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病院職員の性的虐待ニュースと病院による報道関係者対応に思うこと

今日は勤務表のチェックをした後に締めの作業を実施、ほとんどそのために出社したようなものでした。気分は既に明日からの4連休に向いています😃

さて、……。

以下のニュース、全く以てひどい話で憤りを禁じ得ない。聞く者に嫌悪の情を抱かせる人間性への挑戦に等しい所業である。

そして、この病院の最初のコメントには、かなりの違和感を抱いた。紋切り型過ぎだとの印象を受けたのである。

大牟田市の病院で複数の男性職員が体に障害がある複数の入院患者に性的虐待を繰り返していたことがわかりました。
病院は「職員の倫理観が欠如していた」として2日、記者会見を開いて、説明するとしています。

NHK NEWS WEB 上記リンク冒頭部を引用

「職員の倫理観が欠如していた」ことは全くその通り。とはいえ、それでは倫理観が欠如した人なら皆障害者に性的虐待をするだろうか、を考えて頂きたい。これは何も情報的価値のあることを言っていないのに気付くはず。

もちろん、詳細な事実の解明はこれからなのだろうけれど、このようなことを言うのであれば「現在詳しいことが分かっていない。調査しており判明次第別途ご説明したい」と言う方がまだしっくりくる。

例えば、火災が発生した時に「なぜ火災が発生したのか」と問われた責任者が「燃えるものがあったからです」と答えたらどう思うか。これ、事実としては全くその通りではあるのだけど、これであなたは納得できるだろうか。

「そんなことは分かっている」と怒り出す人が出てくるかも知れないことはお分かり頂けると思う。でも「職員の倫理観が欠如していた」はまさに「燃えるものがあったからです」に近い内容だというのが私の見立て。

危機管理対応の巧拙はこういう時に表れる。分からないことは分からないと言ってよいし、報道関係者の問い合わせに答えるのであれば、彼らの考え方に合わせる必要がある。

恐らく何でこんなことが起こるのか? については誰もが知りたいこと。その欲求に応えるために報道関係者はいるし、それを伝えたいと思っている彼らには是々非々で対応しなければならない。

偉そうに語っているけれど、自分もいざその立場に立ったら無事に説明しきる自信はない。

本件で私が思うこととして、看護・介護職の人は、人をお世話する立場になる。そうなるとどうしても「やってあげている」という優越感を抱いてしまう。また逆に「やらされている」という抑圧感も持つ。

元々は人の役に立ちたいという奉仕の気持ち・社会貢献意欲を持っている一方で、優越感と抑圧感の狭間にいることは理解しなければならない。ここで倫理観が失われると良からぬ行動に移る者が出てくることはあり得る。これは人的な問題。

そして、どうしてもこの手の業務はマンツーマンになりがち。二人一組で対応すれば相互監視できるのだけど、それが無理なら性悪説に立って監視カメラを設置する等の対応をすべきであった。これは管理的な問題。

本件はそういうことまで考える必要があるものだと思っている。

なお、実はこの記事を書いている裏で19:00近くまで記事中に「記者会見を開いて、説明する」としていた記者会見が行われていた。質問がマイクに入らないために聞き取りは断念したのだけど、かなりのロングランであったことを考えると要領を得ない質疑だったのではないかと思われる。

お読み頂き、ありがとうございました。

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