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遊軍は、会社だと難しいかも

今日は温かかったですね。9月中旬並みだったそうです。でも、こうやって寒暖を繰り返しながら確実に冬に向かっていくのですよね。

さて、……

唐突だけど、あなたは遊軍という言葉をご存知だろうか。

戦列の外にあっていつでも出動できるように待機している軍隊。遊撃隊。
決まった任務につかず、必要に応じて活動できるよう待機している人。「―記者」

goo国語辞書

軍という言葉が付いているように原義は1で、それを2のようにも使うようになったと私は考えている。もっとも、これが成り立つには条件を満たす必要があるように思う。

基本、軍は戦う人間の集団。だから、所属員は皆一定程度は戦うための訓練を受けている。戦うというベース活動は共有されており、特殊な兵器を用いないのであれば追加の訓練なしですぐに対応できる。まさに即戦力である。

運動会で小学校低学年くらいまでの種目に「お助け綱引き」がある。紅白それぞれのチームの中で更にそのチームを半分に分ける。最初に半分ずつが綱引きを開始し、しばらく時間が経過した後ピストルの合図が出て、残りの半分ずつが走って助けに行き全員で綱を引くというもの。

遊軍は、基本的にこのような感じで戦いに参加し、参加した後は援軍として機能する。そんな遊軍は、あらま欲しき存在である。

ただ、会社において同様の機能を持つ部署は存在しない。加えて、待機する人間を抱えている部署もない。

長い景気低迷の中で、人もコストとして捉えられるようになった。だから、極限まで人が減らされている。「ウチは潤沢に人がいます」という会社があるなら、教えて欲しいくらいである。

それでも、災害等が発生すれば災害発生事業所に何人か応援に回されることはある。その場合は、応援を命じられた者が、普段の業務を職場に残る人間に引き継いでから向かうことになる。

赴任先で、軍なら指揮者間の打合せをすれば兵を動かすことも可能になると考えるが、会社の業務の場合はそう簡単には行かない。どうしても行った先でのやり方に慣れてもらう必要がある。これには時間が掛かる。

確かに最近はシステム内での処理が多く、その操作自体はどこでも同じ。この手の業務なら、システム操作に慣れている者であればすぐに対応できる。

しかし、災害発生下で復旧を行うとなると、おつき合いのある地元企業の概要や彼らの被災状況の把握も必要。この種の業務については、よそから来た人間での対応は難しい。

そして同じ社内とはいえ、行った先の事業所員とのコミュニケーションを円滑にするための努力はどうしても必要となる。その人となりについて把握するのにも、どうしてもある程度の時間がかかる。

かつてOB・OGの活用も考えたが、今度はシステムのアップデートに対応できていないことがボトルネックになると判明。結局、復旧を急げば急ぐ程、元からいる人間で頑張れということになりがちである。

昨今の自然災害の発生増を考えれば、各部署に多少の「遊軍」要員を紛れ込ませておくべきだと考える。でも、そうすると誰をどのようにという新たな課題が生じてしまう。

理屈と現実、その間には多くの障壁があることを改めて感じる。

お読み頂き、ありがとうございました。

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