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自民党の政治資金規正法改正案は、手段が目的化する典型例

今日は夜遅くから雨が降るようです。明日の午前中まで降るらしく、今から出社時のことを考えてしまいます。

さて、……。

ようやく自民党が政治資金規正法の改正案をまとめたようだ。しかし、与党として連立を組む公明党との調整もつかず、単独での提案もあり得る状況となっている。

これ、私のようなオジさんから見てもやる気のなさが漂う。そもそも、今時Excelで収支を1表にまとめることなど造作もないこと。従って、何で1円単位で開示できないのかが全く分からない。

この金額基準の攻防は、Excel等の表計算ソフトを自分で使えないか操作したことがない人の戯言にしか聞こえない。

よく考えて欲しい。この金額基準をできるだけ高めに設定し、結果としてポッケに入れられるようになったお金について、議員側は全く管理しないのだろうか。

手元に幾ら残っているのかを把握せずにいられるとはとても思えない。ポッケに入れたお金も、少なくとも会計責任者は把握しているはずである。

このようなことを考えると、全体額をExcel等で把握していると認識する方が妥当であり、その中で公開可のレベルを争っているのに過ぎないことが分かる。そうであれば、この攻防に関わる議論自体がナンセンスである。

そもそも、何で裏金が問題とされたのかを思い出してほしい。議員が販売ノルマを課されたパーティー券を売りさばき、ノルマ分は上納しつつそれを超えた分の売り上げを得た議員に対しては、それがキックバックされていた。

そのキックバック分が議員の政治資金として報告されていないことが裏金として問題視されたと私は認識している。

そうであれば、政治資金についてキチンとした会計報告が求められていると考えるべきであり、そうなるように政治資金規正法を改めるのが本筋であるはず。でも、自民党の案で、キチンとした会計報告ができるようになるだろうか。

20万円以上が10万円以上になっても、細かく割ることで事実上出さずに済むようなことが起こり得る。だから、私案として目一杯譲っても「その他 ○○万円」と総額を表に出すことは絶対に必要だと思う。

政治資金規正法の改正目的は一言で言えば透明化。然るに金額基準を付して何とか抜け道を探ろうとするがごとき自民党の改正案は透明化に繋がらない。加えて、そもそもこの問題の発端となった責任を全く感じていないと受け止めてよいのではないか。

政治資金規正法の改正は手段なのに、改正さえすればよいと言わんばかりの自民党の対応は、おざなりに過ぎる。まさに手段が目的化してしまっている。

このような国民の意識に無頓着な態度を取り続けて、それでも次の選挙で何の問題もなく通り過ぎることができるだろうか。もしそうなったとしたら、それは国民の側の責である。それは間違いない。

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