか?」という問題が生じる Googl

【読書メモ】山口周『武器になる哲学』29

読んだ本 読書マインドマップ読書メモ第2部 知的戦闘力を最大化する50のキーコンセプト  第3章 「社会」に関するキーコンセプト 26 リバイアサン(トマス・ホッブズ) 世界というシステムの前提 人間の能力に大きな差はない 人が欲しがるものは希少で有限である 上記二つの命題から必然的に引き出される社会の状態 →万人の万人に対する戦い 社会の構成員全員でルールを決め、守るよう約束させる →ただし、ペナルティがないとルールに意味はない、とホッブズは考えた →その解決

【令和文庫 presents】 直感と論理をつなぐ読書会 - 直感と論理をつなぐ第一歩は、素直な感情を手で書くこと -

読書会概要6月18日(土)14:00~16:00、東京・府中のコワーキング・スペース LIGHT UP LOBBY にて、直感と論理をつなぐ読書会を開催しました。参加者3名、絵運営2名(ファシリテーター1名、アシスタント1名)の合計5名で進行しました。課題本は、佐宗邦威『直感と論理をつなぐ思考法』、テーマは「直感と論理をつなぐには?」です。 『直感と論理をつなぐ思考法』には、直感と論理をつなげるためのメソッドがたくさん紹介されています。(感情ジャーナリングなど) 対話を進

【読書メモ】山口周『武器になる哲学』28

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第2部 知的戦闘力を最大化する50のキーコンセプト  第3章 「社会」に関するキーコンセプト 25 疎外(カール・マルクス) 疎外:人間が作り出したものが人間から離れてしまい、むしろコントロールするようになること 資本主義社会の必然的帰結として、4つの疎外が発生する(マルクス『経済学・哲学草稿』) 労働生産物からの疎外:労働者の生み出した商品は、全部資本家のものになる 労働からの疎外:労働者の多くが、苦痛や退屈さを覚え、自由が抑圧さ

【読書メモ】山口周『武器になる哲学』27

読んだ本読書マインドマップ読書メモ第2部 知的戦闘力を最大化する50のキーコンセプト  第2章 「組織」に関するキーコンセプト 24 反脆弱性(ナシーム・ニコラス・タレブ) 反脆弱性(Anti-Fragile):外乱や圧力の高まりによって、かえってパフォーマンスが高まるような性質 タレブが反脆弱性を非常に重要視するのは、予測の難しい時代を生きているから 「反脆弱性」を組織論やキャリア論に当てはめてみたら… 組織論:意図的な失敗を織り込むのが重要 キャリア論:「頑健